L→R 辻村勇太(Ba)、高村佳秀(Dr)、田邊駿一(Vo&Gu)、江口雄也(Gu)

L→R 辻村勇太(Ba)、高村佳秀(Dr)、田邊駿一(Vo&Gu)、江口雄也(Gu)

【BLUE ENCOUNT】やっぱり俺らって、
愚直なほどの言葉とサウンドが良いん
だと思った

10月に初の日本武道館ワンマンを成功させたBLUE ENCOUNTが、ドラマ『THE LAST COP/ラストコップ』主題歌としてOA中の「LAST HERO」をリリース。攻撃的なサウンドや掛け声がライヴを想起させるブルエン節全開の新曲、そして日本武道館公演について訊いた。
取材:フジジュン

初の日本武道館ワンマンを改めて振り返っての感想は?

田邊
まず、武道館の夢が叶い、夢を約束できる場所にできたことがすごく良かったと思いますね。1カ月以上が経って、“俺ら、すごいことしたんだ”とやっと思い出せることもあって…実は終わって数日は記憶が全然なかったんです。僕、公演の1週間くらい前からナーバスになっていて。初の武道館をポシャりたくなかったし、ただの発表会で終わらせたくなかったから、終わったあとに死んでもいいと思えるライヴにしなきゃいけないと思ってたんですよ。だからこそ、何でもかんでも詰め込んだ“全乗せ”にしたし、いかに武道館にバンド力で負けないかという勝負でもあったんです。シンプルなステージで無策で臨むというやり方もあったと思うんですけど、俺らはこれまでやりたいことを何もやれてないんですよ!だから、演出会議の時からやりたいことをホワイトボードを埋め尽くすくらいに書き出して、その中で一番最初に出てきたのが“タカムラップ”(余興)だったんです(笑)。

ワハハ、どこに軸を置いてるんですか!

田邊
ステージ上で平常心を保つのに必死で、自分たちらしくいることがすごく大変でした。終わったあとも体中が痛くて、武道館のための筋肉みたいなのがあるんだと知りましたね。再び武道館をやるためにも、もっと鍛えなきゃと思いました。
辻村
僕はエネルギッシュに、あまり浮かれないようにやりたいと思ってたんですけど、浮かれちゃいました(笑)。お客さんと一緒に楽しんじゃうと、一番奥まで伝わらなくなってしまうので、気持ちを抑えて届ける必要もあるんですよね。
高村
武道館って見える景色がいつもとまったく違って、初めてお客さんの中にいるみたいな感覚になったんですよ。だから、ステージに立った瞬間、“めっちゃいい景色だな!”と思ったし、すごく楽しかったです。江口や辻村とも自然と何度も目が合って、ふたりの笑顔を見てまた楽しくなったりして。
江口
僕は良くも悪くもブルエンらしくいられたことが、すごく良かったと思います。リハで確認したことを忘れたり、反省点は多々あるんですけど、反省点以上に良かったことがあったし。きっと失敗を恐れてたらつまらないライヴになっていたと思うし、そこでできたことがこれからの伸びしろになると思っています。今後の可能性も感じるライヴになりましたね。

超満員の観客を誰も置いてけぼりにしなかったというところが、自分的にはすごく良かったです。あの大会場でライヴハウスのような近しさを感じたし、ひとりひとりと対話できてましたし。

田邊
僕もこれまで言っていた、“あなたの隣で歌いたい”ということが、武道館でもできたと思います。だから、今、バンドが本当に楽しいんですよ! それは武道館で自信が持てたということが大きいと思うんですけど、歌ってても、ギターを弾いてても楽しいし、曲もバンバン出てくるんです。だって、武道館やるって言って、あんなにお客さんがパンパンになるほど入ってくれるってなかなかないですよ!? そこでこれまでやってきたことを解き放つことができて、初めて自分たちに自信が持てた。おごりでも何でもなく、俺らが武道館でやるべきことをやって、得るべき高揚感を得ることができたと思うんです。

今、すごく思うのはブルエンがやってることって全部つながってるし、一貫してるし、ちゃんとした理由や裏付けがあるなって。「LAST HERO」も歌詞とかでドラマに寄せた部分はあるけど、ブルエンの現在をしっかり歌えてるし。

田邊
はい。そこで改めて言いたいのは、誰か策士が俺らを動かしてるわけじゃなく、毎回、俺らとスタッフが頭を悩ませて考えて考えて、前に進んでるってことなんですよ。ドラマの主題歌もセオリーがない中、たくさん曲を作って、何がベストなのかを悩み抜いて選んだ曲だったんです。そもそも僕はドラマがめっちゃ好きで、じいちゃんと『あぶない刑事』を観て、姉ちゃんと土曜9時の『金田一少年の事件簿』とか観て育ったので。今回のお話はど真ん中すぎて、嬉しくて嬉しくて、アイデアが沸きまくって、3カ月で50曲書いたんです(笑)。その中からメンバーとスタッフで時間をかけて選んだんですけど、満場一致の曲を出したかったから選ぶことができなくて、結局、納期より1週間くらい遅れてできたのがこの曲で。

え? 50曲も候補曲があったのに、イチから作ったの!?

田邊
いろんな曲をやりすぎて、何が良いのか分からなくなっちゃったんです。ノンジャンルゆえの弊害がここで出た(笑)。で、“俺らがカッコ良いと思う曲を作ればいいじゃん!”ってできたのが「LAST HERO」だったんです。言ったら、僕らの原点的な曲なんです。そしたら満場一致でこれだって話になって、ドラマのスタッフさんに聴かせたら、“イントロで決定した”って。もう、みんなで大盛り上がりでしたね。で、最終的には俺らが純粋にカッコ良いと思う曲が作れたから、4人が曲を吸収する浸透度も速いし、武道館で初披露した時の反応もすごく良かった。この感覚って「もっと光を」の時に近いし、やっぱり俺らって愚直なほどの言葉とサウンドが良いんだなと思いました。
高村
僕は最初、ドラマの主題歌でここまでブルエンらしい曲が受け入れられるのか?と思ってたんですよ。もっと聴きやすい音にするのか、いつもの音を追求するのか悩んだんですけど、結局、いつもの音を追求してました(笑)。だから、ドラマで使われてるのを観て、“全然、大丈夫だな”と思って安心しました。
江口
僕は逆にたくさんの人の耳に触れる機会だからこそ、攻めてないと俺らっぽくないと思って、いつも以上に攻めたし、音にもこだわったし、いつもより多めに重ねています。

ドラマでこの曲を聴いて衝撃を受けた人や、初めてブルエンを知った人にも、まずはCDを手に取ってほしいですね。

田邊
そうですね。初回生産限定盤には新曲「WINNER」も入ってたり、通常盤には武道館のライヴ音源が入ってたりと、聴き逃せない音源がたくさん入っているので。ブルエンをより知ってもらえるシングルになっているから、ぜひ聴いてほしいです。
「LAST HERO」2016年11月23日発売Ki/oon Music
    • 【初回生産限定盤(DVD付)】
    • KSCL-2797~8 1900円
    • 【通常盤】
    • KSCL-2799 1000円
BLUE ENCOUNT プロフィール

ブルーエンカウント:熊本発、都内在住の4人組バンド。2014年9月にEP『TIMELESS ROOKIE』でメジャーデビュー。15年1月にリリースしたファーストシングル「もっと光を」は、新人ながら全国35局でのパワープレイを獲得した。また16年10月には日本武道館ワンマン公演『LIVER’S 武道館』を大成功に収める。さらに17年1月にはセカンドアルバム『THE END』をリリースし、バンド史上最大規模であり幕張メッセ公演を含む全国ツアー『TOUR2017 break”THE END”』を大盛況のうちに終了させた。19年11月にはシングル「ポラリス」をリリースする。 BLUE ENCOUNT オフィシャルHP

OKMusic編集部

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