【the studs】
取材：土屋京輔
どこを切ってもライヴバンドとして聴か
せられる
結成から約１年。『and hate』はバンドにとって初めてのフルアルバムですが、何か特別な思いもありました？
aie
いや、当初はシングル用に6曲を録ったんですね。でも、ちょっと時間は空いちゃうけど、もう6?7曲録って、フルで出そうかと。その方がライヴの感覚も変わるんじゃないかなと思ったんですよ。で、実際に出来上がった曲を並べてみても、ちゃんとしたアルバムとして成立してるなと思ったんですよね。最初からライヴを想定してこれだけの曲を作ってきたわけだから、当然だとは思うんですけど、行き当たりばったり感もあったとはいえ、結果的にいい作品になったなと思います。2007年の集大成というか、気分も含めて言えば、2008に向けてみたいなところですね。
yukino
まぁ、ライヴを観に来てくれる人が、曲を知っていた方がいいと思いますしね。新曲は出そうと思えばいくらでも出せるし、とりあえずは今のライヴでメインとされている曲を音源化しようという話から始まったんですよ。結果的にはバラエティに富んだアルバムができましたね。
aie
去年のライヴで自分たちのものにしていった曲なんですよね。だから、もしツアーをやる前にレコーディングしてたら、多分、こんなふうにはならなかったと思うんですよ。
yukino
実際、最初のツアーの時とは、ライヴを通してアレンジが随分変わっている曲もありますからね。
響
僕にとっては、フルアルバムを作るのがバンド人生初なんですよ。だから、ホントにただうれしいんですよね。自分が好きな曲がいっぱい入ったものがフルアルバムじゃないですか…って、子供ですよねぇ、単純に発想が（笑）。
なははは（笑）。歌詞に関して、改めて眺めてみた時、全体を通じてくるテーマなども見出せますか？
大佑
タイトルにある“hate”という言葉だったり、その辺が引っかかってきてると思うんですね。“こういう内容の歌詞が何曲かあるから、この曲は違う内容で”とかって臨んだのではなく、わりと曲を聴いた直感のままに書いてるんで、いい意味の偏り感があるのかなと思うんですよ。まぁ…世の中に疑いを持って生きてるんだろうなって（笑）。
なるほど（笑）。シンプルということだと思いますが、楽器の音が独立して響いてくるのも印象的ですよね。
yukino
エンジニアの人も、これ以外にどうしようもないって言ってたんですよ。つまり、音数がすごく少ないんで、これ以上広げることもできないし、かといって別のものを加えるのも違う。結局、これが一番カッコいいからというところに辿り着いちゃうんで。ホント録ったままの音かなと。
aie
誰にミックスを頼んでも同じものが出来上がるんじゃないかっていうぐらいの個性もあると思うんですけど、僕らがイメージした音をそのまま出してくれていますね。どこを切ってもライヴバンドとして聴かせられる。実験的なものは１曲もないんですよ。でも、その中でいろんな面があるのは偶然とはいえ功を奏したなと思うんですけどね。
初めてthe studsを知る人に伝えておきたいことは？
aie
善くも悪くも、見てくれがキレイなお兄さん連中は嫌いという人もいるとは思うんですけど、それと音とは関係ないんで、音を聴いて好きか嫌いかを決めてほしいです。
大佑
全てを問わずに、カッコいいものが好きな人だったら、自然と受け入れるバンドです。
