歌うことが夢だった、橋爪紋佳&空見
ゆき、ディズニー新作に抜擢

ディズニー新作「アバローのプリンセス エレナ」の声優に抜擢された橋爪紋佳&空見ゆき

 ディズニー・アニメーションの新作『アバローのプリンセス エレナ』が4月2日から、地上波テレビ(テレビ東京)で放送される。

 アニメーションのクオリティの高さとともに、ミュージカルのように多彩で豊富な挿入曲が数々存在するのも、ディズニー・アニメーションの魅力の一つ。この『アバローのプリンセス エレナ』は、2015年にテレビ東京系で放送されたディズニーの3Dアニメーション『ちいさなプリンセス ソフィア』ともつながりのあるストーリー。邪悪な魔女に自国のアバローを支配され、自分の持っていたペンダントに閉じ込められていたプリンセス・エレナが、魔女を退治し自国の平和を取り戻し、次期王位継承者として王国のために奮闘する姿を描く。

 アメリカの複数のグラフィックにおいて2016年度の視聴率No.1を獲得するなど、本国のキッズの間で大人気の作品。ディズニー・アニメーションでは、初のラテン系のプリンセスが登場し、これに合わせてラテン系のリズムやハーモニーなどを意識した楽曲を中心に、バラエティ豊かなサウンドがストーリーを彩っている。

 主役のプリンセス・エレナを務めるのは、ディズニー・アニメーションでの主演は初となる声優の橋爪紋佳(はしづめ・あやか)。これまで海外ドラマなどの吹き替えをおこなう一方で、ミュージカルや舞台などでも活発な活動を展開しながら、ディズニーへの強いあこがれを持っていたという新人声優だ。

 また、エレナの妹・イザベルを演じるのは、声優として活躍しながら、アニメ、イラストとアイドルの融合プロジェクト「Re:ステージ!」のメンバーとしても活動する空見ゆき。声優としての仕事に携わる傍らで、歌を歌うことに強い思いを持つ2人が、この作品の重要なキャラクターを担う。

 劇中で歌も披露している2人。この作品のオファーに対する心境や、互いの印象、作品や歌に込めた思い、などを語ってもらった。

いつかディズニーで歌を歌いたいという目標が昔からありました

劇中のワンシーン

劇中のワンシーン(c)Disney

――お二人から見たこの作品のイメージと、自身のキャラクターの魅力などを教えてください。

橋爪紋佳 音楽も絵の色彩も、ストーリーも、すべてが魅力的な作品です。私が演じるエレナは、とても勇敢で、優しく、愛にあふれている女の子で、みんなを引っ張っていく勇ましさ、勇敢さを持つプリンセスです。まずはなんでもやってみるというタイプで、たまにそれで失敗しながらも、みんなにフォローされながらなんとか目標を達成するという時もあります。そんな面も含めたところが、彼女の親しみやすさや愛らしさでもあるんです。等身大の16歳の女の子であり、女王になるために一生懸命に頑張っている、エレナのその頑張りをぜひ見ていただきたいです。

空見ゆき 主役のエレナを中心に、王族や王宮での出来事がメインのストーリーなので、一見、異世界の物語かと思いきや、すごく親しみやすい内容なんです。というのも、キャラクター1人ひとりが本当に魅力的でありつつ、「こういう人、実際にいる」という感じのキャラクターばかりで。特別な人、完璧な人は1人もいなくて、みんなどこかしら、抜けているところや、いい部分を持っていたりします。だからどの年代の人が見ても心に響くし、共感もできるんだと思います。音楽や人種、年齢感など様々なものが扱われているので、絶対に興味があるポイントが見つけられる作品ですね。可能性がいっぱい詰まった作品だというのが魅力です。

――ディズニー作品の主演は初となる橋爪さんですが、その感想をお聞かせください。

橋爪紋佳 最初に「主演で歌を歌う役です」という情報をいただいたときに「楽しみ!」という思いでワクワクしていました! でも蓋を開けたら“プリンセス役”で、パニックになりましたけど(笑)。

――プリンセス役というのは敷居が高いですか?

橋爪紋佳 もちろんです! 私はもともと歴代プリンセスの歌が大好きで、カラオケでもずっとディズニーの曲を歌っていたんです。だから、まさか私が次のプリンセス役をいただけるなんて…という嬉しさと感激で、頭が真っ白になりました。

――もともと声優を志して今まで出演されたのは、海外ドラマやアニメメーション、ディズニー作品の吹き替えが主ですが、いつかはディズニー作品に、という気持ち昔からもあったのでしょうか?

橋爪紋佳 ありました。そのためにもミュージカルの舞台に出演して修行をしたり、ボイストレーニングに通ったりと、昔から、いろんな活動をする中で、いつかディズニー作品で歌を歌いたいという目標がありました。だからプリンセス役のお話をいただいた瞬間に、今まで関わり、応援していただいたすべての方に感謝しました。今までの経験が「今ここにつながったんだな」と思いました。

劇中のワンシーン

劇中のワンシーン(c)Disney

――空見さんはディズニー作品への出演が4作目ということですが、今回は主人公の妹役として、重要な役かと思います。特に橋爪さんとの共演で感じたことはありますか?

空見ゆき そうですね…。実はイザベル役をいただけると伺った時に、別の作品のキャラクターを演じていたんですけど、それも主人公の妹だったんです。その役では兄妹仲が悪くて(笑)。だからこの作品でも姉妹ということでちょっと不安を感じていたんです。でも実は橋爪さんとは以前別の作品で、打ち上げが一緒になった時にお話をしたことがあったんです。その時に「すごく話しやすいお姉さんだな」と感じていて。今回は、姉妹がすごく仲良しで、歌も歌える役ですし、「良かった~!」と思いました。

――初めてお会いした時のことを橋爪さんも覚えていますか?

橋爪紋佳 覚えています! 「すごくかわいい女の子だな」と思いました。それで今作で、初めてみんなで集まった時に「覚えていますか? あの時の空見です」と声を掛けてくれて。

空見ゆき 現場でお会いするのは、そこが初めてだったので「運命だな」と思いました。以前、同じ作品に出たこともありましたが、出た回がそれぞれ違ったので、現場でお会いすることはありませんでした。だから「またご一緒したいな」と思っていました。まさかこんな形で、しかもすぐにその思いが叶ったのは、すごく嬉しかったです。今はプライベートでもすごく仲良くしていただいています。

――本当に運命ですね。

橋爪紋佳 でも最初は「空見ちゃんは別のジャンルのお仕事をしているし、どこまで仲良くしてくれるかな?」という不安もあったんですよ(笑)。ちょっとドキドキしていたんです。でも本当の妹みたいにすごく仲良くしてくれて。

――人間的なつながりもあれど、たとえばちょっと対照的というか、もともとディズニー作品、海外の作品に出られることを考えられていた橋爪さんと、日本のアニメーション作品で活躍しているという空見さんと、同じ声優としても違う立場を考えることは、最初にお会いした時にはなかったのでしょうか?

橋爪紋佳 少しあったと思います。だから最初は緊張しました。でもジャンルが若干違うと、先輩後輩の関係すらわからなくなっちゃうというか…。

空見ゆき 確かに、そうですね。そういう意味ではあまり先輩と思ったことはないですね(笑)。それはいい意味で紋さんにアットホームな空気感を出してもらえるからなんです。座長として温かい雰囲気で迎えてくださる、紋さんの性格のおかげというか。周りの人にはわからないように気を使ってくださったり、すごくいい人間関係を敷いてくださったりするので、意識したことがなくて。だから本当に先輩というよりはお姉ちゃん、という感じなんです。

――最初からそんな雰囲気を感じられましたか?

空見ゆき そうですね、最初にお会いした場でも「すごく話しやすい人だな~」と、またおしゃべりしたいと思っていたんです。それからすぐ共演させていただけるということになって、ちゃんと話してみても全然イメージが変わることなく、むしろすごく親しみやすいです!

橋爪紋佳 その点では、「アバローのプリンセス エレナ
の現場は皆さん、本当に踏み込ませてくれますね。先輩方含め本当に優しくてチャーミングですし、面白くてとてもアットホームな現場です。

役柄との共通点「私はエレナにとっても似ています」

ディズニー新作「アバローのプリンセス エレナ」の声優に抜擢された橋爪紋佳&空見ゆき

――お二人とも小さいころからディズニー作品には親しんでこられたかと思いますが、特にお気に入りの作品は?

橋爪紋佳 そうですね…。『アラジン』はシリーズが全部私の家にあって、何十回、何百回も見ていましたし、ジャスミンに対しての愛着があります。『アラジン』がアラブ系で今回はラテン系ということで、少し近いものがあるのでとても嬉しかったですね。

空見ゆき 私も小さいころに何度も繰り返し見ていたお話はいくつかあって、エピソード的に記憶に残っているのは、『バンビ』です。すごく好きで、あまりに見過ぎて、テレビを見ながら全部のセリフを喋っていたという話を、母親から聞いたことがあるんです。その意味では、世界観に引き込まれたのが『バンビ』でした。そこから『白雪姫』『アラジン』と通りましたね。それに私、名前が“ゆき”なので『白雪姫』に自分の名前が入っている時点で愛着が湧いたり…。みんな、ディズニー作品は必ず通りますよね(笑)。

橋爪紋佳 うん、通る!

――今回、キャラクターがお姉さんの方が行動的で、妹さんがしっかり者という感じですが、お二人の関係性を含めて、それぞれの役柄とご自身との共通点などはありますか?

橋爪紋佳 そうですね…。私はエレナにとっても似ています。あまり後先を考えずに突っ走ってしまって、あとからみんなにフォローしていただくところなんかは特に(笑)。私は中・高と吹奏楽部の部長だったんですけど、まさにそのような感じで部長を務めていました(笑)。盛り上げられるけど、細かい部分や「あれ? 失敗しちゃったな」というところは、他の人にフォローしていただくこともあって(笑)。そんなところもあってか、今回もエレナを見ていて、「あ、いいな」と思ってクラッシックギターを買い、今絶賛練習中です。うまくなるかもどうかも考えずに一生懸命に練習しています(笑)。

空見ゆき イメージありますね(笑)。たとえば「これどうかな?」という感じのメッセージをよく送ってくださるんですけど、「こうじゃないですか?」と返答したら「わかった! やってみる!」と即答なんです(笑)。口に出しておっしゃってることもあるし、文面でもよく見ます。何かそういうところがエレナっぽいですよね。行動的というか…。そのたびに“ふふっ”って笑っちゃいます(笑)。

橋爪紋佳 口癖なのかな? …“エレナ感”ですね(笑)。

――空見さんはどうでしょうか? ご自身ではしっかり者だと思いますか?

空見ゆき 私自身はしっかり者だとは思っていないですね。でも、イザベルも、実はあまりしっかりしているわけではないかもしれません。子供らしさはちゃんとあって、且つ頭がいいというか要領がいい女の子なんです。そういうところは似ているかもしれないですね。それと、ものづくりが好きで、絵を描いたり、発明をしたり、何かイベントがあるのであれば手作りをしたりするのが好きな子です。そういう創作意欲がある部分はすごく似ていると思います。

橋爪紋佳 私にエレナとイザベルの絵を描いてくれたんですよ。今も大事にしています。

劇中のワンシーン

劇中のワンシーン(c)Disney

――今回劇中の歌がラテン系というのは、ディズニー作品では珍しいなという感じもありますが、実際に歌ってみていかがでしたでしょう?

橋爪紋佳 そうですね、いろんなジャンルの音楽が出てくるのが、作品の魅力の一つです。ラテン系っぽいところもありながら、カッコいいロック調のものとか子守歌も出てきて、本当にいろんなジャンルの歌が楽しめる作品だと思います。歌わせていただく側として「大変なんじゃないか」とよく言われるのですが、私自身は毎回、「今回はどんな曲だろう?」と楽しみにしているんです。収録もすごく楽しく歌わせていただきました。

――もともと吹奏楽部で、さらにギターと、それ以外にも楽器が増えた?(笑)

橋爪紋佳 そうですね(笑)。もともとクラリネットとピアノをやっていたので、もう一つ、ギターをマスターしてエレナみたいに弾き語れるようになりたいですね(笑)。今年中を目標に頑張ります!(笑)

空見ゆき ガンバレ!(笑)

――空見さんはいかがでしょう?

空見ゆき 私も歌が好きで、まさかディズニー作品で歌えると思っていなかったので、ただひたすら嬉しかったです。収録の当日まで夢なんじゃないかって思っていました。この作品の魅力の一つが、いろんなジャンルの歌が出てくる点なんですが、橋爪さんの演じるエレナの歌声がドーン! と一つベースになっているので、ぜひ皆さんに聴いていただきたいですね。すごく伸び伸びしていて、聴いているこっちが嬉しくなってくるような感じです。

橋爪紋佳 その回その回のストーリーの中で、歌がきちんとそれぞれのキャラクター性を表現しています。特に、エレナとソフィアが共演するエピソードで、エレナが「皆のために頑張ろう」と歌う曲があるんです。そこにはエレナの情熱や、優しさがぎゅっと詰まっているので、この曲はぜひ聞いてほしいです。

空見ゆき この曲、すごくいいですよね。共演者の方々の間で「泣きました!」「ですよね!?」みたいな会話が繰り広げられていました(笑)。この回はソフィアが好きな人も、エレナが好きな人も、絶対に見ていただきたいですね。

――“神回”になっているわけですね。

空見ゆき はい、神回ですね。ちなみにイザベルも「ギターディオン」という楽器を弾きます。ギターとアコーディオンが一緒になった楽器なんです(笑)。これを発明して弾くんですけど、私はもともとピアノを弾いていて、小学校の音楽の発表会でアコーディオンを弾いたんですよ!そういうところも運命だなって思っています。

橋爪紋佳 そうなの? じゃあ一緒に演奏しよう!(笑)

空見ゆき アコーディオン、重くないですか?(笑)…ちょっと考えさせてください(笑)。

――そのセッション、楽しみですね(笑)。では最後に、4月から地上波での放送に向けて、改めて意気込みなどのメッセージをお願いいたします。

橋爪紋佳 「アバローのプリンセス エレナ」は、今アメリカですごく人気があって、果たして日本で同じように人気が出てくれるのかな?とすごくドキドキしています。今回の地上波での放送開始で、より多くの方に見ていただいて、日本でもたくさんの方に作品を愛していただけたらいいなと思います。

空見ゆき こんなに早く地上波で放送されるとは思わなかったので、すごく嬉しいですし、できるだけたくさんの方に見ていただきたいです。楽しんでいただいて、いっぱい愛していただける作品になってほしい!そうなるように、私たちももっと頑張っていきたいと思います!

(取材・撮影=桂 伸也)

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