2007 年のデビューから2 作目となる今作は、新しい挑戦から入手困難となっている楽曲を再収録するなど、常にファンを飽きさせない内容に。初めてのツアーも決まった彼女の“今”の気持ちに迫る。
取材:黒田奈保子

デビュー2作目も、シングルではなくあえてミニアルバムとして発表することになったのはどうしてですか?

やっぱり多くの曲を聴いてもらいたいっていうのと、最初のデビュー作からミニアルバムだったので、次に出した作品がシングルってなると物足りないかなって。しかも今回、2~7曲目までの曲は“くレーベル”で出した3枚目のコンピレーション盤に入っていた曲で、リリックを書き直したり、再レコーディングして収録したんです。ライヴ会場限定販売の作品だったので、知らない人も多いんですよ。でも、自分でもすごく気に入っているし、レコーディングや歌詞の書き方とかいろんなコツもつかんできた時の曲だったので、もっといろんな人に聴いてほしいなって思っていたんです。どうしようって思っている時に今回のリリースの話をもらって、すごく良かったですね。このまま消えてしまうんじゃないかと思ってました(笑)

2作目ということでプレッシャーはなかったのですか?

あまりそういうのを感じないタイプなんで(笑)。それに私は1曲1曲を確実に仕上げていきたいんです。ちゃんと満足感を得てから次の曲に行くことで、次の作品も良いものになるはずだって思っています。

タイトル曲「midnight」はすごくキラキラしたサウンドと浮遊感のあるヴォーカルがすごく季節感ありますよね。

『midnight』は新しいことに挑戦していて、“オートチューン”ってヴォーカルの音を機械っぽく変えるエフェクトがあるんですけど、それでヴォーカルがフワフワしたイメージに仕上がっています。今アメリカですごく流行っているんですけど、そういうアイテムを取り入れることも、時代に沿っていて今っぽいかなって。今回は、基となるトラックを聴いた時にサビのイメージがすぐに浮かんだんです。制作の途中段階でKREVAさんも気に入ってくれて。バース部分のイメージが沸いたからってサビ以外のリリックを書いてくれたんですよ。KREVAさん自身が女性の気持ちになって書いた曲ってすごく珍しくって。しかも、私が言いたかった気持ちを言葉で説明していないのに、サビのイメージだけで気持ちをキャッチしてくれました。そういった面も今回の聴きどころですね。

1曲目がすごくポップで、最後の曲はバラード。すごく流れの良い一枚になりましたよね。

『雪あかり』は最初にトラックを依頼した時点で最後の曲にしようって決めていました。“雪”がテーマなんですけど、最後の曲で“ドロドロに溶けて終わり”じゃなくて、バラードでも明るい曲にしたかったんです。別れや旅立ちを笑顔で見送ろう、応援しようって気持ちを込めました。私の地元の青森も雪が降るし、地方から都会に出る友達も多くて、他の人より多く別れや旅立ちを経験してると思うんですよ。夜の雪ってライトに照らされて反射してキラキラと白く明るく見える時があって、暗い中にも希望があるって例えて。“暗いけど雪があなたの道を照らしてくれるよ”ってメッセージを込めました。

今作を携えて、初めてのワンマンツアーも始まりますね。

いつもクラブでは誰かと一緒に出るのがほとんどなのに、今回はひとり、しかも私だけを観に来てくれる人の前で歌うのは、どういう感じかまだ分からないですね。初めてなので、コンパクトにやろうと思ってます。短い時間にどれだけの人を惹き付けるかが勝負ですね。
『midnight』
    • 『midnight』
    • PCCA-02600
SONOMI プロフィール

青森県青森市生まれ。1999年頃から地元青森のクラブ・イベント「FULL VOLUME NIGHT」(現:「CONTROL」)でライヴ活動を続け地元ファンの熱い支持を集めてきた。2000年には東京へ拠点を移して活動を行う中、KREVAにその才能を見出され、彼が主宰する「くレーベル」の第一弾アーティストとして、2005年、KREVAプロデュースのデビューシングル「一人じゃないのよ」、続いてアルバム『S.O.N』をリリース。

その後も、KREVAやDJ TATSUTA、RHYMESTER、DJ TAMAなどの客演を経て、2007年にミニアルバム『Everyday☆エビデー☆』でメジャーデビュー。ブジュ・バントンをサンプリングしたリード曲「Everyday☆エビデー☆」は全国FM局、ミュージックチャンネルでパワープレイされた。

KREVAのツアーに同行し、日本武道館やROCK'IN JAPAN FESのメインステージでマイクを握りながらも、19歳のときに始めて立ったクラブのステージに未だに立ち続ける。また、地元青森でもレギュラーイベント「CONTROL」を持つ、現場主義のHIP HOPシンガー。
ステージでは、そのナチュラルな佇まいからは想像できない圧倒的な力強さを発揮する一方で、しなやか且つ暖かい歌声で観るものを一瞬で引き込んでしまう。SONOMIオフィシャルサイト
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OKMusic編集部

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