【メリー】
取材：土内 昇
メリーらしくやっていけばいいっていう
自信がついた
5月に行なわれた横濱文化体育館のライヴDVDがリリースされますが、どんな映像作品に仕上がりましたか？
当日は結構緊張してて、前半、舞い上がってたんですけど、ちゃんと歌えてるし、ちゃんとライヴしてるし…浮き足立っているところは浮き足立って映っているから、それもいいなって（笑）。今までの作品がダメっていうわけではないんですけど、一番臨場感のある作品になりましたね。曲も一切カットしてないんで、当日の流れというものをそのまま詰め込んでいるし…映像のチェックをしてて気付いたんですけど、僕、すごい笑顔なんですよ。なんか自分的には嫌なんですけど、それだけ楽しかったんだろうなって。
いつものツアーファイナルとは違いました？
全然違いましたね。“これがファイナルか!?”って思いましたもん。今まで何本もファイナルを経験したけど、初めての感覚でしたね。
これは当日も思ったのですが、大きなハコでやっているのに、セットを組んでないんですよね。
“メンバー5人だけでステージに立って何ができるのか？”ってところでツアーをやってきて、ファイナルである文体を迎えたんで、今までみたいにセットを組んだり、“こういう流れで?”とか“ここでMCをして?”というのを決めなかったんですよ。
それは自信があって？ それとも挑戦だった？
半分半分でしたね。“俺らならやれる！”って自分に言い聞かせてステージ立ってたところもあるし…最初は今までのファイナルみたいに豪華なセットを組もうと思ってたんですけど、ツアーを続けていくうちにメリーの本質を自分らでも観たいという気持ちが出てきたんです。“生身だけでどれだけやれるんだろう？”って。文体はファイナルなんですけど、僕らは“もっと先に行くための通過点”と言ってたんで、そういう意味ではいい折り返しができたなって思います。
では、このライヴを終えて、一番に感じたことは？
まだ沖縄が残っているんですけど、全47都道府県を回った…僕が言い出しっぺだったんですけど、いろいろあって2年半かかった『Many Merry Days』が終わったなって。これで自分たちの中でもケジメがついたし、“やっと、新しい展開に行けるな”って思ったから、ライヴが終わった後の打ち上げの時には“次はこうしたい”とかをみんなと話してましたね。
そういう意味でも、2年半続けてきたツアーのファイナルだし、バンドにとって大きな転機となるライヴになりました？
今までもいろんな転機がありましたけど、その中でもデカいですね。『Many Merry Days』をやっていく中で、もがいたり、迷走したりしたんですけど、それは文体のステージに立つためだったんだなって思ったら、全然苦労とも何とも思わないし、逆にこれから好きなことをやっていこう…メリーはメリーらしくやっていけばいいっていう自信がつきましたね。
“メリーらしく”というのは？
王道であって王道じゃないものがメリーらしい気がしますね。バンドなんて腐るほどいるから、そこにどれだけメリーという名前を刻んで残せるかってところで、人と同じことをやってたらいかんなって。
それが来月発表されるシングル「激声」につながるんですよね。前号で大作になると言ってた通り、15分を超える曲に仕上がっているし。
“この曲を世の中に出してどんな反応があるのか？”って、今までの曲の中で一番楽しみかもしれないですね。間違いなく、世の中に一石を投じる…こんなことをするバンドは他にいないだろうって（笑）。バカだって思われるのか、面白いって思われるのか、メリーらしいって言ってもらえるのか分からないですけど、今やりたいことを5人で話し合って、それをドーンって音に出したら、この『激声』という曲ができたって感じですね。
その続きは次号でお願いします！
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