【有村竜太朗】表現者としての自分を
    再発見した初個人活動

    有村竜太朗初の個人作品集は、彼らしい繊細なロックを軸に、Plastic Treeでは収まり切らない世界観を追求したアーティスティックな作品となった。téのhiro(Gu)、chouchou merged syrups.の鳥石遼太(Ba)と高垣良介(Dr)を基本メンバーに、People In The Boxの波多野裕文やTHE NOVEMBERSの小林祐介も迎えて、濃密な音を展開する。
    取材:舟見佳子

    今回の個人活動をスタートしたきっかけは?

    うちのバンド(Plastic Tree)はメンバーみんなが曲を作るので、曲出しの時に結構曲が集まるんですよ。だから、自分がデモまで作ったけど、たぶんもうやらないだろうなぁみたいな曲がパソコンのフォルダにいっぱい溜まってて。で、久々に聴いたりしたら、すごく当時の自分が出てて良くて、何かデモにも意味を感じたんですよね。だったら一度、もうちょっとアレンジを詰めたり、メロディーを考えたり、歌詞を付けてみたりしようかなぁみたいなことを3~4年前くらいからしてたんですよ、ちょこちょこ。そしたら、ちゃんとした曲のかたちになった曲として溜まってきて。だから、曲があるけど出すところがないから、ソロかなぁみたいな。“曲はないけど企画としてやるソロ”みたいな感じではなかったですね。

    ということは、今作の曲は基本プラ用に作った曲?

    プラ用にって言えばプラ用にですけど、特に曲を作る時、何用にとかあんまり考えないですね。こういう曲を作りたいなと思ってやったのもあれば、寝起きでギター弾いたらできた曲もあるし。発生の仕方も年代もバラバラで、やたら古い曲もあるし、わりと最近作ったなって曲もあるし。

    ティーザー曲でもある「浮融/fuyuu」ですが、これは気持ち良いですね。シューゲイザー的な音作りが圧巻です。

    Plastic Treeも「Thirteenth Friday」とかシューゲっぽい曲が多いというか…プラでのシューゲってほんと完成されてて。それはそれで今もそこから新しいものが生まれたりもするんですけど、せっかく曲があるなら違う人とやるシューゲもいいかなって感じで。当然hiroとかも好きだし、もっとああいうギターが欲しいなと思って、この曲だけTHE NOVEMBERSの小林くんにも参加してもらったんです。前に、『JAPAN JAM』で彼が俺を呼んでくれて、マイブラのカバーとか各自のバンドの曲を演ってシューゲ大会みたいなことをやったんですけど、それがすごく楽しくて。その時に、“あと20分くらい同じ回しでずっと演奏したかったね”みたいなことをみんなと言ってたんですよ。そういうループの気持ち良さがすごく印象に残ってたというか。だから、今回せっかくこういう場があるなら、それを徹底してオリジナルとして作ってみたいなって。そんな感じの曲を作りたいなと思って、自由に作って、長さも自由に…音源なのにあんなに長くやってるとかね。ほんと、これは気持ち良かったですね。

    曲によって演奏している参加メンバーは違うのですか?

    いや、ほぼ基本メンバーでやっていて、「浮融/fuyuu」は基本メンバー+小林くん。で、「また、堕月さま/mata,otsukisama」っていう波多野くんにお任せした曲は、逆にプレイヤーは誰も参加してないです。打ち込みと波多野くんのギター、あとは僕の歌だけですね。

    なるほど。新しいバンドを組むみたいな感覚もありました?

    下手したらこの時期しか集まらないであろうメンバーとバンドを組んだようなイメージはありますね。他に、「また、堕月さま/mata,otsukisama」はマニピュレーターさんと一緒に作ったような曲だったりもしますけど、そこからバンドで合わせたらバンドサウンドになったかなぁとか。

    「猫夢/nekoyume」は今作の中で一番バンドっぽいですね。

    これはセッションバンドをやる時にノリで持っていったものが、ノリで曲になっちゃったんです。ずっと歌詞とかもほとんど作ってない状態だったんで…何て言うんですかね、仕上げてなかった…ジャムれる曲というか。ずいぶんとたくさん演奏してきたけど、歌詞は一番しかなかったなぁっていう(笑)。

    それがやっと歌詞も全部付いて今回完成したわけですね。

    はい。あとは、今回『デも/demo』という個人作品なので、もっと個人作品っぽいものを記録として残したいなと思って、メロディーのある6曲は全部アコースティックバージョンを作って入れます(初回盤に収録)。

    そのギターは竜太朗くんが全部弾いてるの?

    そうですね。俺、カバーですけど、弾き語りのライヴとかもたまにやるんで。こういうの好きだなっていう自分がやっぱりいるんですよね。個人作品だからひとりでやるのもいいでしょと思って。

    今作を作ったことで気付いたことはありますか?

    再発見的な意味ですけど、自分はものを作ること、表現することがやっぱりすごく好きだったんだね…みたいな。もちろんPlastic Treeも表現集団で、ものを作る集団でもあるし、自分はそこの4分の1としていつもベストを尽くしたいというのがあるんですけど、今回に関しては“自分がひとりで出す意味のあるもの”っていう感じですね。ほんとに意味があるのかどうかは、実際にものができてみないと分からなかった…“フォルダーに眠ってたほうが良かった曲たちかもしれない”とか思ったりもたまにしたんですけどね。でも、全然大丈夫だったというか。ちゃんと言葉を付けてあげて、ちゃんと考えてあげて、ちゃんと録音してあげて、ちゃんと人を関わらせてあげたら、“あぁ、巣立って行った”みたいな感じですかね(笑)。

    今作リリース後には、東名阪ツアーが控えていますね。

    このソロのために組んだバンドみたいなイメージがあるので、今作の基本メンバーでやります。内容的には、この音源に入ってるものを全部やろうかなって思ってます。アコースティックも含めて。これの実演版をちゃんとやりたいなって、余すことなく。それのみですね。

    プラの竜太朗くんと違うところは期待できそうですかね。

    どうですかねぇ。やったことないから分からないですねぇ。俺は違うつもりでも、いつも通りに“やぁやぁ”って言ってるかもしれないし(笑)。やっぱり、これ言わないと始まった気がしないなぁって。そこらへんはお客さんに“同じやないか!”って鋭いツッコミをしていただければ嬉しいなと(笑)。
    『個人作品集1996-2013「デも/demo」』2016年11月23日発売blowgrow
      • 【初回盤A(DVD付)】
      • IKCB-9550~1 3996円
      • 【初回盤B(DVD付)】
      • IKCB-9552~3 3996円
      • 【通常盤】
      • IKCB-9554 2700円
    有村竜太朗 プロフィール

    アリムラリュウタロウ:Plastic Treeのヴォーカリスト/ギタリストとして1997年にメジャーデビュー。以降、Plastic Treeでは13枚のアルバムをリリース、日本武道館など大会場でのライヴをはじめ、海外ツアーなども行なう。有村の書く詩的で文学的な歌詞や浮遊感のある声質は独特な世界観を持ち、高い評価を得ている。有村竜太朗 オフィシャルHP

    Plastic Tree プロフィール

    プラスティック・トゥリー:1993年結成、97年に「割れた窓」でメジャーデビュー。攻撃的なギターロックからポップなものまで楽曲は多彩。有村の特徴的な歌声と文学的な歌詞や独特の世界観で、アーティスティックな美意識を貫く唯一無二の存在として、確固たる地位を確立している。LM.Cや氣志團、清春、MUCCら12アーティストが参加したトリビュートアルバム『Plastic Tree Tribute〜Transparent Branches〜』を2017年9月6日にリリース予定。また、9月9日には同作リリース“樹念”として親交のあるアーティストが出演するサーキットイベントを開催する。Plastic Tree オフィシャルHP
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