モト ゴー 2017年秋冬コレクション
- 眠りと学校と遊び、懐かしい少年時
代の日常が浮かび上がる

2017年1月にミラノでもショーを開催したモト ゴー。昔から東京ファッションに憧れていたというデザイナーが披露したのは、日本あるいは世界各国の、ある少年のドキュメンタリーだ。

上裸にピンクのショーツという衝撃的なルックで幕を開けたコレクションは、儚いノスタルジックな雰囲気に包まれていた。パジャマを彷彿とさせるピンクやパープルのストライプコットン、背中に背負ったフリル付クッション、トップスとしてスタイリングされたブランケットなどは、子どもの眠りのイメージだろうか。

そして、学ランをベースにしたセットアップ、小学生の制帽のような帽子、ジャケットのポケット横に差し込まれた鉛筆、割烹着のように袖口や裾を絞ったリボン、子供が描いたようなイラストの装飾など、あらゆるディテールに、少年時代の記憶を映した要素が繰り返された。

素材には、コットンのほか、フェルトやコーデュロイ、ウールなど、柔らかな空気感のものを採用。それらをパステルカラーやファンシーな色合いでカラフルに彩った。パターンは、肩を落としたゆるいシルエットと、制服のようにかっちりとしたシルエットのものが登場し、遊びと学校、2つのシーンを生きる少年の日常を浮かび上がらせた。

また、コットンのシャツワンピースにシルエットが同じスカートをまるで1着の服のように重ねたり、ロングシャツの半身に透ける素材を重ね付けしたりする、レイヤードを活かしたデザインも今季の特徴だろう。異素材を重層的に構成していくことによって、一見するとファンキーなワードローブが、完成度の高い独創的なファッションへと昇華されていく。

ヴィンテージの要素が昔から大好きだというデザイナーは、過ぎ去った時代の少年たちにとっての日常を、現代人にとっても魅力的に感じられる姿に描き直して見せた。

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