空想委員会 無観客スタジオライブ生
配信をリアルタイムで33万人が視聴!

生配信はまずメンバーによるトークパートから。ベースの岡田典之は「日本でもトップクラスのスタジオで、メジャーデビューアルバムの『種の起源』などもここでレコーディングした」と関口台スタジオを紹介する。ギターボーカルの三浦隆一は「人前で初めてやる曲もある」と『デフォルメの青写真』の楽曲を中心に演奏する旨を伝え、ギターの佐々木直也は「今日でしかできない空想委員会を見せたい、歴史に残るライブをする」と力強く意気込みを語った。コメントを拾いながら15分ほどアルバムについて話したあと、メンバー3人とサポートドラマー・テディはメインスタジオへ移動。円になり向かい合った4人を、6台のカメラと照明が取り囲む。

『デフォルメの青写真』のオープナーでありリード曲の「スタートシグナル」からライブはスタート。演奏の完成度も高く、レコーディング時と似た、楽曲のなかに深く潜るような緊張感や集中力、気魄が4人から発せられる。スピード感のある映像もまた、そのムードを高めていた。映像と白熱灯の照明が作り出す陰影は彼らの表情や動作をクールに切り取る。空想委員会のシリアスさや凛々しさがフィーチャーされた画も新鮮だ。

ちなみにこのスタジオライブは通常のライブ配信とは異なり、レコーディングを生配信している状態とほぼ同じと言っていい。「関口台スタジオにも雪が降ってきたようです」と三浦が天井を見上げると、雪の結晶が降り注ぐ映像のなか「私が雪を待つ理由」を披露。続いて三浦と佐々木がアイコンタクトを取りゆっくりふたりでギターを鳴らし「ビジョン」へ。佐々木はこの時点でかなり汗だくで、それがしたたり落ちることもしばしばだ。レコーディングともライブとも違う緊張や、頭のなかに浮かぶリスナーへ対する想いが、彼にいままでにないパワーを燃焼させていたのではないだろうか。

その後は「キラーチューンキラー」「恋とは贅沢品」と『デフォルメの青写真』収録曲を続けざまに演奏。4人の集中力はさらに強い結束とグルーヴを作り、音源以上の躍動感を生んでいた。ラストは空想委員会のライブに欠かせないダンスナンバー「空想ディスコ」。リズム隊のソロ回し、佐々木の背中弾きソロ&ギターを置いてスペース一帯で暴れまわるパフォーマンスと、普段のライブのモードを発揮したセクションだった。それに加えて、コメント機能を使ってコール&レスポンスを行うという斬新な試みもおこなわれ、コメント数はあっという間に12,000を超えた。3人でひとつのiPadを囲んでレスポンスを確認する姿は微笑ましく、リスナーに向かって三浦が「お前らそんなもんじゃねーだろ!(笑)」と煽るシーンは頼もしかった。

「空想ディスコ」の演奏が終わるやいなや、コメントでは視聴者から「居残りコール(アンコール)」が止まらない。エンドロール後、再び画面に現れた3人は、コメントから演奏曲目を選ぶことに。「照明がいい雰囲気なので、最後はしっとり終えたい」という三浦の要望により、彼が大学4年生のときに初めて作った楽曲であり、リクエストも多かった「マフラー少女」を届けた。彼が数ある自分たちの曲からなぜこの曲を選んだのか、そこには確固たる理由があった。1時間強の生配信を行い、リアルタイムでの視聴者は33万人を突破。その内容や、映像とのコラボレーション、MVさながらのスタイリッシュな縦型ライブ映像、迫真の演奏など、さっそく公開されたLINE LIVEのアーカイブでぜひ確認してもらいたい。アルバムリリースの祝事としても、4月20日に渋谷CLUB QUATTROで開催するリリースライブ、4~5月に開催するアコースティックインストアライブツアー、6月から7月23日の中野サンプラザに向けてスタートする全国ワンマンツアーの前哨戦としても大きな意味のある、非常にプレミアムなライブだった。

TEXT by 沖さやこ

■LINE LIVE「空想委員会 LIVE at SEKIGUCHIDAI ST.」
https://live.line.me/channels/21/upcoming/2105383
※「LIVE」公式チャンネルにてアーカイブ公開中。誰でも無料で観ることができます。

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