表現者としての新章 ―ぼくのりりっ
くのぼうよみ「つきとさなぎ」に込め
られた思いとは?

「つきとさなぎ」はそんな彼の現在地のさらに一歩踏み込んだ場所から発信されている曲だ。これまでどちらかと言えば外部に向けられることの多かった視点は表現者である自分に向けられ、その刃は容赦なく自身を切り刻む。





映画「3月のライオン」前編の主題歌になった「Be Noble」で孤独な青年棋士の胸中に託して歌われた葛藤は、ここではよりストレートな表現で語られる。
それだけであればこれまでとあまり変わらないかもしれないが、そこから前に進もうとするのがこの曲の違うところだ。



表現者として歩むこと、それは自身の限界を常に背負うことでもある。時に底なしの自己嫌悪に自らを追いやる絶望と隣り合わせの道、それが真実だとしたら表現することはあまりにしんどい。
けれどそこには同時に希望も存在する。そのことに「ぼく」は気づいていて、あきらめたはずの自身の中に「残酷な可能性」があるから進むことができるのだと。

生きること、表現することのカルマを赤裸々につづったライム。

対象を直観的に把握する才能はさらに研ぎ澄まされて聴き手に突き刺さる。表現者としての自覚を秘めた「つきとさなぎ」は、ぼくりりの新章を告げるマイルストーンなのだ。

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