歌は呼吸と同じ、Anly 5歳でギター
 ともに育った曲を1stALに

「デビュー前からの私が詰まったアルバム」にはスキマスイッチとのコラボ曲も収録

 沖縄・伊江島出身の20歳の女性シンガーソングライターのAnly(アンリィ)が26日に、1stアルバム『anly one』をリリースした。中学までネットのない環境に育ち、父親の好きだった60~70年代の洋楽などに慣れ親しんだことで独自の感性を磨いた彼女。フォークやアメリカンロックを基盤にしたサウンドと、透明感のある美しい歌声が評判を呼び、デビューからいくつものドラマ主題歌に抜擢され、最新曲の「この闇を照らす光のむこうに」は、スキマスイッチとのコラボでも話題になった。『anly one』には、高校生のときに作った楽曲も収録され、彼女は「デビュー前からの私が詰まったアルバム」と話す。ある音楽番組で、音楽は呼吸をすることと同じだと実感する体験をしたという、彼女にとって“オンリーワン”である歌や声とは。

ドラムやベースにチャレンジした曲も収録

通常盤

――アルバム『anly one』は、シングル曲とタイアップ曲が収録され、デビューから現在までを凝縮したものになりましたね。

 そうですね。曲を作った時期としてはラストに収録した「Come back」がいちばん古く、次が「レモンティー」とか「サナギ」で、これらは17歳くらいのときに作った曲です。当時から、もしアルバムを出すなら絶対に入れたいと思っていました。そういう意味では、デビュー前からの私が詰まったアルバムだと言えます。

――「サナギ」は、カントリーっぽい雰囲気がありながら、まだ花開いていない女の子を表現していて。どういうきっかけで作った曲ですか?

 以前から良いなと思っていたギターのコードがあって、適当に押さえたものだからコード名は分からないんですけど、すごく響きが良いなと思っていて。あるとき親友から、歳上の男の人に恋をしているという話を聞いたとき、そのコードとエピソードが合うんじゃないかと思って作りました。

――それを、どうして「サナギ」と?

 当時の親友は、膝を抱えて身動きが取れない感じで、逆に大人はどこにでも行けるし自由に恋も出来るし、自由に羽ばたいているイメージでした。それで殻を破って自由に羽ばたくことを何かに例えようと思ったとき、“サナギ”が良いなって思いました。自分はまだ未熟者だけど、いつかきれいな蝶々になって羽ばたいたときに、振り向いてくれたら良いのになと。

――「サナギ」は、友だちの話を元にしているんですね。逆に想像だけで作った曲もありますか?

 「こうだったら良いのにな」って思って作ったのが、「傘」という曲です。

――「傘」は、梅雨の季節でも楽しく過ごせそうな曲ですね。

 水たまりでもスキップしたくなる音にしたくて、レコーディングのときのひらめきで、テンポを速くして。ドラムの雰囲気を“高校生が一生懸命叩いている感じ”になるように、アレンジャーの河野圭さんと相談しながら作っていきました。

Anly

――沖縄は、雨が多いですからね。

 沖縄は、スコールが多いんです。予報にない雨がいきなり降って来たときに、好きな相手と相合い傘が出来たら良いなという、憧れを書いた曲です。残念ながら、私はそういう機会がなかったので。

――「レモンティー」は、ちょっとフォークっぽいですね。

 これは、ギターだけじゃなくドラムもベースも、全部自分で演奏しました。ギター以外は初挑戦でしたけど、楽器の特性も分かったし、アルバムには毎回こういう自分で演奏した曲を入れられたら良いなと思いました。

――スタッフから、そういう提案が?

 曲は出来ていて、河野さんに「宅録感が欲しいです」とお話をしたら、「全部自分でやってみない?」と提案していただいて。

 空いた時間があったら1~2時間とかでもスタジオに通い、家に帰ってもずっと練習していました。そのおかげで、私の曲は「ベースがこういう動きをしていたんだ」などの発見もありました。曲を違った視点から捉えることが出来るようになったことで、たとえば「Enjoy」のようなロックの曲は、“ツアーではギターソロを長くして欲しいな”というアイデアも考えられるようになりました。

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