【ライヴレポ】DISH//、初の5人での
全国ツアーが遂にファイナル!グルー
プの絆がより強固になった瞬間

今年1月1日、3年連続開催となった東京・日本武道館単独公演にてドラマー・泉大智が電撃加入した後、5人組になって臨んだ初の全国ツアー。3月31日の宮城公演以降、気管支炎の為にツアーを欠席していた矢部昌暉も前日公演より復帰し、骨太いバンド演奏を軸に、ダンスあり、寸劇ありと、目も耳もとことん楽しませてくれた。

フレンチの達人・小林龍二、中華の達人・橘柊生、イタリアンの達人・昌暉、タイ料理の達人・北村匠海に、今年新たに和の達人・大智が加わった……というオープニングムービー“皿の鉄人”で、“杏仁豆腐風味”というライヴのサブタイトルにちなみ、なぜか料理せずに自分たちで杏仁豆腐の実食を始める5人。龍二がニンニク入り杏仁豆腐を引き当ててしまったと思ったら、結局4人も次々と口にして大混乱。なんて仲良しな5人なんだ。

いよいよメンバーがステージに登場、バンド演奏のスタンバイをして、1曲目は「東京VIBRATION」ならぬ「横浜VIBRATION」だ。ギターを携えた匠海&昌暉、ベースの龍二が後方のドラム台にいる大智、DJ卓にいる柊生のほうを向いて音を出し始めると、出だしからバンド感たっぷり。分厚いサウンドが昂らせてくれる中、匠海、昌暉、龍二、柊生に加え大智もマイクを通して歌えば、スラッシャーもタオルをぐるんぐるん回して、その熱量はホールとは思えない。

スラッシャーが大きくコールした「WOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント~」。匠海、昌暉、龍二が演奏しながらも目まぐるしくステップし、柊生はDJスクラッチをしていたかと思うとステージ前へ走り出てきてダンス、その後ろでがっちり屋台骨を支える大智と、グループ力の高さを感じさせた「It’s alright」。大智も含めての自己紹介の最後に5人で叫んだ「俺たちDISH//!!」という言葉も、誇らしく響く。

匠海がギターを置いて歌に専念した「皿に走れ!!!!」では、柊生が「横浜、声、聞かせろ!」と煽る中、昌暉と龍二が大智のドラム台の前に寄ったり、笑顔で向き合ったり。「ザ・ディッシュ~とまらない青春 食欲編~」では、途中でバンド演奏からダンスへとシフトし、柊生が匠海に後ろから馬乗りになってジャレたり。硬軟自在、変幻自在ぶりが、以前より加速している印象だ。

「スラッシャーは僕の太陽です」という昌暉の前置きから、彼がスラッシャーへの想いを込めて作詞・作曲を手掛けた「僕の太陽」へ。匠海、龍二、柊生、大智それぞれの歌と演奏にも、気持ちが溢れている。

「最初の頃は30人のお客さんだったのが、今はこんなにたくさんのみんなが来てくれて、声を出して、ジャンプして、笑顔になってくれて。本当に、感謝しています。個人で活動をしていても、DISH//のボーカルとして活動できることが嬉しいし、誰に何と言われようと、“DISH//ってすげぇんだぞ”って言ってきたし、この先も言い続けます」

凛としてそう言い、自らが歌詞を書いた「My memory」を情感豊かに歌った匠海。柊生による鍵盤の奏でも美しくて、曲の最後には大きな拍手が巻き起こった。

かと思うと、学ラン姿での寸劇「万年皿組」では、アドリブだらけで笑いを誘いながら、公開生着替えした大智のソロ曲「D・A・I・C・H・I」へ。キャリングホルダーにセットしたテナードラムを叩きながら1階客席通路を歩く場面も。

さらに、柊生のDJ Timeで盛り上がったところで、R&Bな「No One Else」、柊生作詞・作曲のシティポップな「Loop.」へ。メロウな歌声としなやかなダンスで魅せる大人な表情にも、ドキっとさせられてしまう。

「ネガティブな僕をポジティブにさせてくれたのは、メンバーとスラッシャーです」と言って、自身が作詞・作曲した「モノクロ」を、アコースティックギターを爪弾きながら歌った匠海。想いを込めた歌と演奏、色付いていくドラマが鮮やかだ。また、龍二が作詞・作曲した「SIGH」は、メロディも歌詞も泣けるナンバー。どうしたって心が動く。

龍二&大智のリズムが先導した、歌謡ファンクな「愛の導火線」。演奏しながらの匠海、昌暉、龍二と柊生のダンス、5人の楽器ソロ回しと、ハイブリッドな「TENKOUSEI」。ダンスロックの真髄を見せつける「I Can Hear」。彼らの音楽、DISH//に対する熱情を象徴するような「FLAME」。キラーチューンをたたみかけられた終盤、おかげでスラッシャーも全力でコールし続けた。

アンコールでは、この日のスラッシャーのドレスコードが「チャイナ服」だったことから、チャイナシャツ姿で現れた5人。9月17日に東京・日比谷野外音楽堂で『DISH// 日比谷野外音楽堂公演 17’秋「MUSIC BOIN!!」』を開催することを発表し、「僕らの夢である神奈川・横浜スタジアムへの一歩になるね」なんて言っていると……ステージ後方のビジョンに、久々に“WARNING”の文字が。4年前、4人で日本列島を北から南へ10日間かけてワゴン車で縦断した彼らが、今度は5人で「DISH//日本縦断はじめましての旅リターンズ」に旅立つことになったのである。しかも、出発は10日後。数々のミッションをクリアできなければ「ふんどし写真集」が発売されるとのことで、戦々恐々の5人。どうなることやら、彼らの動向をお見逃しなく!

「大智が入ってきた意味、5人でいる意味が、このツアーでわかった気がします」(匠海)
「スラッシャーのみんなをより愛せたツアーでした」(柊生)
「やっぱりここが僕の居場所です」(昌暉)
「この5人で、これからいろんな景色を見たいと思います!」(龍二)
「みなさんに認めてもらえるように最高のドラムを叩きます!」(大智)

それぞれに噛みしめ、誓い、決意した5人。固く結ばれた5人の絆が揺らぐことはない。

写真/白石文丈、文/杉江優花

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