Zeebra、ヒップホップラジオ開局「今
、勝負を賭けないと…」

ヒップホップラジオのオープニングセレモニーに出席したZeebraや各番組のパーソナリティら

 ヒップホップ・アーティストのZeebraが23日、都内でおこなわれた、ヒップホップ専門のインターネットラジオ・チャンネル『WREP』のオープニングセレモニーに出席した。Zeebraは同チャンネルの局長に就任。長年の構想だったというこのプロジェクトを、満を持して立ち上げた理由を「インターネット普及と昨今のラップブーム。このタイミングで勝負を賭けないと一生できないんじゃないかと思った」と明かした。

 このラジオチャンネルは、Zeebraが長年思い続けていたという<日本にヒップホップ専門ラジオ曲を>という夢に、日本のクラブ文化を黎明から支えてきた村田大造氏(グローバル・ハ―ツ代表取締役)が賛同し、開局に至った。両者はパートナーシップを組み、東京・渋谷のstudio mission内に公開収録可能な本格ラジオスタジオをオープン。局はそこを拠点に、4月1日から正式に開局となる予定だ。

 この日のセレモニーでは、このラジオの局長に就任したZeebraが「日本初のヒップホップ専門ラジオ局です。10年、20年、長年構想してきたことがついに形になります。自分としても心臓のドキドキが止まりません」と挨拶。村田氏は「日本の音楽シーンをより世界標準に持っていくきっかけになれば」と述べた。

 さらにZeebraは「普通にプレゼンしても面白くないので」と前置きして、ラジオ局の説明をラップで披露。以下は前半部分。

<『WREP、これで生まれ変わるジャパニーズシーン>
<日本のラジオは全てバラエティ>
<専門局など1つもないし、2年や3年で流行りも廃り>

<ジャンルの成熟かなり難しい>
<この曲好き、でも次のは嫌い>
<残念、それじゃずっとは聴けない>

<だけどWREPは常にかけっぱ>
<最新ヒップホップならここcheck it out』>

AK-69

 Zeebraによるラップが終わると、ラジオ局のパーソナリティを代表して、AK-69が以下の通りに想いを述べた。

 「このヒップホップ専門チャンネルには、今までありそうでなかった日本のヒップホップのユニティを感じます。凄い面白いプロジェクト。日本のヒップホップの歴史で、東京や地方のシーンが取り沙汰される事があっても1つになることはなかった。フリースタイルで活躍する若いラッパーも、地方のラッパーも、今話題のラッパーも、シンガーもいる。でも日本のヒップホップや、R&Bシーンから出て来たメンツが一同に会するというのは、事件なんじゃないですかね。自分も一端を担える様に頑張りたいと思います」

 この日は各番組のパーソナリティもそれぞれ挨拶した。登壇したのは、AK-69、DJ TY-KOH、JASMINE、LEON a.k.a. 獅子、Lick-G、TKda黒ぶち、KEN THE 390、DABO、KEITA、UNO、LUNA、Jinmenusagi、CREAM、CHOZEN LEE、DJ RYOW、S7ICKCHICKs、ISH-ONE、MC正社員、EGO、高木完、LETYら。ヒップホップ、レゲエ、R&B、ダンサーなどヒップホップ周辺からもパーソナリティが抜擢されているのが特徴だ。

ヒップホップラジオのオープニングセレモニーに出席したZeebraと村田氏

 イベント終了後、Zeebraは、村田氏と共に囲み取材に応じた。『WREP』という名前の由来については「REPはRepresentの略です。代表という意味で、自分たちのできる事を見せていくということです。その前についている“W”は、アメリカのラジオでよくWが付くから。LAの方に行くと“K”が付いたりするんですけど。お決まりの文句なので、それを付けてみようかなと」と解説した。

 長年の構想が結実した経緯については「インターネットと普及と、昨今のラップブームです。このタイミングで勝負を賭けないと、一生できないんじゃないかと思いました」と話した。また、村田氏とのパートナーシップについては「風営法の改正で、よくご一緒していて、『何かやろうよ』という話になったから」と説明。

 今の日本の音楽シーンについては「今は世界基準のアーティストが沢山いると思います。でも80年代、90年代はアジアの中でも音楽全般において日本がリードしていたと思うんです。でも今は大きな資本があるという事で中国や韓国が盛り上がっている。日本がある意味ちょっと置いていかれるところもあります。もともと1番ポテンシャルのある国だと思うので、歴史もあるわけですから。僕の先輩や10代の若いラッパー達を繋げていくことで、ただのブームではなく、強固なカルチャーとして根付かせたい」とした。

 また、日米のラジオ聴取の違いについて「欧米ではとりあえず家に帰ったら、車に乗ったら付けるんです。自分の聴くチャンネルは決まっていて。そういう『かけっぱなし文化』になっていけばいい。動画よりもラジオの方がそれができるし、今は色んなことを一度にやる人が多いので、時代に適しているんじゃないか」とした。

 インターネットラジオを選択した理由は、FM電波の半分の帯域を米軍が持っていることを説明し、「これを変えるのは安保問題にまでつながってしまうので、風営法を変えるよりもつらい。だから日本はラジオよりもインターネットを活用した方がよい」と持論を展開した。(取材・撮影=小池直也)

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