半崎美子が熱唱、桑田佳祐の称賛に「
メダル頂いたような気持ち」

ずば抜けた歌唱力が話題の半崎美子。発売記念イベントに出席した

 シンガーソングライターの半崎美子が14日、今月5日に発売したミニアルバム『うた弁』の発売記念イベントを東京・池袋サンシャインシティ噴水広場でおこなった。半崎は同作に収録している「鮮やかな前途」など4曲を披露。サイン会もおこない、ファンとも触れ合った。さらに記者による囲み取材にも応じ、メジャーデビューの心境などを語った。サザンオールスターズの桑田佳祐が、ラジオ番組で彼女を称賛したことにも触れ「音楽人生の表彰台に立たせてもらったような気持ちです」と改めて喜びをかみ締めた。

D.I.Y.シンガーソングライター

 半崎は10代で地元の北海道・札幌から上京。パン屋で住み込みで働きながら曲を製作し、音楽活動を続けてきた。これまで事務所やレーベルに所属することなく、インストアライブのブッキングや即売会の設営スタッフの手配や、弁当の手配まで自身でこなし、「D.I.Y.シンガーソングライター」として地道に音楽活動を続けてきた。ショッピングモールなどでおこなうライブでは、訪れた人が足を止め涙することもあり、“泣け歌シンガーソングライター”とも呼ばれている。

 2011年5月に東日本大震災後に感じた想いを綴った「希望の桜」は、デモCDと手紙をスタッフに渡し、交流が始まったという笑福亭鶴瓶がタイトルを付けた楽曲。その後、インディーズのまま2014年から赤坂BLITZでの公演を3年連続で完売させるなど確かな実績を積んできた。

 『うた弁』は、NHKの『みんなのうた』4月~5月のうたとして流れている、「お弁当ばこのうた~あなたへのお手紙~」など8曲を収録したメジャーデビューミニアルバム。

 この日のイベントでは、命のつながりについて歌ったという「種」を歌唱。会場から送られた拍手に半崎はこみ上げた涙をこらえながら「力強い温かい拍手、ありがとうございます」と深々と頭を下げた。

 そしてお弁当を作る母親目線で制作したという「お弁当ばこのうた~あなたへのお手紙~」では、リズミカルな楽曲をやさしい歌声で語り掛けるように歌った。

 半崎は「卒業するということは決して当たり前のことではなく、私は卒業できなかった方への想いを深め、この曲を書きました」と曲に込めた思いについて語り、「サクラ~卒業できなかった君へ~」を披露した。

 最後に「今日は最後までありがとうございました。17年間ずっと一人で活動してきて、メジャーデビューできました。皆さん、『長かったね』と言うんですけど、ベストなタイミングだと思っています」と改めてメジャーデビューについて語り、「鮮やかな前途」をこれから新たな活躍を誓うように歌い上げ、ステージを去った。

サザン桑田もラジオで称賛

 半崎は記者による囲み取材に応じた。囲み取材も初めてという半崎は「びっくりしています。何だろう、これ? という感じで(笑)」とコメント。緊張気味な表情を見せた。

 地元の北海道をデビュー後にイベントで訪れた際には、両親も泣いて喜んでくれたという。今までイベントやライブ時は自身で設営などを手伝っていた半崎。メジャーデビューとインディースの違いについて「何もしなくていいことですかね。今までポスター貼ったり、CDの販売などやっていたので。今日はやらなくていいんんだ、と思って。感動しています。今日も癖でガムテープを持ってきてしまいました(笑)」と裏方の仕事の大変さを改めて実感した様子。

 またメジャーデビューについて「自然な成り行きだったと思います。オーディションに受かって、デビューするということではなかったので。こういうイベントをやるときにも、入館申請出して、車両届とか全部自分でやっていたので(笑)。そういうことをやらなくていいんだ、と思ったり。後になって実感するというか」と具体的なところにデビュー後の明確な違いを感じているという。

 さらに、半崎は曲へのこだわりについて「生活に根付くことを曲にしています。悲しみを歌っていたとしても、一歩前に踏み出す前向きな曲にしていきたいと思っています」と語った。

 サザンオールスターズの桑田佳祐からラジオ番組で「日本のアニタ・ベイカー(米R&B歌手)だ」と称賛されたいう半崎。「インディー時代の自分の音源を見出して頂いて、音楽人生の表彰台に立たせてもらったような、メダルを頂いたような気持ちです」とトップアーティストから賛辞についてコメントした。

 今後の目標として、半崎は楽曲が教科書に掲載されることだと言い、「私の楽曲が私自身よりも長生きして、作品の中に私が生きていけたらいいなと思います」と語った。(取材・撮影=松尾模糊)

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