【ライヴレポ】さくらしめじが高校生
になって初のワンマンライヴで見せた
“今とこれから”「目指すは大きなマ
ツタケ!」

田中雅功と髙田彪我が声を合わせての「さくらしめじの、“eat shun(いっしゅん)”!」という第一声をきっかけに、「ふうせんはなび」でライヴはスタート。ステージに桜の花びらやキノコを模した電飾が光る中、彪我が「良かったら立ち上がって一緒に楽しみましょう!」、雅功が「盛り上がっていきましょう!」と笑顔で叫べば、きのこりあんのテンションも急上昇。ギター、ベース、ドラム、キーボードによるフルバンドとふたりの息も、ぴったりだ。

ふたりでアイコンタクトをしながらイントロのギターを奏でたのは、「おたまじゃくし」。最新作である1stミニアルバム『さくら〆じ』に収録されている愁い色と疾走感をまとった曲に、この春から高校生になった彼らの成長ぶりがチラリ。ラストのふたりが息を合わせてのジャンプにも、高まってしまう。

彪我が「すごく楽しい!」と言えば、雅功が「まだ2曲しかやっていないのにね!」と乗っかって、そのままの勢いで「かぜいろのめろでぃー」へ。「ゆめがさめたら」にしても然り、ぐっとオトナっぽい哀愁感や叙情感を、時に向き合ったりしながら、しっかりと歌と音で表現していく。

雅功「中学の卒業式、泣いた?」
彪我「泣きました。え、逆に泣かないと思いました!?」
雅功「いや、泣くと思ったけど……どこで泣きました?」
彪我「……学校」
雅功「そりゃそうでしょ、どこのタイミングかってこと!(笑)」
彪我「僕は合唱のときです。泣きました?」
雅功「(食い気味に)僕は泣いてないです」
彪我「でも、ホームルームで泣いたって聞きましたよ?」
雅功「(恥ずかしそうに)次の曲にいきますか!」
結成から3年、ふたりの相変わらずの絶妙な間合いと距離感も愛おしい。

雅功が茶色いボディの“おこげさん”、彪我が赤いボディの“タカダぱふぱふくん”と、それぞれ新しいアコースティックギターを手に、「だるまさんがころんだ」からはふたりだけで弾き語り。

そして、高校生になりますます表現欲が高まっている彼らは、自作したソロ曲を、相方もフロアに降りてきのこりあんとクラップする中で披露。「ポンコツデリシャスロード」でおっちょこちょいな自分たちを歌った彪我は、途中でフロアにいる雅功をいたずらっぽく見たり、一方、試験前夜の心境をリアルに綴った「勉強をしたいのに?」を、彪我のタンバリンを借りて歌った雅功。それぞれの個性と感性が鮮やかだから、ふたり一緒になったときの化学反応がおもしろいのだ。

ふたりが揃い、茜色のライトの下で歌ったのは、彪我が作詞した「夕空小道」。“きみ”への溢れる想いを歌に託した「きみでした」。情感豊かな彼らのハーモニーに、どうしたって心が動く。

かと思うと、中2の頃に「王子様になりたい!」と言っていたことを雅功に明かされた彪我が、「若気の至り!」と恥ずかしさのあまり倒れ込んでしまったり。3日ほど前に「チヤホヤされたい」と言っていたことを彪我に明かされて、雅功がどぎまぎしてしまったり。歌っているときとしゃべっているときの大きすぎるギャップも彼らの魅力。

軽快な「せきがえのかみさま」、未来への不安や期待を等身大で歌う「さんきゅう」を経て、自分たちのラジオ番組を持つことに憧れるふたりが、『ノコノコキノコオールナイト』と称してトークを練習、夢を膨らませる場面も。

再びバンドメンバーを加えて、「盛り上がる準備はできていますか!?」という一声が導いたのは、EDMをさくらしめじ的に大胆解釈した「いーでぃーえむ」。コール&レスポンスが大きく響き、どんどん上昇するフロアの熱量。彼らにとっての、新たなるキラーチューンだ。

さらに、エモーショナルなダンスロック&キュートなねこダンスでどんどんきのこりあんを巻き込んでいった、未発表の新曲「ねこの16ビート」。メンバー全員がニワトリのかぶりものを頭に装着、途中で雅功と彪我がフロアに降りて、かわいらしい“えのきっず”たちと卵を配りつつ、会場にちなんで“てぃーでぃーしー”コールで一体となった「てぃーけーじー」。軽やかでキャッチーに突き抜けた、またまたの新曲「えそらごと」。楽しいが止まらない。

「高校生になってもよろしく!」と雅功が笑顔を見せ、「みなさんのひだりむねにこれからも届けていきます!」と彪我が決意を口にして、「ひだりむね」へ。演出の桜吹雪が舞う中、ふたりが一緒にジャンプをして、本編を締めくくった。

アンコールでは、昨年初めてふたりで作った「おもいでくれよん」を弾き語りして、嬉しい発表も続々。まず、彼らの結成日である6月14日に、東京・下北沢GARDENにて『しめたん -さくらしめじが生まれた日-』を開催。その後7月からは、中学生時代に全国47都道府県を周るフリーライヴツアー“菌活”でまいた“胞子”を育てるべく、1年かけて日本各地のライヴハウスで月1回ライヴをする『菌育 in the 家(はうす)』を敢行。9月には、『菌育 in the 家(はうす)スペシャル!』と題して東京・渋谷CLUB QUATTROのステージに立つ。最後の「みちくさこうしんきょく」では、バンドメンバー、“えのきっず”と共に、場内を幸せオーラで満たしてくれたふたり。彼らが目指すのは、“大きなマツタケ”。この先、期待感しかない。

写真/埼玉泰史、ハヤシサトル 文/杉江優花

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