LIFriends、『俺たちのララバイ』は
バンド第2幕を告げる挑戦の一作

そんなLIFriendsがUtaTen初登場。バンドを結成した高校生時代について、地元・羽村市への愛、そして新曲『俺たちのララバイ』への思いをたっぷりと伺いました。

LIFriends インタビュー


結成から11年。ライブの楽しさと地元への愛に満ちたこれまで

――2006年、高校一年生のときにバンドを結成されたそうですね。

SHUNKUN:もともとFUNKYとMAKOTOは、ゆずさんに憧れてデュオで路上ライブをしていて。俺だけ高校からなんですが、4人は中学からずっと知り合いで。羽村高校で出会った時にFUNKYがバンドを組みたいとメンバーを探していたところ、4人に加わる形で僕がヴォーカルとして入り今の形になりました。それまでバンド経験どころか音楽の経験もなくて、完全に高校から始まりました。

――高校でバンドを組んでからはどういった活動をしていたんですか?


FUNKY:軽音楽部に入っていたので学校でのライブ活動に加えて、外でたまに活動していましたね。

SHUNKUN:ライブハウスもスタジオも地元にないので立川まで出て練習していました。当時はなにやるにも楽しくて仕方がなくて、電車乗るだけでも楽しかったんです。楽器を背負って歩いているの格好いいし。

FUNKY:ヴォーカルだから機材ないんですよ。だから、俺たちの楽器か機材を背負っていましたね。

――ボランティア精神が豊富だったんですね。

SHUNKUN:分かりました? 実は中学時代にボランティア活動をしていて、老人ホームとかによく行っていたんですよ。高校でも地域で活動する会を立ち上げたんですが、数回しか活動できなくて……なぜなら、音楽と出会っちゃったから!

FUNKY:バンドと関係ない話じゃん(笑)。

――ありがとうございました(笑)。それこそ高校で部活をやっていると文化祭という一大イベントがありますよね。



SHUNKUN:実は文化祭のタイミングでバンドを結成したんですよ。

HAYATO:俺はもともとサッカー部に所属していたんですが、文化祭のタイミングでバンドやろうよって誘われて。そのときはサッカーを一生懸命やりたかったので、文化祭が終わったら抜けるっていう条件で参加したんですがもう文化祭が楽しくて! そこからサッカーとの両立をしながらではあっても皆と一緒にやることを決めたので、文化祭がなかったら今の俺はないですね。

――文化祭はバンドにとってのきっかけだったんですね。そんなバンド活動を通して地元・羽村市の応援隊長に就任していますよね。恥ずかしながら東京は立川・八王子までだと思っていたので、初めて羽村市の存在を知りました。

SHUNKUN:立川・八王子で東京が終わっている人多いんですよね! 他のバンドやファンの方も羽村について聞いてくれるんですが、目立った名所はなくて。強いて言えば動物園、浄水所があるくらい。

――それと、チューリップ祭りが有名だと聞きました。

SHUNKUN:チューリップ祭りは本当に綺麗ですよ! 畑一面がチューリップで覆いつくされていてめちゃくちゃ綺麗なことを知ってほしくて、今年はファンの方たちとイベントでチューリップ祭りに参加しました。めちゃくちゃ気合入れて行ったんですけど、時期が早かったからか5輪しか咲いてなくて。結果、ただの畑を歩きました(笑)。

FUNKY:羽村は都会と田舎の中間のような場所で。少し歩くだけで奥多摩の自然が広がっていますし、街中も区画整備されているので道路とかが綺麗で。初めて来た人は「思っていたより町だ」って思われる方が多いです。

SHUNKUN:自分たちは田舎だと思っているんですが、本当に田舎に住まれている方からすると全然田舎じゃないと感じるらしく、微妙な立ち位置なんですよね。良く言えば田舎と都会の良いとこどりしている場所です。

――LIFriendsは、メロディとラップを合わせた「メロディーラップ」という独自のスタイルが持ち味のひとつとのことですが、どのようにして誕生したのでしょうか?

SHUNKUN:FUNKYとMAKOTOの2人はJ-POPや歌謡曲が好きで、俺は中学時代にヒップホップが好きで。じゃあ歌メロにラップを混ぜてみようってなって生まれたスタイルです。当時、オレンジレンジが流行っていたこともあり、ノリが良くて、楽しめて、格好いいっていうのに憧れたこともスタイルが生まれた理由の一つですね。

MAKOTO:中学の頃までは俺もFUNKYもフォークや歌謡曲全般を聴いていたんですけど、高校に入ってバンドの音に初めて出会って。それから一気にメロコアやバンドサウンドが好きになりましたね。

FUNKY:高校に入ってMAKOTOがバンドを聴きだしたとき「こいつ、おかしくなったな」と思っていました。その頃、バンドの音楽は不良の音楽というイメージがあったので、ずっとフォークや歌謡曲で一緒にやってきた相方に裏切られた気持ちでしたね。俺自身は、海援隊吉田拓郎さん、ビートルズとか聴いていたので、バンドの音楽は最初全く理解できなくて。でも、最終的にはガッツリとバンドにはまりました(笑)。

『俺たちのララバイ』はバンド第2章の幕開けとなる作品



――『俺たちのララバイ』は、前作『恋のヒットパレード』から1年3ヶ月ぶりのリリース。今の率直な気持ちを聞かせてください

SHUNKUN:俺ら的には「やっとか」という感じですね。前作のリリースからこの1年間デモは40~50曲くらいは作っていたんですけど、自分たちのなかで納得できる曲がなかなかできなかったことと、CDを出すためには色々な方の力が必要なのですがその兼ね合いが上手くいかなかったこともありここまでかかってしまいました。とはいえ活動休止していた訳ではなくライブ活動はずっとしていたので、ファンの皆様からも「新曲はいつだすのか」という声もいただいて。今回ようやく「お待たせしました!」と胸を張って出せる曲ができたので、今はもうただただ楽しみです。

――納得できるものが出せなかったというのは、『恋のヒットパレード』の影響が大きかったのでしょうか?

SHUNKUN:活動開始から11年目に突入して、昔は勢いでリリースできたんですが、年齢を重ねたことでバンドとして説得力のある1枚を出したいという気持ちが生まれて。「LIFriendsって他のアーティストとは違うよね」という部分を出していかなければいけないと考えるようになったんです。そこから俺たちなりに出せる色を探し始めて。やっぱり俺たちは明るいので、バラードももちろん好きだけど聴いていてワクワクできる、楽しくなれるような曲を歌っていきたいなと思ったんです。それを踏まえてたどり着いたのが今回の『俺たちのララバイ』。今までのLIFriendsは、エレクトロな曲調の楽曲が多かったんですが、今回はロカビリー風な曲調に挑戦してみて。新たな一面を出すことができたと思うし、これまで通りの明るさで皆さんに元気を与えたいなと思います。



FUNKY:俺たちのなかで4つ打ちへの安心感があって。ライブバンドなので4つ打ちはライブで盛り上がるし、外れることがないと思っている部分があって。だからこそ、『俺たちのララバイ』では8ビートのシャッフルに挑戦しました。出すのが怖いと感じている気持ちもなくはなくて、新しい一面を出すからこその不安もあります。でも、この間、「よっしゃ!」って思いっきりガッツポーズするくらい一つになれたライブがあって。去年は悩んでいたこともありメンバーそれぞれが満足できるライブがなかなかできないことも正直あったんですが、今はその不安もなく一つの方向に迎えています。

HAYATO:俺たちは実家に住んでいることもあり、やっぱり親は心配している部分もあって。今作では初めて親への感謝の気持ちを歌詞で入れることができたので、それはすごく良かったなと思っています。ここから新しくデビューするような気持ちになれていて、バンド自体が一つの方向に向かっている状態でライブもできている。体の疲れがないわけではないけれど、それ以上にモチベーションが上がっているんです。今回の作品を通してまたチャンスを掴むきっかけにしたいですね。

MAKOTO:『俺たちのララバイ』は俺たちのなかで新しいジャンルに行けた作品だと思うんです。この曲のおかげで各々がスキルアップできたし、歌詞としても伝えたかったことを伝えることができた。1年ちょっと止まっていたわけじゃないけれど、悩んだ時期だったので。そこで俺たちが本当に伝えたいと思ったことを素直に伝えられる曲になったんじゃないかと思います。結成してから11年目になるので、ここからまたエンジンかけて一丸となってさらに前に、上に進めたらと思います。

KAMI:今回、シライシ紗トリさんと初めて一緒にやることになって。シライシさんは、オレンジレンジさんのアレンジなども担当されていいた方ということもあり、ずっと一緒にやりたかった方。これまでは自分たちでやってきたので、初めて外部の人と一緒になったことで、自分たちだけでは出てこないものや考えつかないものを学ぶことができた。これをきっかけにこの先もっと色々なことができるようなきっかけにもなりましたね。

――今回、音楽プロデューサーのシライシ紗トリさんが制作に加わったとのことですが、どういった経緯だったのでしょうか?

FUNKY:最初にお会いしたのは結構前でして。初めてお会いした時は曲を聴いてもらおうということで、シライシさんのスタジオに遊びに行ってご挨拶させていただいて。その後は、シライシさんの曲を勝手に歌ってみたものを「どうですかね?」ってアプローチをかけていたんです。そして、今回のシングルで悩んでいたことを相談したら色々アドバイスをいただいて。やっていくうちに「じゃあ一緒にやりますか!」という流れでご一緒することになりました。

――一緒に制作されてみてどうでしたか?

FUNKY:自分たちが悩んでいたところに「そんな感じでいれるんだ!」という新たな発見が多々ありましたね。自分たちのクセになっていた場所に気づけたし、新しい観点を学ばせていただけたことはすごく大きいです。

HAYATO:あと、シライシさんが書く曲っていい意味でカッコイイ感じではないんですよね。でも、その感じが凄くいい感じで。他の人が出せないような田舎感みたいなものが俺らにも繋がるものがあって。それが合わさることで不思議と格好良くなれるんですよ。

SHUNKUN:だからこその魅力があるんですよね。俺らはEXILEさんやK-POPのようなEDM調の格好いいノリも触れられないような輝かしさも持っていない。だけど、同級生で組んでいるバンドだからこその身近さ、田舎感が武器に繋がっているんじゃないかと思いますね。でも、なんか格好いいって思えるんですよね。

――それは聴いているうちにじわじわと良さが分かってくるのでしょうか?



MAKOTO:いや一発ですね。シライシさんはリフが上手いんですよ。

FUNKY:自分でも言っていたよね。「俺はリフの男。腐るほどリフを持っている」って。そういうセリフって普通に聞いたら超かっこ悪いじゃないですか? でもあの人が言うとちょっと格好いいんですよ。生き様とかが染み出ている感じで。ロックな人なんですよ。そんな人から「お前ら売れちゃうぜ」って言ってもらえて。めっちゃ嬉しかったですね。実際にオレンジレンジやSCANDALとかを売りだした結果を出している人なので、そんな人にそんなことを言ってもらえて背筋がめっちゃ震えましたね。

――今回のジャケットはとても“バンド”であることを感じられるデザインですよね。

SHUNKUN:そうなんですよ! それに、MVで真面目にバンド演奏したのは初めてです。今まではダンスしたりパジャマ着たりしていたんですが、今回は歳も歳なんで真面目にバンド演奏してみました。

FUNKY:曲を作るときにもバンドらしさを意識して、歌詞も勢いよりもメッセージを重視しました。

――今だからこそ出せるLIFriendsを出したかった?

FUNKY:そうですね。多分『俺たちのララバイ』を20代前半の時に出したとしても共感してもらえなかったと思うんです。メジャーデビューさせてもらって、色々と経験させてもらった今の俺たちだからこそ、伝えられるものがあるんじゃないかなと思いますね。

――カップリング曲、個人的な感想としてどれもシングルでもいいんじゃないかってくらいぐっとくる曲ばかりでした。

HAYATO:よくぞ聴いてくれました! よくぞ!

SHUNKUN:本当に惜しかったんですよ。言っていただいたようにどれもシングル候補の楽曲だったので、タイミング待つかすごく悩んで。でも、今あるLIFriendsを出し切るために、出し惜しみしないことに決めました。カップリングについては「ライブでやっちゃえばいいんじゃない?」というテンションで、すでに何度かライブで披露していて。メジャーデビュー前はライブで先出することも多かったので、ある意味初心に返るような感じでしたね。なかでも、『Welcome to TOKYO』は2、3回披露して「これヤベーな」ってなったところで、三代目さんが同じタイトルで出しまして。

――三代目さんより先だったとは。タイトルを初めて見た時ニヤっとしてしまいました。

SHUNKUN:ライブでは僕たちの方が先なんですよ。決して格好いいから真似したわけでなくて、偶然同じタイトルだったんです! 『E-感じ』はそのまま良い感じです(笑)。

FUNKY:『My Pace』は去年1年間への答えだったりしますね。色々な葛藤があって、暗い気持ちから抜け出せずにいた不安を「雨」というワードに例えて書いた曲です。

MAKOTO:初めて披露したときにファンの皆さんも同じ気持ちでいてくれたからこそ、泣いてくれた人もいましたね。

SHUNKUN:リリースできなかった間に待ってくれたファンの方たちに「お待たせしました。待っていてくれてありがとう」という気持ちも込めています。人間は良い事だけでなく嫌な事もある。だけど、一歩一歩進むことが大事だと思っていて。漫画やアニメのように突然シーンが切り替わって全てが上手くいくようなことはなかなかないから、自分のペースで進めばいいという気持ちを感じてもらえればと思います。

――お話を聴いていると、すごくバランスが良い作品だなと思いました。チャレンジしながらも、不安な気持ちへの答えを提示して、LIFriendsならではのノリの良い曲もある。

SHUNKUN:そうなんですよ。この4曲だけでもライブできますからね。強い一作です。

――新しい刺激を得たことで、次作にもいい影響がでそうですね。

FUNKY:そうですね。今も丁度作っていて。それもシライシさんと一緒にできたらとは思っています。絶賛レコーディング中ですね。

――早いですね。まだシングルが出たばかりなのに。

SHUNKUN:今の自分たちの勢いを止めたくなくて。我武者羅に走っていますね。

FUNKY:今年の目標は3枚ですね。

――最後になりますが、バンドとして目指す目標はありますか?

SHUNKUN:バンドをやっていて大きな目標で必ずと言っていいほど上がるのが武道館でライブをすることだと思うんですけど、俺らは高校でバンドを結成してからわりかし当たり前に抱いている目標なんですよね。俺たちの大きな夢は、羽村でデカいフェスをやること。羽村にいる5万人が見に来るような、デカいフェスがしたいです。

FUNKY:あと、10周年を超えたタイミングで、5人でずっとバンドを続けていくことが夢だということに気づいたんです。バンドとしての夢は何か悩んでいたんですよ。紅白だとか、武道館だとか色々あると思うんですけど、俺たちにとっては続けることが大きな夢ですね。

――長くバンドを続けていくなかで上手くいかないことも、気持ちが続かなくなることもありますよね。それでも、「バンドを続けたい!」と思えるモチベーションになるものは?

FUNKY:完全にライブですね。アーティストって勝手な生き物で、この1年も「バンドじゃないかもしれない」と思うこともあったんですけど、大きな場所でライブして、歓声を浴びると「やっぱりこれが1番だ」って思っちゃうんですよね。だから、ライブがあってファンが支えてくれるからバンドを続けようって思います。なので、今年は地に足をつけて徐々にバンドを大きくしていきたいなと思っていて。なにかライブをすることは決まっています。どこかで発表があるのでそれも楽しみにしてください!

――ありがとうございました!

インタビューの最後には、HAYATOさんのお腹が鳴り一同大爆笑。一生懸命に理由を説明するHAYATOさんを、楽しげに弄るメンバーの姿はまるで男子高校生の休み時間を思わせる賑やかさ。しかし、「これはまだ30%くらい。ライブでは120%くらいになりますよ!」とSHUNKUN。彼らの留まりきらないエネルギーは、ライブでこそ爆発するとのこと。是非とも120%の彼らをライブ会場で体感してみてほしい。



TEXT:河内香奈子

UtaTen

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