LSN×BiSH ここにしかない無限地獄と
いう名の極楽『CHAOS PARTY』レポー
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2017.5.23,24 高田馬場AREANIGHTMAREのRUKA(Dr)によるソロプロジェクト・LSNとBiSHが5月23日(火)、24日(水)に東京・高田馬場AREAにてツーマンライブ『IDOL VS VISUAL vol.3 [CHAOS PARTY]』を開催した。ここでは、その2日目をレポート。この日のライブはニコニコ生放送で生中継されていたので、放送では分からなかったカオスな無限地獄の模様を中心にお伝えする。(※写真は5.23のものです)
『CHAOS PARTY』も第3回目を迎えた今回、清掃員(BiSHファンの呼称)達に大きな変化が訪れた。これまでノーメイクだった彼らが、BiSHのように目の周りに真っ黒いアイラインを入れ、ヴィジュアル系メイクをほどこして入場。このイベントでしか混ざり合うことがないだろうお互いのファンが、こうしてお互いを刺激しあって『CHAOS PARTY』を楽しんで盛り上げていく様子は見ている方も楽しくなる。ライブでは助け合い、水を回して励まし合い、終演後は清掃員がバンギャたちにアイスを配るなど、不思議な交流が広がっている。
場内に入ると、ステージには今回から“無限地獄”と書かれたフラッグが登場。『CHAOS PARTY』のリピーターたちは、これで簡単に想像がつく。あの“無限ループ地獄”が今回も待ち構えているのだということが。
開演すると、例年通りまずはWACK渡辺氏とRUKAがぬるっと舞台に登場。ライブの注意事項を話した後、集まったオーディエンスに誰よりも早く第4回目も『CHAOS PARTY』を開催することを伝えて、この日のライブはLSNのアクトからスタート。
LSN『IDOL VS VISUAL vol.3 [CHAOS PARTY]』2017.5.23 高田馬場AREA
お揃いの真っ赤な腕章をつけたLSNが定位置につくと、一人だけノースリーブを着たRUKAの腕がステージ上で目を引く。ロングヘアーが絡んだ白い腕を持ち上げ、スティックを構える姿で大人の男の色気を醸し出しながら、ライブは「怪」で幕開け。フロントの揺沙(Vo)はなんと初日とは違うど派手なピンクに髪色をチェンジするというカオスっぷりで、冒頭から観客の度肝を抜く。ラップをフィーチャーした「Cruel」が始まると、バンギャがヘドバンから折りたたみ、サビの<咲き乱れて~>が始まると一斉に咲いて手先をひらひら揺らし、あらゆるフリで“バンギャここにあり”をアピール。
LSN『IDOL VS VISUAL vol.3 [CHAOS PARTY]』2017.5.23 高田馬場AREA
LSN『IDOL VS VISUAL vol.3 [CHAOS PARTY]』2017.5.23 高田馬場AREA
続いてBiSHのカバー「ウォント」が始まると、清掃員たちも負けじとMIXを打ち出し、存在感をアピール。曲間で“ウッハーウッハー”と彼らのコールが始まると、バンギャたちは体を折りたたむ自らのスタイルで応戦。こういうコラボが楽しめるのはまさに『CHAOS PARTY』ならではの醍醐味。
LSN『IDOL VS VISUAL vol.3 [CHAOS PARTY]』2017.5.23 高田馬場AREA
LSNは発売したばかりのミニアルバム『≠』から最新曲「神様のいうとおり?」、「CRAZY CRAZY」、「MONSTERS.inc」を続けざまに披露。これまでと違って、正攻法でストレートに攻めてきた。と思わせておいて、次にいきなりBiSHのハードコアパンク「ファーストキッチンライフ」を初カバーしてみせるあたりは、さすが。これには油断していた清掃員も仰天。フロア中央ではモッシュが始まった。そして、最後はバンギャと清掃員がいまや一つになってへドバン地獄を作ってみせる「PARTY」で、LSNのライブは終了。
BiSH『IDOL VS VISUAL vol.3 [CHAOS PARTY]』2017.5.23 高田馬場AREA
続いて始まったBiSH。こちらも、いつもと違う攻め方でやってきた。オープニングはオリエンタルなギターフレーズに合わせてアイナ・ジ・エンドとハシヤスメ・アツコがセンスをひらひら振って舞い踊り、センターに構えるリンリンの絶叫デスボから曲が始まるダークチューン「Am I FRENZY??」だ。冒頭からなんと、魅せるパフォーマンスでオーディエンスの視線を見事に釘付けにしていったBiSH。いまブレイク寸前とあって、グループとしての存在感もパフォーマンスも前回の『CHAOS PARTY』(2016年7月)とは比べものにならないほどパワーアップしている。
BiSH『IDOL VS VISUAL vol.3 [CHAOS PARTY]』2017.5.23 高田馬場AREA
BiSH『IDOL VS VISUAL vol.3 [CHAOS PARTY]』2017.5.23 高田馬場AREA
前日とは衣装もメイクもフルモデルチェンジしてきた彼女たち。そのなかでも、額にビンディーをつけ、hideのコスプレのようなヴィジュアルで登場したリンリンは、しょっぱなから神がかり的な狂気をフロアに撒き散らす。セントチヒロ・チッチの合図で挨拶をした後も、この日のリンリンはキレキレ。RUKAが曲提供した「IDOL is SHiT」で6人揃って中指をおっ立てた姿も、LSNのカバー「怪」の最後のキメポーズでセンターに立った姿もヤバいぐらいの覚醒っぷり。そのあと「MONSTERS」、「BiSH-星が瞬く夜に-」と『CHAOS PARTY』常連曲を連発すると、フロアの清掃員とバンギャは一丸となってものすごい一体感をつくりだす。
BiSH『IDOL VS VISUAL vol.3 [CHAOS PARTY]』2017.5.23 高田馬場AREA
BiSH『IDOL VS VISUAL vol.3 [CHAOS PARTY]』2017.5.23 高田馬場AREA
「ヴィジュアル系の聖地、みんなで荒らそうぜ!」と叫ぶアイナの煽りでオーディエンスはさらにヒートアップ。「ヒーローワナビー」ではBiSHの末っ子、アユニ・Dが天使のような存在感で、「OTNK」はモモコ・グミ・カンパニーがフロアに挑みかけるような姿をアピール。再度「怪」~「MONSTERS」~「BiSH-星が輝く夜に」を循環させて盛り上げ、本編を終えた。
BiSH×LSN『IDOL VS VISUAL vol.3 [CHAOS PARTY]』2017.5.23 高田馬場AREA
アンコールは再びRUKAが登場。続いてWACK渡辺氏がスタッフに支えられながら「BiSのプー・ルイっていう子が怒ってて殴られました」とふてくされた様子で登場し、「RUKAさん宛の手紙を預かってきました」といってその場で手紙を読み上げた。そこには「RUKAさんは元々研究員(BiSファンの呼称)でしたよね? いつからBiSH、BiSHいいだして清掃員になったんですか? BiSともやりやがれ! やってくれないとRUKAさんが大好きな渡辺さんがもっと酷い目にあうぞ」という脅しめいた言葉まで綴られていて、それを受けたWACK渡辺氏が「なので、8月と9月に全国4カ所でBiS vs LSNで2マンツアー『PSYCHO KiLLERS』を緊急開催します!」と宣言すると、RUKAも場内も驚愕。RUKAが「スケジュール、大丈夫なんだよね?」と聞くとWACK渡辺氏が「ええ。無理やり組みました」といって東京、名古屋、大阪、仙台4都市を回るツアーのスケジュールを伝えた。そうして、アンコールはLSNの生演奏とBiSHが生ステージでコラボを展開。
BiSH×LSN『IDOL VS VISUAL vol.3 [CHAOS PARTY]』2017.5.23 高田馬場AREA
BiSHが腕を組んでサークルを作り、全員でヘドバンしながらぐるぐる回るというフリのインパクトが衝撃的な「PARTY」から、そのまま「IDOL is SHiT」のパフォーマンスへ。「頭、みんなで行くぞ」というチッチの合図でアイナが「頭ふれー!!」とシャウト。「後ろの方、見えてんぞ!」とモモコが叫ベば、アツコはクールな声で「まだ全然足りないんだけど」とフロアを煽り立てる。「AREA、そんなもんじゃねぇだろ。かかってこーい」というリンリンに続いて、アユニまで「オイオイオイオイ、まだ終わんねぇぞー」と叫びだし、途中から出てきた揺沙も「頭っ!」といって頭を指差す。こうした煽りの連携プレーでオーディエンスのテンションをどんどん上げた後は、揺沙がBiSHと一緒に歌と踊りでかっちり息の合ったアクトを見せる「怪」、パンキッシュな「DEADMAN」でアンコールは終了。
BiSH×LSN『IDOL VS VISUAL vol.3 [CHAOS PARTY]』2017.5.23 高田馬場AREA
すぐに「地獄!」「地獄!」と清掃員たちを中心にとんでもないコールが沸き起こる。舞台に出てきたRUKAは楽しそうな笑顔を浮かべて「いいアンコールですね」と、めずらしくファンを褒め讃えた。WACK渡辺氏から「リフト解禁」が告げられるとRUKAが「ここから、まずは“アナタ”を地獄に落とし入れます」といい、この言葉を合図にBiSH、LSN、フロアのオーディエンス、PAを始め場内にいた渡辺氏以外の全員が渡辺氏の笑顔が印刷されたお面(観客には入場時に配布。お面の裏にサプライズの計画が書かれていた!)を装着。RUKAが自腹で仕込んだサプライズに呆然としながらも「俺がめっちゃいるんだけど」とWACK渡辺氏は笑いが止まらない。
BiSH×LSN『IDOL VS VISUAL vol.3 [CHAOS PARTY]』2017.5.23 高田馬場AREA
「次は竜宮寺(育)さんに歌詞を書いてもらった「ソナタ」をこのお面のまま全員でやります。お面してなかったら感動すると思うんだけど」とRUKAも笑いながら始まった「ソナタ」。お面のせいで、見ている方は本当に気持ち悪くなった(褒め言葉)。しかし、『CHAOS PARTY』の本番はこの後から始まる。ここまでは長い長い序章に過ぎないのだ。
BiSH×LSN『IDOL VS VISUAL vol.3 [CHAOS PARTY]』2017.5.23 高田馬場AREA
「お前らー、無限地獄が始まるぞー。いくぞ!」とチッチの宣言でいよいよ『CHAOS PARTY』の本番がスタート。本日のエンドレスループ曲はBiSHの「DEADMAN」。最初はまだまだ元気な清掃員たちがリフトで大盛り上がり。3回目ぐらいから、アイナが舞台上手側でファンの髪の毛を掴んで引き寄せ、マイクを口に押し当てて歌わせる。と同時に、下手側ではチッチがダイブ。4回目ぐらいになるとリンリンが頭を振って狂ったように叫び出す。この後もBiSHメンバーが必死の形相で代わる代わる見せ場を作り、アイナは鬼の無限ループを続けるRUKAの名前を絶叫しながら連呼して怒りをぶつけだす。RUKAが人にいじられるのは『CHAOS PARTY』史上初めてのことだろう。
BiSH×LSN『IDOL VS VISUAL vol.3 [CHAOS PARTY]』2017.5.23 高田馬場AREA
BiSH×LSN『IDOL VS VISUAL vol.3 [CHAOS PARTY]』2017.5.23 高田馬場AREA
続いて、今度はアイナが勢いよくダイブするとバンギャたちがものすごいヘドバンで髪をうねらせアイナを大歓迎。アイナもそれに応えて頭を高速回転させてロングヘアーを振り乱す。リフトされた清掃員を足蹴りし始めるモモコ、首に腕を回し、マイクを押し付けて歌わせるアイナ。誰もが疲労困憊、声もガラガラになり汗でメイクははがれ落ち、髪の毛もぐしゃぐしゃになりながらやっとエンディングにたどり着いた、と思ったらまたRUKAのカウントから「DEAD MAN」が始まる。
BiSH×LSN『IDOL VS VISUAL vol.3 [CHAOS PARTY]』2017.5.23 高田馬場AREA
人間の体力、精神力の限界を超えたところまで人を追い込んでいく無限地獄。こうして「DEADMAN」を20回ぐらい繰り返した後、フロアに響き渡った「ラスト!」という揺沙の叫びは、神の声のように慈愛に満ちていた。あんなにもヘトヘトに疲れて苦しんで死にそうになりながらも、エンディングを迎えると誰もが安堵するとともに不思議な至福感に包まれるというのが、この無限地獄のもっとも恐ろしいところ。
BiSH×LSN『IDOL VS VISUAL vol.3 [CHAOS PARTY]』2017.5.23 高田馬場AREA
今回は、演奏し終わった後、一人で歩けなくなるぐらい限界まで体力を使い果たしていたRUKA。こんなRUKAの姿はいままで見たことがない。果たして、次回はどんな無限地獄が待ち構えているのか。怖いようで、いまからもう待ち遠しい。そんな風に人間の意識を崩壊させ、狂わせ、一度足を踏み入れたら絶対に抜け出せないのが、この無限地獄。『CHAOS PARTY』は、これからもアナタの参加を待っている。
取材・文=東條祥恵 撮影=SPICE
イベント情報BiS vs LSN PSYCHO KiLLERS
■2017年8月26日(土) 大阪・OSAKA MUSE
OPEN 16:30 / START 17:00
info. キョードーインフォメーション 0570-200-888
■2017年8月27日(日)名古屋・ElectricLadyLand
OPEN 16:30 / START 17:00
info.サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
■2017年8月30日(水)仙台・CLUB JUNK BOX
OPEN 18:30 / START 19:00
info.キョードー東北 022-217-7788
■2017年9月3日(日)東京・新宿BLAZE
OPEN 16:00 / START 17:00
info.ディスクガレージ 050-5533-0888【出演】
BiS/LSN【チケット料金】
[前売]スタンディング:¥6,000(tax in)ドリンク代別
[当日]スタンディング:¥7,000(tax in)ドリンク代別
※3歳以上有料 3歳未満入場不可【チケット一般発売日】
2017年7月1日(土) 【LSN official web site】http://lsn.tokyo
【NIGHTMARE official web site】http://www.nightmare-web.com
【BiS HP】http://www.brandnewidolsociety.tokyo/
BiSH情報BiSH NEVERMiND TOUR RELOADED THE FiNAL “REVOLUTiONS“
2017年7月22日(土) 幕張メッセ 幕張イベントホール
17:00open/18:00start
<チケット料金> ※全席指定席
・スペシャルチケット ¥15,000(税込) ※お土産付き ※アリーナ席限定
・スミスチケット ¥6,000(税込)
・そんなにオススメしないチケット ¥1,500(税込)
※未就学児童入場不可
<チケット一般発売日> 2017年5月20日(土)AM10:00~
◆ほか最新情報はオフィシャルサイトへ http://www.bish.tokyo/
LSN情報LSN 1st solo live BIRTHDAY
2017年6月18日(日)新宿BLAZE
OPEN 16:00 START 17:00
<チケット料金>
前売り ¥6,000(消費税込み)ドリンク代別途
当日 ¥7,000(消費税込み)ドリンク代別途
問)DISK GARAGE 050-5533-0888
◆ほか最新情報はオフィシャルサイトへ http://www.lsn.tokyo/
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