L→R 村田シゲ(□□□)、原 昌和(the band apart)、荒井岳史(the band apart)、三浦康嗣(□□□)、いとうせいこう(□□□)、川崎亘一(the band apart)、木暮栄一(the band apart)

    L→R 村田シゲ(□□□)、原 昌和(the band apart)、荒井岳史(the band apart)、三浦康嗣(□□□)、いとうせいこう(□□□)、川崎亘一(the band apart)、木暮栄一(the band apart)

    【□□□ feat. the band apart】異
    色タッグが魅せる自由度の高い作品が
    登場!

    一見、音楽的に距離感のあるように見える□□□とthe band apartが強力なタッグを組み、ミニアルバム『前へ』を作り上げた。悪ノリの延長が異色のグッドサウンドへと昇華した本作について、□□□の三浦康嗣とバンアパの木暮栄一に話を訊いた。
    取材:土屋恵介

    まずは2組の出会いの馴れ初めを聞かせてください。

    木暮
    □□□のベースの村田シゲ主催のライヴが富山であって、その時に選抜されたメンバーの中に、俺と川崎が入っていて。一緒にバンドやるから、康嗣と仲良くなったんです。俺らのスタジオで練習してたから康嗣が荒井と遭遇する機会もあって、そこから荒井のソロ音源に康嗣が関わり、ライヴのバックメンバーに村田シゲが入るって感じで、どんどん両者のグルーブが高まっていったんです。それで今回の作品に至りました。

    お互いの音楽の印象はどのようにとらえていましたか?

    三浦
    俺はバンアパの音は知り合うまで聴いてなかったんです。でも、ちゃんと聴いたのは今回の制作のタイミングですね。若い頃から楽曲の完成度が高いなと思いましたね。
    木暮
    俺の□□□の一番古い記憶だと、原が“このバンドカッコ良いよ”って聴かせてくれたのが、「00:00:00」って曲だったんです。その頃、FRONTIER BACKYARDのサポートベースをやってることで村田シゲと知り合って。あと、「恋はリズムに乗って」をオルガンバー寄りのクラブでかける人が多いなって印象を持ってました。曲によって歌う人すら違うし、いとうせいこうさんが加入してヒップホップの初期衝動シリーズとかやったりして自由だなって。三浦康嗣がその時に作りたい音楽をやってるユニットって感じがします。

    □□□ feat. the band apartというかたちで発表された今回のミニアルバム『前へ』ですが、先にテーマ的なものはあったのですか?

    三浦
    どういう作品にするかって時に、僕がどうせならバンアパ全員がヴォーカルでやりたいと言ったんです。僕が面白そうと思ったからで、なぜかっていう理由がないんですよ(笑)。曲はそれぞれ4人に対して、こういう曲を書こうって当て書きでしたね。あと、仲の良い人とやるので、より踏み込んだ感じになってます。その踏み込み方が音楽的じゃなくて、人間的なことになってるんだろうなって気付きました(笑)。
    木暮
    踏み込み方が人間的(笑)。
    三浦
    例えば「スニーカー」って曲は川崎亘一がギター弾いて歌ってるだけなので、普通なら“それフィーチャリングじゃないじゃん、ソロじゃん”って言われるけど、それもありと思える2組なんです。悪ノリが倍増したみたいな、踏み込み方をしてます(笑)。わりと、木暮くんの「前へ」が一番まともに相談して作りましたね。ラップでやるのは決まっていて、遅いBPMの生ドラムを叩いた上でトラックを作ろうってやっていったんです。「板橋のジョンメイヤー」は荒井くんにできたよってデモを渡して、原くんの「神話具現」もそんな感じでした。

    荒井さんの歌う「板橋のジョン・メイヤー」は、カリプソなアレンジとなっていますね。

    三浦
    そうですね。歌謡曲っぽい、なんちゃってカリプソみたいにしたかったんです。音質もベタっと潰して、歌もでかくして、なんちゃって感を強めてもらいました。

    「前へ」は木暮さんがラップしてるのが斬新だなと。

    木暮
    ラップするって時点で別人格みたいな感じなるので、客観的に見てすごいカッコ良い曲だなって思いますね。しかも、せいこうさんっていうレジェンドと掛け合いをしてる。ライヴでやっても無責任にできるから楽しいですね。

    川崎さんの「スニーカー」ですが、なぜ弾き語りになったのですか?

    三浦
    川崎くんのデモの声が激ちっちゃいってことを事前に聞いてて、だったらカヒミ・カリィくらいでやろうかな、でもウィスパーもなんだしなと思って、弾き語りなら声が小さくても聴かせられるってことで弾き語りにしたんです。

    原さんの「神話具現」は混沌とした音のエディットから始まり、アーバンで甘い声が聴こえてくる曲になっていますね。

    三浦
    変なオケになりましたね。俺なりの解釈ですけど、原くんの持つ無駄なものに勝手に面白味を見つけるみたいな雰囲気を音にしたんです。そこから原くんのまさかの美声が聴こえてくるっていう。これでPVを撮っちゃいましたからね。
    木暮
    おじさんふたりが縁側でただ茶を飲んでるっていう、なかなかいいPVができました(笑)。

    (笑)。「お前次第ってことさ」はバンアパの「eric.w」をバックにラップが乗っているという。

    三浦
    それは村田さん企画で。バンアパに新たに演奏してもらって、その上でせいこうさんにラップしてもらったんです。
    木暮
    せいこうさんのラップを通り抜けてのフックも、ヒップホップの奴が作ったっぽい感じのキャッチーさがあって好きですね。

    最後は□□□だけでの「あいまい」で。

    三浦
    俺が歌ってるアルバムのエンドロール的な曲で、メロウな歌モノになりました。1行ずつアルバムの楽曲のこと歌ってお終いっていう緩さがいいのかなって。

    では、全編通してどんな感想がありますか?

    木暮
    すげーいいと思うもんができたなと思います。最初のできた時のインパクトから、何度も聴くと落ち着いてきて、あんまり笑わなくなってきたし(笑)。
    三浦
    これ、バンアパのことをもともと知らない人は、ヴォーカル3人とラッパーのひとりのグループなんだって誤解を招くかもしれない(笑)。□□□はそもそもどんなグループなのかってよく分からないと思うけど、これでより訳が分からなくなるのは望むところだって感じですね(笑)。

    ほんとに面白いものができたってことですね。

    三浦
    そうです。ただ、面白いの先が何もないんですけど(笑)。それは聴く人が見付けてくれればっていう。無責任とも言えるし、いい意味で要は“お前次第ってことさ”感というか。個人的には面白いっていう音楽のあり方って好きだから、自由に楽しんでもらって全然大丈夫ですね。
    『前へ』
      • 『前へ』
      • asg-035
      • 2016.10.12
      • 1599円
    □□□ プロフィール

    クチロロ:1998年に三浦康嗣と南波一海でブレイクビーツユニットとして結成。以降、ターンテーブル、サンプラーを含むさまざまな楽器演奏者を交えながらライヴ&レコーディングの試行錯誤を繰り返し、徐々にポップス中心のスタイルへと移行。歌モノ、ヒップホップ、ソウル、ハウス、テクノ、音響、ジャズ、あらゆるものを聴かせつつも、その全てを今までにない、老若男女のための普遍的なJ-POPへと昇華させている。□□□ オフィシャルHP

    the band apart プロフィール

    ザ・バンド・アパート:1998年結成。04年に自らが運営する“asian gothic label”での独立を果たす。ツアーでは両国国技館や幕張メッセでのライヴを成功させ、国内では毎年数々の野外フェスで多くのアーティストとの共演を重ねながら自らのサウンドを確立してきた。さらに、レーベル所属のmock orangeとのアメリカツアーや、台湾、フランスでのライヴを行なうなど、ワールドワイドな活動も展開している。
    the band apart オフィシャルHP

    OKMusic編集部

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