星野源、楽曲「化物」に込めた亡き中
村勘三郎さんへの思い

星野源

 歌手で俳優の星野源が10日放送のテレビ朝日系『徹子の部屋』に出演。2102年に亡くなった故・中村勘三郎さんとのエピソードを明かし、感謝の気持ちを語った。

 2003年の舞台『ニンゲン御破産』で、中村勘九郎時代の勘三郎さんに会った星野。当時の自らを「素人同然」と語り、「最後のカーテンコールで勘三郎さんの手を引いて、舞台に連れてくる役目。舞台裏で話したのが今でも覚えている」と勘三郎さんとの思い出に触れた。

 その際、勘三郎さんにも悩みがあることに気づいたという星野。舞台が終わると役者や観客は頭の上に手を挙げて拍手をするが、勘三郎さんは「それがすごくうれしいけど、家に帰ってお風呂に入ると本当に独りぼっち」になる心境を抱えていたという。

 星野は「あんなに人気者で、歌舞伎座に観に行っても、おじいちゃんおばあちゃんが寝てるんですけど、勘三郎さんが出て来た瞬間に起きるっていう、それくらいのオーラを、惹きつける魅力を持っていて」と勘三郎さんから感じた印象を率直に語りつつ、「なのに、すごく悩まれているし、すごく孤独なんだなって知って、おこがましいながらも人間らしさというか、親近感をすごく感じました」と勘三郎さんと過ごした時間を懐かしそうに振り返った。

 MCの黒柳徹子からは、星野の楽曲「化物」が、勘三郎さんとの縁から作り出されたことを尋ねられた。

 楽曲制作をおこなっていた星野。歌詞づくりに悩んでいた時に勘三郎さんが亡くなったという。そして、「勘三郎さんの歌を作ろうと思って、自分が感じていた、もっとこうなりたい、もっと面白い曲を作りたい想いとか、悩み過ぎて孤独になってしまう自分というものを、お話で聞いた勘三郎さんと重ね合わせて書いてみたら歌詞が書けたんです」と歌詞を書き上げた背景に言及した。

 ところが、そのレコーディングが終わった直後、星野はくも膜下出血で倒れ、救急車で病院に運ばれた。その後の療養期間を経て、楽曲「化物」がリリース。すると、「『これは星野さんの復活の歌ですね』ってライターさんとか色んな人に言われて、でも僕は勘三郎さんの歌なんだけどなって思ってたんですけど」との心境があったことを打ち明けた。

 そして、後遺症もなく復帰できたことに星野は「勘三郎さんが天国から自分を戻してくれて、『この曲は僕のために作ったけど源ちゃんの歌にした方が良いよ』って言ってくれたような感じがして」と勘三郎さんからのメッセージとして受け止めたようだ。

 勘三郎さんとの繋がりに深い情をしのばせる星野は「すごく今でも大事で、思い出も大事ですし、それこそ七之助君と友達で一緒にお酒を飲んだりしてますけど、すごく大事な縁を作っていただいたなと思ってます」と語り、勘三郎さんの息子である七之助との縁を含め、勘三郎さんへの尽きない感謝を口にしていた。

 星野の楽曲「化物」は、2013年5月にリリースした3枚目アルバム「Stranger」の1曲目に収録。2014年2月に日本武道館で開催された復帰コンサート『星野 源 ワンマンライブ “STRANGER IN BUDOKAN”」の1曲目に歌唱されている。

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