L→R テラ(Gu&Programming)、takao(Vo)、鳴風(Gu)、坂本尭之(Ba)

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【Fo'xTails】これが俺たちだと言え
る新たなスタートの曲

4人体制となったFo’xTailsがニューシングル「The LiBERTY」をリリースする。ラウドなロックに振り切れた楽曲は、彼らが自分たちのあふれる衝動に向き合ったからこそ生まれた。全てを曝け出したバンドの未来に期待したい。
取材:山本弘子

TVアニメ『はんだくん』のOPテーマとしてオンエア中の5thシングル「The LiBERTY」は、レベルアップしたFo’xTailsの熱量が真っ直ぐ伝わるラウドなナンバーに仕上がっていますが、タイアップ曲として意識したところは?

鳴風
最初はアニメのテーマになることは知らされていなくて、夏に発売するシングルだから明るくて突き抜けたハッピーな曲を書いてほしいっていう要望だけあったんです。でも、なかなかOKが出る曲が作れなくて、溜まったストレスを吐き出すように作ったのが「The LiBERTY」だったんです(笑)。

(笑)。そうなんですね。ボツの反動で作ったら、結果、激しくて、弾け飛んだ曲が完成したと。

鳴風
そうなんです。完成した曲に“俺を全部出せた曲なので、これでいきたいです”って文章を添えて提出しました。
takao
デモ制作中は、バンドとしても個人としても紆余曲折していた時期だったから、その時に俺が求めていたロック色が強くて、突き抜けたこの曲を出してきてくれて、聴いた時は本当に嬉しかった。

歌詞には“自由を選んで、その手で掴みとれ!”という熱いメッセージが込められていますね。

takao
“これが鳴風です”と言っていた曲なので、俺も“これが俺だ!”って言えるような歌詞を書きたいと思ったんです。その紆余曲折している中で、メンバー(峻洋/Dr)が脱退したこともあって。困難や苦悩があっても自分の意志で選んできた道に対して後悔はしたくないと思ったんです。だから、今の自分の感情や想いを素直に書き記すことに重きを置いてバーッと書いていきました。これまでいろいろなことに挑戦してきたけれど、根本的に俺がやりたいのはロックだし、原点に戻る意味でも“こういう曲をやりたい”って。

エネルギッシュで疾走感のある演奏がパッケージされていますが、レコーディングでこだわったことは?

坂本
今回はアレンジする段階でみんなで話し合って、鳴風のギターを今まで以上にフィーチャーしたんです。いつもは歌の隙間を縫うフレーズや曲に彩りを与える感覚でベースを弾いていたんですが、今回はシンプルですね。グルーブをつなげてノリで引っ張っていくプレイを心がけました。
テラ
ギターに関しては鳴風のデモを聴いた時にリフもカッコ良いし、何も味付けする必要はないと思って任せましたね。もっと派手にいきたいと思ったセクションでは裏に薄らシンセを入れています。
takao
ドラムに関しては今回からサポートの方に叩いてもらっているんですが、自分たちが曲に求めていた感覚にぴったりのプレイをしてくれて、自分たちの可能性をさらに広げてくれたのが嬉しかったですね。
鳴風
それはすごくあったね。

ちなみにミュージックビデオの観どころは?

takao
高層ビルの屋上で1日かけて撮影したんですよ。ビルが立ち並ぶ昼間の景色とイルミネーションが煌びやかな夜の風景の対比がすごくカッコ良くて。スクランブル交差点で人の流れの中、俺だけが立ち尽くしているシーンも出てきます。
坂本
昼と夜の場面がパッと切り替わるのがいいよね。
takao
今までで一番カッコ良いMVですね。

必見ですね。カップリングの「カゲロウ」は歌も音も刺さってくる切ない曲ですね。

坂本
原曲はアップテンポだったんですが、表題曲との兼ね合いもあってメロディーを活かしつつ、もっと違うカラーを出そうと鳴風にアレンジしてもらいました。土台はロックで、その上にアコースティックギターが鳴っているアプローチで。
takao
何気にメジャーデビューしてから初の坂本曲なんです。4人になってロックな方向性を打ち出したいと話したあとに作ってきてくれた曲で、リード曲になりそうな曲調だったので、試しにテンポをミディアムに落としたらメロディーがよりはまったんです。歌詞に関しては今までで一番悩みました。今回のシングルの制作期間には本当にいろいろなことがあったんですよ。その頃、大好きなおばあちゃんが亡くなってしまったので、この想いを忘れたくないと思って歌詞を書きました。ただ、自分の中では悲しいだけではなく、前向きな思いもあるんです。人間には寿命があるし、どうしようもないこともあるじゃないですか。“忘れない”という想いを歌った大切な曲になりました。

そして、「EVER」は鳴風さんが作詞、作曲、アレンジを手がけたデカいグルーブの大地が浮かぶような曲ですね。

takao
最初は俺が歌詞を書いていたんですが、鳴風に内容がちょっと重いって言われたので、“じゃあ、お前が書いたのを俺が直すよ”って言ったら、すぐに作ってきて。その歌詞が良くて直す必要もあまりなかったので、基本は全部、鳴風が書いています。恋愛だったり、仲間だったり、いろんな意味にとらえられる歌詞なのがいいなって。

脱退したメンバーに向けた曲なのかと思いました。

鳴風
あぁ、ポジティブな別れの曲ですもんね。感謝も皮肉もいろいろ混ぜて書きました。大きく言うと、人に対する愛をtakaoに歌ってもらった感じです。

Fo’xTailsの分岐点になるシングルなのでしょうか?

鳴風
そうですね。4人になって初のシングルなので。
takao
Fo’xTailsはジャンルレスなバンドだって掲げていたんですけど、俺たちが心からやりたい音楽、葛藤を含めた感情を表現したシングルですね。
テラ
本当にバンドの転機となる一枚ですね。メンバーの脱退は大きな出来事だったし、バンドの根本に4人で向き合ったからこそ、各自の想いが乗せられたと思っているので、今は新たなスタートという気持ちでいます。
takao
これからはありのままの自分で気を引き締めて突っ走っていきます! 9月10日には新宿MARZで主催ライヴをやるので、ぜひ観に来てほしいですね。
「The LiBERTY」
    • 「The LiBERTY」
    • LACM-14516
    • 2016.08.03
    • 1404円
Fo'xTails プロフィール

フォックステイルズ:2013年11月15日に結成されたロックバンド。その個性ある才能を評価され、15年に人気アニメ『黒子のバスケ』第3期ED主題歌「GLITTER DAYS」でLantisよりメジャーデビュー。16年12月には全てのシングル曲を収録した1stフルアルバム『INCEPTION』をリリースしたが、18年5月に解散を発表。同年8月1日の東京・代官山UNIT公演がラストライヴとなる。Fo'xTails オフィシャルHP

OKMusic編集部

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