L→R SATOち(Dr)、YUKKE(Ba)、ミヤ(Gu)、逹瑯(Vo)

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【MUCC】20周年は意識したくないと思
いながら散らばってるくらいでちょう
どいい

今年、結成20周年イヤーを迎えるMUCCが完成させた最新アルバム『脈拍』。プロデューサーにKen(L'Arc~en~Ciel)を迎えて、過去~現在~未来をつなぐ、MUCCの現在を切り取った今作について、逹瑯(Vo)とYUKKE(Ba)に語ってもらった。
取材:フジジュン

2017年、結成20周年イヤーの幕開けを飾る最新アルバム『脈拍』が完成しましたね。

逹瑯
2016年は20周年イヤーに向けて、いろいろと仕込んでたんですけど、10周年の時にもっといろいろできてたら、こんなに忙しくなかったんじゃないかな?と思っていて(笑)。“あれもしたかった、これもしたかった”があって、“それを全部やりたい!”から始まってるから、30周年はもう少し楽だといいな。

わはは。HPで発表されてる20周年プロジェクトには、未発表のものもたくさんありますからね(笑)。アルバムは20周年の集大成的な作品を予想していたのですが、MUCCの現在を切り取った感のあるアルバムになりましたね。

逹瑯
確かに今までやってきた好きなものを再確認するような見え方はあるけど、集大成感はないですね。“20周年ってところを意識するのもなぁ”と思ってる時点で意識してるから、意識したくないと思いながら、そのエッセンスが散らばってるくらいでちょうどいいんじゃないですかね。
YUKKE
僕も意識したら考えすぎちゃうんで。逆にバラエティーに富んだ、自分らしい曲ができればいいなと思ってました。実際、今回は「秘密」とか「りんご」とか、バラエティーに富んだ曲からできて、「脈拍」とか「孵化」とか軸になる曲が後半にできて、やっと全体像が見えてきた感じだったんです。

アルバムが完成しての感想はいかがですか?

逹瑯
MUCCらしいアルバムになりましたよね。分りやすいのか分りにくいのか、キャッチーなのかマニアックなのかも分からない、まさにMUCCといった感じです(笑)。
YUKKE
聴いてると1曲ごとに国も時代も変わっていくような、いろんなところを旅してるような感覚になるんです。

確かに。それが後半の「勿忘草」から「孵化」、ラスト「ハイデ」につながった時、点と点が線になるような印象でした。やはりプロデューサーのKenさんの存在も大きかった?

逹瑯
Kenさんがいなければ、まだ完成してなかったんじゃないかってくらい大きかったです。内容も全然違ったものになってたんじゃないかな。Kenさんって何かを決める時、整理してみんなで決定しやすい方向に持っていってくれるんです。アイデアを出して後押ししてくれて、全員が納得した上で進めることができるから、すごくやりやすい。
YUKKE
2016年はKenさんがMUCCのライヴを観てくれる機会もすごく多かったので、お客さんのノリを観て、今のMUCCに欲しい曲ってところでも意見を持ってくれて。
逹瑯
MUCCのことをよく理解してくれて、空気感や現場の感じも分かってくれてるってところが大きいよね。いっそ、MUCCに加入してくれないかな?と思ってるんだけど(笑)。

逹瑯さんは作詞作曲で意識の変化ってありました?

逹瑯
どうせやるなら楽しみながら作りたいなと思うようになってきたかな? だから、今回ももっといろんなタイプの歌詞を書きたかったなと思うくらいで。こういう方向性の歌詞を書きたいなというのもまだあるんで、それはこれからにつながればいいと思ってますね。

MUCCの歌詞って希望と絶望が隣り合わせにある印象があって。今作は「ハイデ」の存在も大きいと思うのですが、聴き終えた時に希望が強く心に残りました。

逹瑯
「孵化」の歌詞はもっと悶々とした内容だったんですけど、20周年を意識したところで、希望につながっていく歌詞がいいなと思って書き直したんですよ。「ハイデ」はシンプルで言葉数の少ない中で1歩先の深いところまで書けたので、個人的にすごく気に入ってますね。

「ハイデ」の語りの部分の《『自分』と『それ以外』に別れた たった二つの世界》という歌詞を聴いて、他の曲にもよく出てくる“世界”という言葉の意味も理解できました。

逹瑯
語りのところが歌いたいことの全部で。頑張りたいけど頑張れない人、頑張ってるけど報われない人に“頑張ろうよ”と腕を引っ張るんじゃなくて、“大丈夫”って寄り添える応援歌があってもいいのかなと思って。そういう人にそっとドアを開けておくような曲にしたくて書いたんです。

そのドアが“『自分』と『それ以外』”の世界をつないでいるんですよね。では、“脈拍”というアルバムタイトルの意味は?

逹瑯
デザイナーと打ち合わせた時、ジャケットのデザインが血管みたいに見えたり、生も死も連想させる言葉ってところで“脈拍”って言葉が浮かんだんです。そこからリーダー(ミヤ)が「脈拍」の歌詞を書いてきて、アルバム制作の後半、すごいギリギリでできた曲だったんです。

それがアルバムを象徴する曲になり、現在のMUCCを表わすような曲になったわけですからドラマチックですね。

YUKKE
20周年イヤーの鍵になる曲だと思うし、ライヴでの爆発力やテンションの高さにも映える曲だなと思うし。アルバム前半、「脈拍」~「絶体絶命」~「CLASSIC」あたりの流れは、ライヴも想像できると思います。

それぞれ、アルバムで思い入れの強い曲を教えてください。

YUKKE
僕は自分で作曲した「秘密」ですね。好きなメロディーに好きな歌詞が乗ってて、僕と逹瑯に同じ景色が見えてたんだと思うんです。「月の夜」って曲を作った時もそうだったんですけど、何年かに一度、そういうことがあるんですよ。
逹瑯
俺は「BILLY×2 ~Entwines ROCK STARS~」かな。16歳の時に衝撃を受けたものってなんだろう?と思って書いたんですけど。同じテーマで自由に歌詞を書いたら、みんな違った単語が出てくると思うんで、そういう聴き方をしても面白いんじゃないですかね。

最後に20周年イヤーへの意気込みを聞かせてください!

逹瑯
アルバムリリース後、前半はツアーやレコーディングで忙しいと思うんですけど、良い状態のまま後半を迎えて、“しんどかったけど、楽しかったね”って言いながら、1年駆け抜けられたらいいなと思ってます。
『脈拍』2017年01月25日発売Sony Music Associated Records
    • 【初回生産限定盤A(DVD付)】
    • AICL-3266~8 7474円
    • 【初回生産限定盤B(DVD付)】
    • AICL-3269~70 4104円
    • 【通常盤】
    • AICL-3271 3240円
MUCC プロフィール

ムック:1997 年結成。日本人の心のメロディーを大事にしつつ、ロック、メタル、パンク、ダンス、ラップ、ミクスチャー…ありとあらゆるジャンルの音楽を飲み込み、常に新たなサウンドを追求し続け、“MUCC”というひとつの生命体のように、誰にも似つかない音を鳴らし続けている。国内外問わず結成以来、精力的に数多くの箇所、本数のライヴを行なっており、海外でもヨーロッパ・アメリカ・中国・ロシア・南米の計13 か国で公演を約150 本を実施。国内においても日本武道館、幕張メッセ、国立代々木競技場第一体育館などで単独ライヴを開催。また、国内外の大規模フェスにも出演し、大きな反響を得てきた。08 年には北米(34カ所)、ヨーロッパ(18カ所)を回る大型フェスツアー、『ROCKSTAR Taste of Chaos』TOUR にAvenged Sevenfold、ATREYU、Bullet for My Valentine、Story of the Year、As I Lay Dying などとともに参加。日本公演では堂々のヘッドライナーを務めた。世界を股にかけるタフなライヴバンドとして定評もあり、そのパフォーマンスへの評価は高い。MUCC オフィシャルHP

OKMusic編集部

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