活動再開の決意表明、175RのSHOGO
新譜でみせた変わらぬ“進化”
昨年6年ぶりに活動再開させたパンクロックバンドの175Rが、4月5日に、前作『JAPON』から7年ぶり、通算7枚目となるオリジナルアルバム『GET UP YOUTH!』をリリースする。フロントマンのSHOGOに実施したインタビューの前編では、活動休止から単身イギリスへ渡ったときのこと、ソロ活動から活動再開までの経緯を紹介した。後編では、新作『GET UP YOUTH!』に焦点を当てる。今作には、バンド結成当初のことを歌った「1999」や、亡き友人への想いが詰まった「シャナナ」などターニングポイントとなる事柄がテーマとなっている楽曲が収録されている。その中に込めたメッセージを語る一方で、一番こだわったのは“ジャケットの紙質”という意外性も。SHOGOならではの一風変わったこだわりが垣間見えた。
「結果を見せるしかない」と、その時は耐えた
――アルバム2曲目に収録されている「これから」は去年12月に先行して配信されましたが、この曲が最初にできた?
曲ができたのは最初ではないんですけど、歌録りの順番で言うと最初です。最初に録り始めた曲は歌詞が書けなくて。何曲か録っていていくなかで、これはスッと歌詞が書けました。急遽決めた事なんですが「この曲を先行で出しちゃおう」という事になって。歌詞が活動再開のメッセージになっていましたので。
――まさにバンドを続けていくという決意表明の楽曲ですよね。
そうですね。「活動再開します」といっても同窓会みたいになるのが嫌で、活動再開するのならしっかりとしたアルバムを作りたいという気持ちがありまして、その中で生まれた曲でもあります。とにかく新しいものを活動再開と共に見せていこうという事で、過去の古い曲と同時に最新のものも出したという気持ちが合わっています。
――ファンの反応はどうでしたか?
ありがたい事に喜んでくれました。デビュー、ブレイクした時期に青春パンクやメロコアと色々と言われたところから離れたいと思う事もありました。僕の中でも一周したんですよね。その中でもう一回、メロコアみたいなものも聴いたり、やりたいと思えてから作った曲です。
久しぶりに聴いたリスナーも、学生時代に聴いた方は社会人になっていたりもするし、ちょうど良いタイミングで。自分にハッパをかけたような歌詞が「また背中を押してくれた」という声もけっこう多かったので良かったと思っています。
――175Rは“青春パンク”というジャンルを作ったと言っても過言ではないかと思いますが、その“呪縛”のような事はありましたか?
ありがとうございます。“青春パンク”と呼び出したのはきっと、CD屋さんなどではキャッチコピーが必要だったり、そういった事でもあると思うんです。僕もCD屋で働いていた事があるので、ジャンルなど、お客さんが手に取りやすいようにするという事は理解できるんです。
でも「青春パンク=幼稚なもの」という風に、どこか斜に構えて見る人達も多かったんです。「青春って言われてもね」という人もいるじゃないですか? 僕は人生のテーマが「ハッピーライフ」だから、青春も凄く楽しかったし、それがずっと続いているような感じです。何かでまとめられるのが嫌で、そういうバンドと共演するのもどこか敬遠していた自分もいたりするんです。だから175Rは基本的にワンマンをやり続けていたという事もありました。
――今作は1曲目から13曲目まで一つのコンセプトを感じられます。ストーリー性があるというか、例えば「1999」は現在のバンドメンバーになってからの事を歌っていたりしますし、歴史的な部分も感じられるアルバムという印象を受けました。
そうですね。「1枚目」という言い方をしていますけど、とは言え経験値はだいぶあるので、それを振り返れるタイミングにきたのかなという気はしますね。
――「1999」の歌詞の<お前らなんかと貶され いつか見てろと拳握った>という部分がありますが、過去にそういった事はあったのでしょうか?
僕らが当初所属していたのは、北九州のライブハウスの事務所でしたが、北九州は色んなバンドが出ている土地です。しかも、ちょっと玄人(くろうと)受けするバンドが多いんですよ。先輩だとモーサム・トーンベンダーとか、もっと上だとナンバーガールもそうですね。
――玄人受けする渋い感じのバンドですね?
そうです。僕らの時もベースとドラムとキーボードという変わった編成のHi-5というバンドがいたり、SCHOOL GIRL’69というバンドがいました。当時僕らは同じシーンにいて、ライブハウス側はそういう「玄人受けするバンド」を好むわけなんです。
その事務所内で初めてリリースする時に打ち合わせをするんですけど、ライブハウス側の方が「お前らそんな売れるわけないんだから、真剣に打ち合わせしてるんじゃねえ」みたいな事を言ったんですよ。ふざけんなと思ってキレそうになったんですけど「結果を見せるしかない」と、その時は耐えました。
結果、オリコンインディーズチャート1位になって、僕らも事務所も「ウォー!」となって。その事務所には2004年まで所属していましたが、やっぱりその時に悔しいと思った事が…。僕しつこいのでずっと忘れないんですよ(笑)。
――反骨精神ですね。
その当時は、メロコアと言ってもブッキング担当の大人の人達にはきっと分からなかったし、「パンクと言えば鋲(びょう)が付いてて…」みたいな感じだったと思うんです。
――往年のスタイルですね。
そうです。「メロコアって何だよ」と馬鹿にしていた部分もあるだろうし、特に僕らは、その当時はジャンルで言ったらよく分からない感じで。メロコアバンドではないし、ただのロックでもないし、スカでもないし、というように僕自身でもよく分からないので。
――それこそ「175R」というジャンルですね。
そうなんですよ。英語で歌うしバラードも歌うし、というバンドだったので、「売れるわけないよ」と思われたりしたと思うんです。けど、やっぱりその時に全国の人達が買ってくれたおかげで今があります。そこは自分も自信を持ちたいと思っています。
――「1999」は曲と歌詞の合わさり具合が絶妙で、聴いていて「そうだったんだ」と思いました。それと、SHOGOさんの歌は歌詞を見なくてもすごく言葉が入ってくるんです。
それもよく言われるんです。ライブでも「聴き取りやすいボーカリストNo.1」と言われた事がありまして。だから間違えるとすぐバレるんですよ(笑)。
――ごまかしが効かないんですね(笑)。
分かんないかなと思って「ゴニョゴニョォ!」とか言ったり、いい加減な文章を当て込んだりするんですけど、バレちゃうんですよね。
――滑舌が良いのか声の抜けが良いのか、色んな要素がありそうですね。
声が変わっているんですよね。舞台でも「声がドーンと出てくるから抜ける」と言われます。
――声が埋もれないんでしょうね。
だから嫌いな人は本当に不快だと思います(笑)。好きか嫌いかどっちかでしょうね。だからTVで歌が流れると僕だとすぐ分かるらしいんです。
活動休止“あるある”
――今作の制作で苦労した事は?
あまりなかったですね。175Rとしては7年ぶりのアルバムなので、溜まりに溜まったものが出てきたので、以外に難産ではなかったかな…。レコーディングに至るまでのアレンジなどはakkin(※)にも凄く協力してもらったんです。歌詞で何曲か時間がかかったというのはありますが、以外とスッと書けましたね。(※編注=akkinは2008年に解散したバンド”ジェット機”でGt担当。数多くのバンドのアレンジ、プロデュースを手掛ける。ちなみに1st盤はSHOGOプロデュース)
――時間がかかった歌詞はどの曲でしょうか?
「Weakness」と「Restarted」ですかね。「Restarted」は最初に録った曲なんです。次に書いたのが「これから」だったので、そこから立て続けにポンポンと書いたんですけど、ずっとその曲だけ歌詞を書かずに歌わずにいました。ディレクターに「いつ歌うの?」と言われましたが「まだ歌詞は降ってこない」と言って。
――タイトルも違っていた?
楽曲は全部、仮タイトルでした。仮タイトルのままなのは「シャナナ」くらいです。
――「シャナナ」は亡くなったご友人のために書かれた曲なんですよね。
そうなんです。亡くなった方がけっこういるんです。続けて友人が亡くなったので…。
――お一人ではなく、複数の方々に向けて?
はい。それと、活動休止して“あるある”だなと思ったのが、「また観たいよ」と言ってくるんですよ。「いつやるの?」とか。
――活動されている時は言わないのに?
そうなんです(笑)。やっている時に来なかった奴も「観たいよ!」とか言うんですよ。これ、絶対“あるある”なんです。人は「観れない」となったら観たくなるんですね。だからもう言われる度に嫌になっちゃって。そんな事言われたらバンドやりたくないなとも思ったりして。でも、亡くなった友人の事を思うと、最後に会話したのはそういう事だったりするんです。
タイミングや運命もあると思うんですけど、それがずっと残っているから、バンドを再開する時にライブをやっても、その友人の事を思い出すし、それこそインディーズ1stシングルのジャケットを書いてくれた友人だったりするので、今作のジャケットにもこっそり入れたりしているんですよ。=GET UP YOUTHのジャケットに描かれた机の下のCDを指すSHOGO=
「シャナナ」は最後にできた曲で、作るという意味ではこれが一番難産でしたかね。最初、<シャナナ シャナナ>と歌っていてこのタイトルになったんですけど、タイトルにあまり意味が無い方がいいなと思いまして。
――槇原敬之さんの「遠く遠く」をカバーされていますが、この楽曲を選んだ理由は?
1stアルバムのイメージで作っているんですけど、自分たちのメジャー1stアルバム『Songs』には堺正章さんの「さらば恋人」をカバーしていたなと思って、急にカバーを入れたくなったんです。「カバーってどういう事」とも言われましたけど「理由なんてない。やりたい」という事で、勝手にアレンジしたものをスタッフに送って、収録する事になりました。
槇原敬之さんの「遠く遠く」を、リリースされた1992年によく聴いていたんです。東京の事を歌っている曲ですが、僕は「絶対に同窓会に行けないような男になってやる」と思っていました。「行きたいけど、仕事で無理」と“欠席”にマルを付ける自分を思い描いて、カラオケでよく歌っていました。もしかしたら今の若い子はこの曲を知らない可能性もあるので「こんな良い曲を書くバンドがいるんだ」と勘違いするんじゃないかと思って(笑)。
――私も最初、槇原さんの曲っぽいけどオリジナルかなと錯覚しました。それぐらい自分のものにしているなあと。
思いましたか(笑)。オリジナルと勘違いをして、それがきっかけになってもいいなとも思いました。でも今CMで槇原さんのが流れていて「あちゃあ!」と思ったんですけどね。どういったアレンジになっても良い曲は時代を超えても良いという思いがありましたので、今回は175Rの雰囲気でアレンジさせてもらいました。
――オリジナルと言っても過言ではないアレンジですね。SHOGOさんが歌うときっとそうなるんですね。
そう言って頂けると嬉しいですしね。これを歌う時は気持ち良いです。
ジャケットの紙質もチェックもします
――先ほど(前編で)お話された「知らないお客さんともカラオケで盛り上がる」という雰囲気は「歓びの詩」に凄く出ていると感じました。
昔からそうなんですよね。ちょっとお酒を飲んでカラオケがある店に行くと「皆、友達だ」みたいにね。気付いたら請求書が全部僕にきてるなんて事もあったり。“ワーっ”と歌ってたら相手がTVのプロデューサーで『ハモネプ』(編注=アカペラのコーラスにスポットを当てたTV番組企画)が決まったりとか。
――そういう事もあるのですね。
「面白いね! 歌めっちゃ上手いじゃん!」という感じで。そういう出会いがあったりするんです。
――そういった外で色んな方とコミュニケーションを取るのが得意?
もともと好きなんですよね。人との出会いがそういう所でも生きたりするので凄いですよね。
――「歓びの詩」はイントロからバグパイプの音だったので驚きました。
使った事の無い楽器を使いたくなったんです。この曲はもともとあった曲ではなく、アルバムの1曲目のために作った曲です。そういう時は普通のバンドサウンドとは違う音を使いたくなるんです。バグパイプ奏者を探して生演奏で録音してもらいました。
――今はPCを使ってあらゆる音色が表現できますが、あえて生楽器演奏でやるという事にこだわりがありますか?
ありますね。175Rに関しては、ライブでは同期(編注=主に生演奏と合わせて打ち込み音源を流すこと)も使ってないので。
――アルバムのサウンドが、全体的にアナログ感が出ているという印象があります。
基本的にはデジタル録音なんですけど、そう感じられたのはakkinのおかげもありますね。
――マスタリングも立ち会って曲間(編注=アルバムのトラック数が変わる間の無音部分の意)もSHOGOさんが調整されているとか。
そうですね。以外と曲間は何とも思っていないと思うんですけど、そこも僕がマスタリングの時に指定しているんです。今の時代で厳しいのは、iTunesなどでは1曲単位で購入されたりもするので、CDで聴いてもらいたいというのは昔からの思いですね。
あと、175Rと名の付くものに関しては、資料一つであってもチェックするんです。そうでないと、何かあった時に言われるのは僕らですし。だからしっかりやろうという気持ちでずっとバンドをやっています。でもそのぶん疲れるんですよ。
――全てに目を通すとなるとそうでしょうね…。投げ出したくなる時はありますか?
嫌になる時はありますね。でも、できた時の喜びがありますので。今作のジャケットはちょっと豪華なんですけど、その紙質のチェックもします。
――紙質にもこだわっているという事はぜひファンの方々にも知ってもらいたいですね。SHOGOさんはどのような環境で音源のチェックやリスニングされますか。
僕は車で音楽を聴くのが好きですね。自分の作品も車でチェックします。家だとヘッドホンなんですけどね。
――車で作曲もしたりしますか?
鼻歌で曲を作る時は、車に乗っている時が多いです。
――「Walk your way」は車で、鼻歌で作ったという雰囲気も感じます。出だしではスタジオでやりとりをしている音も入っていますね。
これはakkinが勝手にスマホで録音してたんです。それでチェックの段階で付けて送ってきたんです。「どうだった?」みたいな感じでニヤニヤしていましたね。厳しくメンバーを指導する僕の姿がちゃんと分かる感じですね(笑)。
――akkinさんも抜け目がないですね。今作で最も「ブレちゃいけないな」と、こだわった点は?
ジャケットかもしれないですね。音に関しては絶対にブレない自信がありますが、ジャケットは僕が書くわけにはいかないので、いかに自分の思いを伝えて具現化していくという事が重要です。7年ぶりのアルバムで、過去の175Rを知っている人が懐かしんで手に取るという事はあると思いますが、今のリスナーが初めて聴く1枚になるかもしれませんから。「ジャケ買い」という言葉があるくらい、ジャケットは全てを表す顔だと思うんです。
――寂しいことに今はちょっと「ジャケ買い」という風習が薄れている空気があるんですよね。
本当ですよね。iTunesでジャケットを見たら小さいですし。
――また、「ジャケ買い」が流行ってくれたら嬉しいんですけどね。それでは今作をレコーディングしてみて、メンバーに対して「変わったな」と思った点はありましたか?
良くも悪くもなかったかもしれないですね。ブランクの時期に駄目になっていると思いきや、意外とスタジオに入ったら距離や年月がスッと埋まりました。
先入観無しに感じる事が出来る『GET UP YOUTH!』
――4月8日には日比谷野外大音楽堂と15日には大阪城野外音楽堂で『175R 活動祭開!青き春の野音!』がおこなわれます。
そうですね。今回も復活の場所は野音かなという感じでした。最近はライブ会場問題と言うか、色々大変じゃないですか? 野音も、事務所が頑張って決めてくれて、発表して、今に至りますが、もしかしたらこれを聴いてくる皆はモッシュとかをしたい場所なのかなとも少し思いました。けど、野音は一つのお祭りみたいなものですし、春という事もありますから、野音にしかない独特な雰囲気を今回は楽しんでもらいたいなという気持ちです。
――そういった雰囲気でしっかりと音を楽しんで頂いて、モッシュとかはまた次の会場でと。
そうですね。次のタイミングのライブハウスでやれたらいいなと思っています。僕としても7年ぶりのワンマンライブという感じなので楽しみですけど、そのぶん大変ですね。
――不安な部分もありますか?
セットリストを今、考えて色々とやっているんですけど、皆勝手だから…(笑)。7年ぶりだからちょっと懐かしい曲もやりたいんですけど、その懐かしい曲が多過ぎるんですよ。
――SNSでファンの方にライブで聴きたい曲を聞いてましたよね。
そうなんです。マニアックな曲が多くなりすぎる不安もあって。あと、新しい試みとして、サポートの新ギタリストも入れるんです。
――ツインギターでアルバムの楽曲の再現ができるという訳ですね。
そうなんですよね。そういう新しい試みも含めて野音は楽しみにしています。
――来年は結成20周年ですが、一つの節目を迎えますね。来年は武道館公演も期待してしまいます。
リスクが高くて事務所が潰れちゃうんじゃないかという気もしますけどね(笑)。とにかく今作を売って、事務所に恩返しをしたいので、売れたいですね。「売れたい」と言う人、今あまりいなじゃないですか?
――そこまでストレートに言う方は確かに少ないですね。
心の中では思っているのに皆、隠すから。「イヤ、そういう風には思っていなくて…」とかカッコ良くインタビューで言うじゃないですか? そういう所を抜かれて記事の見出しになってたりして「ふざけんな!」とか思いますけどね(笑)。
――SHOGOさん的には、カッコ良い言葉の見出しでなくても構わない?
だいたい僕の場合、カッコ良い事が載ってないですもん(笑)。チェックしている時「あちゃあ!」と思います。「こんなことを喋ってる!」みたいなところが今日もいっぱいあるでしょうし。そんな事ばっかり喋るんですよ! 思いついたらその話をしちゃうから。
――それが面白かったりするんですけどね。
でも意外と文章になるとそれが伝わらなくなったりするんです。
――確かにこの空気感を文章で伝えるのは…。
「ピリつかないバンドNo.1」くらいなんですよ。本番ギリギリ前くらいまで友達が楽屋に遊びに来ますからね。「175Rの楽屋は落ち着くな〜」とか言って。
――家みたいにくつろいじゃうんですね(笑)。
そうなんです。去年の年末のフェスでも全然関係無い友達が楽屋にいたりしましたからね。そこも僕ららしいのかもしれないですけどね。
――そういう等身大のバンドって良いですよね。カッコ悪いところも見せていいのかなと思います。
本当にそうですよ。だいたい皆カッコ悪いんですから。でもカッコ良い所でメシを食べている人も居るからしょうがないですけど。
――最後に読者にメッセージをお願いします。
今まで175Rを聴いて来てくれた人達はもちろん、新しい世代のリスナーがどういうふうに175Rを聴いてくれるかというのが凄く楽しみなんです。
僕は80年代のバンドブームの頃のバンドが好きでよく聴いていました。そのリアルな世代の人は、よく「このバンドって1枚目がいいな」や「3枚目から変わったよね」とか「後期は聴いていない」という事をよく言いますよね。それで僕が、後にこの世界に入り、そのバンドの方と話す機会があって話を聞いたんですね。
その方からすると、そのバンドが始まった1枚目から解散の時のラストアルバムまで全部大事な楽曲たちじゃないですか? 僕はそのバンドをリアルタイムで聴いていなくて、途中から聴き始めているから、逆にリアル世代と比べると、初期も後期も全部聴けるんですよね。初期の良いところも後期の良いところも分かると言いますか。
僕らの場合もそうで、そういう意味においては新しいリスナーが今の僕らを聴いたら「途中から」になるんです。過去の青春パンクと言われた時代の僕らも、最新の『GET UP YOUTH!』も、それぞれに175Rの良さが詰まっているし、先入観なしに感じる事ができると思います。僕はそれを楽しみにしています。
(取材=村上順一/撮影=冨田味我)
作品情報
175R『GET UP YOUTH !』 4月5日発売 ▽初回限定盤(2CD) DISC 1.「GET UP YOUTH!」(全13曲収録) DISC 2.「175R(e) BEST」 (全6曲収録) ▽通常盤(1CD) |
ライブ情報
「175R 活動祭開!青き春の野音!」 会場:日比谷野外大音楽堂 日程:2017/4/8(土) 時間:OPEN 17:15/START 18:00 会場:大阪城野外音楽堂 |