取材:志村じゅん子

大真面目に、日本の医療にメスを入れる

メジャーというフィールドに移ってからの最初のフルアルバム『日本医療革命』ですが、ある意味LuLuらしいタイトルですよね。このタイトルにした意味というのは?

僕らはただ白衣を着て活動しているように思われがちですが、きちんとした志を持っているんです。それは病院、医療というコンセプトのもと活動していく中で、僕らに関わってくれる人たちが医療というものを身近に感じてもらい、個々の医療意識を高めていただけたら、日本の医療はもっと良くなるのではないかと。そこで、問題山積みの今の日本の医療制度に対し、僕らがフロンティアとなって変えていきたい、という思いでこのタイトルを付けました。

1曲目の「溺愛クランケ」はインディーズ時代に発表して、現在では入手不可能のアルバムに収録されていた曲なのですが。

この曲が収録された『第零集中治療室』というアルバムが、おかげさまでソールドアウトしまして、おっしゃったように入手不可能なんですよ。そこで、メジャー第1弾のフルアルバムとして、溺愛しているクランケ(ファン、リスナー)に対して、これで最初の幕を切ろうか…という思惑がありました。

思わず暴れ出したい衝動に駆られてしまう曲ですね。

そうですね、ライヴでもよく演奏する暴れ曲です。瞬発力や爆発力のある曲なので、流れを掴みやすいといいますか。聴いてくれる方の気持ちも掴もうと思って、敢えて1曲目にしました。

「症例:官能アレルギー」も『第零集中治療室』にも収録され、さらにはデビュー作『Dr.ステルベン』にも収録されてますよね。思い入れが強いように感じたのですが…。

僕の中では『溺愛クランケ』と『症例:官能アレルギー』は2曲で1セットというくらい、思い入れの強い曲です。なぜって聞かれると上手く説明ができないのですが…。タイトル通り、官能的なことにアレルギーを起こしてしまうので、それを治してあげたい『溺愛クランケ』というつながりがあるんですよ。試行錯誤を重ねて何度も歌詞を書き直しましたが(苦笑)

歌詞といえば「ミセス コニーの苦悩」が印象的でした。

この曲は、それぞれ抱えている悩みを当てはめて聴いていただきたい曲です。聴いた人がそれぞれの受け止め方ができる、いわばよくできたお薬じゃないかと(笑)。僕は短い歌詞から長い歌詞まで書くんですが、これは短い歌詞。僕の中で短い歌詞は“詩”をイメージしていて、詩集のようになればいいなと思ってるんです。決して手を抜いてるわけじゃないですよ(笑)

後半は「遺書」でドラマチックに終わりに近づくかと思いきや「メンヘラヴィーナス」「精神鎮痛剤」と“これでもか!”って盛り返してきて、正直ビックリしましたよ。

思惑通りの反応で(笑)。このまま終わっちゃったらつまらないって思って、ビックリ箱のようにしちゃいました。

ラストの「精神鎮痛剤」は、また頭の曲に戻りたくなるような依存性がありますね。この新薬(新作)を待ち望む全国のクランケたちに伝えたいことは?

みなさん、具合悪いのに様子見てるだけで病院に行かないじゃないですか。あれ命取りなんですよ! だから『日本医療革命』を聴いて、もっと医療意識を高めて、ちょっとでも異常を感じたらすぐに病院に行きなさい!

ちなみに健康には気を付けてますか?

最近は、歩くことを増やしたりサプリメントで栄養補充してますよ。でも、へヴィスモーカーなのでプラマイ0かも(笑)
LuLu プロフィール

ルル:2005年6月、たぁ(Vo)とYu-ki(Ba)のもと縷々総合病院を設立。白衣に身を包み、オリジナリティあふれるスタイルはヴィジュアルシーンの中でもひと際異彩を放ち、熱狂的な支持を得ている。LuLu オフィシャルサイト
公式サイト(アーティスト)

OKMusic編集部

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