取材:岡本 明

自分の記念日を感じてもらえるといいで
すね

今回のシングルは2曲とも明るい曲になりましたね。

そうですね、今までになかった明るい曲です。いつも辛いことがあるとひとりで悩んじゃうんですけど、今回は自分の独り言というより、それを一緒に分かり合えるところまで行きたいなって思えるようになって。卒業シーズンということもあって、卒業・就職の時“未来記念日”のような気持ちで次の場所に行けたらいいですね。聴いてくれる人も、自分の記念日みたいなものを感じてもらえると。私もそういうことを感じながら生きていければいいなと思って、この曲が生まれました。

自分と向き合っている感じがしますね。それでいて、優しい言葉で綴ることで何かを乗り越えたような手応えがあって。

“乗り越えていかないと”っていうところもあります。この曲とともに自分の理想を描いて、その理想に押し潰されず信じることができたら、それ以上にうれしいことはないし。それはすごい感じてます。くじけそうになった時が人生に何度かあって、その時にどれだけ温かい曲かどうかで、その曲の良さって決まってくる気がして。そういう曲であってほしいと思います。

そういう信じる強さとともに、自分がさらけ出せたという実感はあります?

そうですけど、“何、きれいごと言ってるんだよ”って思う人もいると思うんです。自分はこんなこと思ったことないっていう人もいるかもしれない。だけど、“信じたい”っていう気持ちが、“信じる”に変わった時に言葉の色が変わってくるって思っていて。私もこの曲を通して、次につなげていけたらいいなと思っているし、信じたいっていう気持ちを大事にしていきたいと思います。

歌もすがすがしい感じですね。ハードに歌い上げるのではなくフラットにスーッと入ってくるというか。

ワーッと歌っても、そこにいたら一緒に叫ぶことになるから(笑)。自分が信じたいと思うことは、叫んで伝わることじゃないと思う。“未来記念日”っていう言葉からして、包み込む感じだし、そのイメージ通りのメロディーだと思うし。一緒に歩いていけたらいいなっていう曲ですね。

カップリング「昨日の未来」も、タイトル・内容ともにつながりのある曲ですね。

つなげて出そうと思ったんじゃないんですけどね。こちらも普段生活していく中で思ったことを書いていてます。“未来”を出し尽くしましたね(笑)。ただ、“未来”という言葉は欠かせない、それがないと生きていけない感じもあったし。漠然としているわけではないんです。確実にやってくるということをこの曲では言ってる。だから“今日が未来”。夢が持ちにくい時代かもしれないけれど、そんなことを自分なりに言えたらなって思いました。今回の2曲を別々でもいいから、聴いてくれた人が感じて響いてくれたらと思います。“昨日の未来”という言葉を私も忘れたくないですから。

いろんな場面で支えになってくれそうな曲が2曲そろいましたね。

今回の曲でひとつの大きなステップを踏んだ感触があって、今までの曲とは違いますね。こうなりたいっていう想いが入っていて、それを強く感じます。自分の色がはっきり見えた時に自分が信じられるんでしょうね。信じることができたら、もっと色が変わっていくと思う。これからも自分でベストと思えるものを出していきたいですね。
榎本くるみ プロフィール

81年10月17日生まれ、名古屋出身のシンガー・ソング・ライター。自分のこと、自分の思うことを丁寧に描く詞の世界は、“奇跡の歌声”と称されるその力強くやさしい歌声と共に聴く者の心を強く揺さぶる。

06年4月に<フォーライフミュージックエンタテイメント>より「心のカタチ」でメジャー・デビューした彼女は、デビュー・シングル「心のカタチ」、2ndシングル「打ち上げ花火」で地元名古屋のFM局ZIP FMのチャートで連続して3位を記録、さらに3rdシングル「RAINBOW DUST」は、同チャートで1位を記録。TBS系ドラマ『スイーツドリーム』主題歌にも抜擢される。

4thシングル「愛すべき人」は、FM802(大阪)やTOKYO FM(東京)など、各地FM局にてヘビーローテーション。さらにテレビ朝日『ミュージックステーション』、フジテレビ『めざましテレビ』でも注目アーティストとして取り上げられ、その独自の世界観は多くの人を魅了していく。「愛すべき人」をテーマに、フジテレビドラマ制作班が、ミュージック・ドラマを製作(監督:中江功)しネット配信でアクセスが殺到したのもこの頃。

07年5月、待望の1stアルバム『NOTEBOOK I 〜未来の記憶〜』を発売。同年秋には、「リアル/She」「夕陽が丘/みんな元気」のシングルを2作連続リリース。シングルが有線チャート上位に長期間ランクインするなか、アルバムもロングセールスを記録する。

08年2月には、シングル「未来記念日」を発売。TBS系『CDTV』エンディングテーマに起用される。
同年7月に、毎月三軒茶屋 グレープフルーツムーンを中心に定期的に開催していたアコースティック・ライヴを拡大し、恵比寿リキッドルームにて『アコースティックワンマンライブスペシャル2008』を開催し、チケットは瞬時完売の大成功を収める。
8月には『ROCK IN JAPAN FES.2008』にも初出演、10月には、映画『イエスタデイズ』(11月全国公開/監督:窪田崇、主演:塚本高史・國村隼)の主題歌として書き下ろしたニュー・シングル「イエスタデイズ 〜大切な贈りもの〜」をリリース。
11月、「冒険彗星」がオリコンデイリーランキングにて6位、ウィークリーランキング10位を記録、テレビ朝日『ミュージックステーション』へも出演。
露出・リリースが一気に増え、榎本くるみの名が広く知れ渡ったところで09年1月21日(水)シングル5作を含む2ndアルバム『NOTEBOOK II 〜冒険ノート中〜』をリリース。
榎本くるみオフィシャルサイト
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