コドモドラゴン 初のホールワンマン
で魅せた威風堂々のステージ「初ホー
ルだからって特別なライブをするつも
りはねぇよ」


2017.5.11(THU) 中野サンプラザ事実は小説よりも奇なり。こんなにもベタなサクセスストーリーが現実に起こりうるとは、何とも興味深い。

「7年前に、俺たちはここの地下にあるスタジオで初めて音を出したんだけど、その時はまさかその上にある“ここ”でワンマンが出来るようになるなんて、思いもしていなかったです(笑)。ほんと皆、ありがとうな!」

今年3月にシングル「この世界は終わりだ。」をリリースしたあと、『9th Oneman Tour「ハイソサエティ・アバンギャルド」』にいそしんでいたコドモドラゴンが、このたびツアーファイナルという晴れの日に、自身初のホールワンマンを実践すべく立つこととなったのは、この中野サンプラザの大舞台。

ハヤト/コドモドラゴン 2017.5.11(THU) 中野サンプラザ 撮影=Keiko Tanabe

先ほど記した発言は、フロントマン・ハヤト(Vo)がアンコールのMCにて述べたもので、実際に今現在でも中野サンプラザの地下には、24時間営業の音楽練習スタジオが存在している。つまり、彼らはコドモドラゴン発祥の地にこのタイミングで錦を飾ったことになる、というわけ。

純和風な巨大松羽目をバックドロップにしつらえながらも、宙空からはゴージャスな輝きを放つシャンデリアが吊され、ステージのそこここにはアールヌーボー風のランプスタンドが配置されているという、それこそアバンギャルドなステージセットが組まれていた中、この夜コドモドラゴンの面々は最新シングル曲である「この世界は終わりだ。」から、威風堂々のステージングをスタートさせることとあいなった。

ゆめ/コドモドラゴン 2017.5.11(THU) 中野サンプラザ 撮影=Keiko Tanabe

「初ホールだからって、何も特別なライブをするつもりはねぇよ。俺たちとオマエたちのいる空間は、何時だってライブハウスだからな!そうだろう?」

2曲目の「FACE to FAKE」のイントロ部分にのせながら、ハヤトがこう叫んだ通りに、これまでさんざんライブハウスで鍛え上げてきた彼らのライブバンドとしての揺るがぬアイデンティティは、この中野サンプラザのステージ上においても、いかんなく発揮されていたと言っていい。

華那/コドモドラゴン 2017.5.11(THU) 中野サンプラザ 撮影=Keiko Tanabe

その奇抜なヴィジュアルとは裏腹に、実は堅実で誠実なリズムワークが頼もしいチャム(Dr)。ピック弾きはもちろんのこと、時にフィンガリングやスラップで楽曲に爆発力を持たせることが得意なmeN-meN(B)。地に足の着いた演奏と、ダイナミックなステージングを両立させる華那(G)。攻撃性のある訴求力で、音像に色付けをしていくプレイをみせていくゆめ(G)。そして、滑舌のはっきりしたヌケの良いヴォーカリゼイションで楽曲を牽引していく、ハヤト。彼ら5人が生み出してゆく力強い波動は、この夜この場に集ったオーディエンスを陽動するかのようにホール全体へと響き渡っていたのである。

その証拠に、「自絞首」では全席指定とは思えないような光景として、場内の何ヶ所かに小規模ながらもサークルピットが出現するという事態が勃発。また、「毒林檎」では曲に合わせての俗にいう横モッシュが発生し、全観客が楽しそうに右往左往を始める、という一幕が見られたから恐れ入る。良い意味で、これぞ「バンドもバンドならファンもファン」という言葉を贈りたい図だった。

meN-meN/コドモドラゴン 2017.5.11(THU) 中野サンプラザ 撮影=Keiko Tanabe

「いやー。ほんと、こんな平日によく集まってくれました! とりあえず、今日の野望はたったひとつです。初のホールワンマンということではあるけど、別に俺たちはここがホールだとは思ってないから。ここはライブハウスだぜ(笑)。(中略)俺たちは遂にここでツアーファイナルを迎えたわけで、今日はそれにふさわしい集大成をみせていくよ。皆、自由にやろうぜ!!」

結果、この夜のライブはまさに有言実行的なものになったと言えるだろう。鮮やかでダンサブルな「DIVA」のように楽しくキャッチーな楽曲もあれば、メンバーも観衆もヘドバンに明け暮れる「ドロップチューン」のようなヘヴィチューンもあるという、多彩なサウンドで埋め尽くされたセットリストはコドモドラゴンの全貌を知るうえでも、全く過不足がなかったから素晴らしい。

チャム/コドモドラゴン 2017.5.11(THU) 中野サンプラザ 撮影=Keiko Tanabe

また、本編ラストでは名は体を表すかのような「WARUAGAKI」で、コドモドラゴンここに在り!というところを彼らはそのライブパフォーマンスをもって誇示してくれることになったと言えよう。

「俺たちにとってライブっていうのは凄く大切なもので、それだけにツアーが終わっちゃうのは凄く寂しくもあるんだよ。でも、今日みたいな楽しくこんなかたちで終われるのなら、それもアリかなって今は思えるし、この終わりがまた前に進むきっかけになっていく気がします。前に進むためにはひとつずつ、区切りをつけてまた新しい何かを始めていくことになるし、俺たちは熱い想いを絶やすことなくここから次のツアーに向けて全力でまた突っ走って行こうと思います!」

コドモドラゴン 2017.5.11(THU) 中野サンプラザ 撮影=Keiko Tanabe

なお、今宵のライブではアンコールが始まるまでの幕間にLEDヴィジョンでの映像を通じて、7月12日に次のシングル「毒虫」がリリースされることや、それに伴った次回ツアー『毒虫強襲』が行なわれること、そしてそのファイナルが豊洲PITにて9月2日に開催されることなどが随時発表されるに至った。

「次に俺たちがやりたかったのは、豊洲PITです。デカいのは知ってる。でも、デカいから何だっつーんだよ!? 俺らは、その日も本気でやるからな! お前ら付き合ってくれるかい? またデカい爆音を鳴らして、最高の一日を作ろうぜ。俺たちが帰ってくるまで、イイコにして待ってろよ!!」

「毒虫」に『毒虫強襲』とはあまりに不穏なパワーワードだが……そこはきっとコドモドラゴンだけに、また奇想天外なアプローチで我々を楽しませてくれることになるのは必至。彼らのサクセスストーリーは、ここからさらなる新章へと突入していくのだ。


取材・文=杉江由紀 撮影=Keiko Tanabe

コドモドラゴン 2017.5.11(THU) 中野サンプラザ 撮影=Keiko Tanabe

セットリスト9th Oneman Tour「ハイソサエティ・アバンギャルド」
2017.5.11(THU) 中野サンプラザ
01. この世界は終わりだ。
02. FACE to FAKE
03. 自絞首
04. 毒林檎
05. アリア
06. 病病
07. Sixth SenSe
08. TETRA
09. DIVA
10. butterfly
11. ドロップチューン
12. 不謹慎が笑う
13. 君と嘘と赤い部屋
14. SODOM
15. ISOLATION
16. 変食家
17. WARUAGAKI
<ENCORE>
18. Mikey Mad Mouse
19. 廃SOCIETY
20. RIGHT EVIL
リリース情報シングル「毒虫」
2017年7月12日(水)発売
■Atype【初回限定盤】CD+DVD
¥1,800(税別)/BPRVD-251
CD2曲+DVD「毒虫」PV・メイキング
1.毒虫
2.タイトル未定A
[封入]全タイプ購入特典応募券「A」+応募ハガキ
■Btype【初回限定盤】CD+DVD
¥1,800(税別)/BPRVD-252
CD2曲+DVD「毒虫」マルチアングルPV
1.毒虫
2.タイトル未定A
[封入]全タイプ購入特典応募券「B」
■Ctype【通常盤】
¥1,500(税別)/BPRVD-253
CD2曲+ボーナストラック+インスト3曲
1.毒虫
2.タイトル未定A
3.タイトル未定B
4.毒虫(inst)
5.タイトル未定A(inst)
6.タイトル未定B(inst)
[封入]全タイプ購入特典応募券「C」
■Dtype【通常盤】
¥1,500(税別)/BPRVD-254
CD2曲+ボーナストラック+インスト3曲
1.毒虫
2.タイトル未定A
3.タイトル未定C
4.毒虫(inst)
5.タイトル未定A(inst)
6.タイトル未定C(inst)
[封入]全タイプ購入特典応募券「D」★全タイプ共通封入特典:トレカ2枚(全10種)
★全タイプ購入応募特典有
ライブ情報コドモドラゴン10th Oneman Tour「毒虫強襲」
07月15日(土)【千 葉】柏 PALOOZA
07月17日(月・祝)【神奈川】F.A.D YOKOHAMA
07月22日(土)【埼 玉】HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3
07月23日(日)【栃 木】HEAVEN’S ROCK 宇都宮 VJ-2
07月25日(火)【岩 手】盛岡 CLUB CHANGE WAVE
07月29日(土)【北海道】札幌 DUCE~ワンマン200回記念ライブ~
07月30日(日)【北海道】札幌 DUCE
08月02日(水)【青 森】青森 Quarter
08月04日(金)【宮 城】仙台 darwin
08月06日(日)【新 潟】新潟 GOLDENPIGS RED STAGE
08月08日(火)【石 川】金沢 AZ
08月11日(金・祝)【愛 知】名古屋 SPADE BOX
08月13日(日)【大 阪】umeda TRAD (旧 umeda AKASO)
08月15日(火)【岡 山】岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
08月17日(木)【広 島】Hiroshima CAVE-BE
08月19日(土)【福 岡】福岡 DRUM Be-1
08月22日(火)【愛 媛】松山サロンキティ
08月24日(木)【香 川】高松 MONSTER
08月26日(土)【兵 庫】神戸 VARIT.
08月27日(日)【静 岡】浜松窓枠
-Tour Final-
09月02日(土)【東 京】豊洲 PIT
OPEN/START 17:30/18:00
名古屋/大阪 17:15/18:00
北海道2日目 16:30/17:00
【前売り/当日】¥4,000/¥4,500
※ファイナルのみ¥4,800/¥5,300
【FC先行】
■応募期間
2017年5月15日(月)~5月22日(月)23:59~
【ファイナル限定スマホ先行】
5月23日(火)~5月30日(火)
【一般発売】
2017年6月10日(土)~◆他、ライブ情報はオフィシャルサイトへ http://codomo-dragon.net/
 

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