取材:お髭のマツオカ

メリーの骨がどれだけ太いのかを確認し
たかった

前作の「STILLNESS IN THE MOMENT」が、発売のずいぶん前にレコーディングを終えられていて、リリースまで空白の時間があったと聞いたのですが、今回はこのアルバムのためにレコーディングされた曲が多いのですか?

井手
前作はそうだね。レコーディングしてから2年くらい間があったんじゃない?
秋満
そうだね。今作は新しくレコーディングしたのもあるし、古いのもある。歌だけ録り直したりもしました。

過去にレコーディングしたものを聴き直して“ちょっと違うな”というのは、なかったのですか?

井手
ありますよ。“こんなんあったよね”って懐かしかったり(笑)。あとは、同じ曲を何アレンジか録ったのを聴き比べたりして。上手く演奏してるのも良いけど、逆に“初期のが良かったね”ってのもあったり。面白いやり方してたね。
秋満
けど曲って、やっぱライヴでやってると変わっていくよね。ほんと、生き物だよ。
井手
6曲目の「IN THE SUN」なんて、僕がDADASに入る前に作った曲で、田中がこの曲を思い出してくれて、一緒にバンドをやろうって誘ってくれたんだよね。だから、歴史が長い曲だし、DADASになってからも何回もレコーディングしていて、アレンジも2、3パターンあるから、それを並べて“どれにする?”って話をしたりね。結局ジミヘンっぽいやつが採用されたけど(笑)。

さっき、田中さんからバンドに誘われたというお話がありましたが、バンド結成時にコンセプトやビジョンに関して、何か具体的な話し合いはあったのですか?

金子
最初、俺がYKZを観に行った時に、(田中に)“大介とハードロックバンドやるんだけど、一緒にやってくれない?”って言われて…どう考えてもいい印象がなかったね(笑)。LAメタルみたいなのしか想像できなくて。しかもYKZはドラム殺しで有名なバンドだったから、“赤紙来たな”って感じでさ(笑)。なんとなく返事を濁してたよ。しばらくして(田中に)スタジオに一緒に入らないかって誘われて、ふたりで入るものだと思って行ってみたら(DADASのメンバーが)みんな揃ってて、騙された!って(笑)。でも、その後4人で「MONARCH」をやった時、そこで曲を大事にするバンドなんだって実感して。ジャンルどうこうより、グッドミュージックを残したいんだっていう誠実な想いがいいなって。“いいものはいいんだ”っていう。

前作と比べて世界観の広がりがすごいですよね。いいバランスのアルバムだなぁっと思いました。

井手
うれしいね。いいアルバムに仕上がったでしょ?(笑)??以前のインタビューで、バンド名に意味はないとおっしゃられてたのですが、意味がないのも逆にハマってるかな、と。
金子
意味があったら、変に縛られちゃうかもね。
井手
みんな意味を勘ぐるところが面白いかなって。

話は変わりますが、前作の1曲目「火の鳥」が疾走感あるパンクチューンで、今回は「SUMMERTIME ON MARS」。ロボットアニメのオープニングにも使えそうな世界観のものですよね。曲順はかなり悩みましたか?

井手
最後の最後まで悩みましたよ、曲順は。ヴォーカルが言うのもなんだけど、最後のインストは絶対に聴いてほしいからね。
秋満
自分的には、前回のミニアルバムと今回でひとつっていうか、そんな感じだけどね。
井手
俺もそんな感じする。前のミニアルバムの時に、すでにあった曲も入ってるし。それと、「SUMMERTIME ON MARS」はイントロの“デデッ”ってところを聴いてほしい。あんなメタル的なことやってるバンドあんまりいないから(笑)。
金子
瞬間、ボン・ジョヴィ思い出したもん。「夜明けのランナウェイ」を(笑)

それ、最高ですね。歌詞も日本詞と英詞のバランスが絶妙ですし。

井手
最初にメロディーができて、なんとなく、こんな音で韻踏みたいなぁって大まかなイメージがあって…なんか英語の方がハマりやすかったり。けど、煮詰まったら日本語もカッコ良いなって思ったり。あとは、日本語の“音”を英語にしてみたり。逆“空耳”みたいに(笑)。言葉遊びは結構しているかな。
秋満
メロディーと一緒に言葉が浮かぶ時ってあるじゃん。そういうのは大事にしつつ。
井手
そうそう。そういうのにテーマを持たせながら。これ内緒なんだけど、「KISS」には秘密がいろいろあって…(ここから歌詞の説明)…とまぁ、全部“裏テーマ”がありまして。

これは感動さえ覚えますね。

井手
忌野清志郎さんの歌とか、あとで聴きなおして“アレっ?”て思う時あるじゃないですか。そういうのをできたら面白いなって。
金子
音含めて、こういうことをやってるバンドってほんとに少ないよね。価値のあるバンドだと思うよ、ほんとに。

では、最後に読者にメッセージをお願いします。

金子
急にライヴの告知とかするんで(笑)。ライヴ中とか“ここでケガして終わるかも”ってくらいのことをやってるんで。縁があったら観てほしいと思ってます。
秋満
前作と今作の2枚を合わせて聴いてほしいね。あとはロックっていうのはなんでもありだと思うんで、好きなように聴いてください!
井手
ジャンルなんてどうでもいいけど、今、こういうロックサウンドがほんとにないなぁって思うんで、ロックファンは必ず聴いてほしい。最後のインスト「MONARCH」まで絶対聴いて!
DADAS プロフィール

ダダス:2004年、田中秀基を中心に結成し、アンダーグラウンドで活動を開始する。圧倒的なパフォーマンスで話題を集め、数々のイベントに出演。一時活動休止するも、メンバーの強い意向で07年9月に活動を再開させる。DADAS Official Website

OKMusic編集部

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