5月6日@渋谷WWW X

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NoGoD、ツアーファイナルでシングル
リリースを発表

暗闇で胸を深くえぐるようなKのドラムが鳴り響く。赤い照明がともりKyrieのギターが重なり、「Missing」による幕開け。冷たい風が吹き抜けたように肌を泡立たせ、華凛のベースとShinnoのギターが重力を増加させる。団長の自問のような歌声が入ると金属の冷たさではなく青く揺らめく炎の冷たさへ。それが団長の持つ歌声そのものの持つ情感が一気に確かな温度をもってサビのロングトーンで解放される。NoGoDとしては異例のバラードのリード曲となった「Missing」をライヴ1曲目に持ってくるその斬新さは、吐息がでるほどのNoGoDの色気を会場に満たし、ライヴバンドであるNoGoDがシングルリリースからツアーを経て得てきた進化をしょっぱなから魅せつける。

しかし、続く「Strawberry Night」は会場の空気をジェットコースターのように激しく甘い闇の世界へ突っ込ませる。客席の温度は一気にぶちあがり、頭は不可避に前後左右へ振られる。「燃えろ渋谷!」の声を軽く凌駕して燃えるようだ。シングル「Missing」のカップリングに収録された「不完全肯定論」で空気は陽の様相に。会場も縦に横に踊りだす。ゴリゴリのメタルサウンドとサビのエモーショナルさの対比がNoGoDの持ち味を実感させる「Passion Play」から無力さと切なさ迫る団長のファルセットが美麗な「金糸雀」へと。NoGoDのヒストリーの良いとこどりの新旧織り交ざったセットリストに曲が始まるたびに歓声が起きる。

中盤も全く休む暇を与えない。なりふり構わず踊りだしたくなるチューンが目白押しとなった。フロアにたくさんの花が咲いた「球根」。シャッフルビートでありながらおしゃれさよりロックさが鮮明な「Nightmare」、突き上げられる拳が力強くも美しい「STAND UP!!」…。フロアはさらに奇妙でどうしても抜け出せないサーカスに様変わりしていった。

濃密な蒸気の中、団長から会場を埋め尽くすファンに向けて、今夏7月26日にリリースとなるニューシングルのタイトルが発表された。『道化師』という意味を持つ「Arlequin」と名付けられたシングルは、「Missing」で新しい顔を魅せたNoGoDが次はどんな顔を魅せてくれるのか、ファンを今からうずうずさせるだろう。老若男女が認める男前ヴォイスで「祈れますか」の団長の一言にヘッドバンギングが回る「World Ender」で鋼鉄のサウンドをぶつけたそのあとに、希望の光を連想させる「パンドラ」、そして会場が拳と声が同期する「神風」。もうずっとこの夢を見続けていたくなる「野に咲く君へ」で会場は多幸感の極みで本編は終了した。

『NoGoD』呼ぶ声が嵐のように鳴り響く中登場したNoGoD。披露された熱く激しいNoGoD流の祭り「Carnival」で再びヴォルテージを急上昇させたのち、まだ音源化されていない新曲「dreamer」をドロップ。ドライヴ感あふれるサウンドが心地よく疾風のように身体を突き抜けていく。その先に待ち構えるのは色気たっぷりに招待される「桃源郷へようこそ」。もう完全にNoGoDのワールドで全員が悦楽の中で迷子だ。

アンコール、ラストナンバー「ノーゴッド」で興奮冷めやらぬ会場に向けて、「俺たちがやってきたことは、正しかったって、お前たちの顔を見ればわかる!」と満面の笑顔で叫ぶ団長。メンバーも最高の笑顔で同意を示した。

メンバーがステージを後にし、客電もすっかり点いている中、その場を離れたくない、もっとNoGoDの世界に浸かりたいファンから熱いアンコールの呼び声が止まらない。それに導かれて再び登場したNoGoDのメンバーに大きな歓声が沸いた。実はすでに今回の団長のメイクのポイントでもある長いまつ毛をすっかり取ってしまっていた団長。さっきまでと様子が違うが「どこの呪怨だよって感じだけど…(笑)」と自虐的なコメントもしつつ、「お前たちが好きなのは俺たちの音楽だよな?」の言葉に会場の全員が拳で応える。今日の本当の最後の曲は、メンバーの素が出まくった「最高の世界」。NoGoDと会場が完全に融合した「世界」の合唱は、今年まだまだ様々な世界を魅せるだろうNoGoDの未来を祝福するようだった。

photo by 大塚秀美

シングル「Arlequin」

2017年7月26日発売
KICM-1784/¥1,600+税
「Arlequin」含む新曲2曲・ライヴ音源2曲(予定)
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アーティスト

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