【インタビュー】乃木坂46「初期の頃
はなぜ自分が選抜にいるのかわからな
い葛藤があって辛かった」 苦悩を乗
り越えた先に見えた存在意義

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■自分が求められている役割とは…これまでの苦悩や葛藤を赤裸々告白

――新曲「インフルエンサー」はいろんな意味で新たスタートとなるシングル。それにふさわしく選抜メンバーも21名と最多ですね。
中田 しかもダンスナンバーなので全員で踊ると迫力満点なんですよ。
新内 振りもフォーメーションも違うから21名いないと成立しない。この人数だからこそできるパフォーマンスになっていると思います。でも、やっぱり多い!っていうのは感じていて、(中田)花奈ちゃんと私は立ち位置が3列目の大端だから、スタジオで歌うとマジで機材にぶつかる(笑)。振り自体もこれまでの曲の中で一番というくらい早くて難しいから、生放送の歌番組がめっちゃ不安です。
井上 そこは課題だよね。しかも3列目って、前の人が振りを間違えるとつられて間違える可能性が高いんです。あとフォーメーションとかも前がズレたらそれに合わせていかなきゃいけないので臨機応変な対応を求められる。
新内 ズレた分の空間を埋めるために微調整する必要があるんですよ。
中田 そこは常に計算しています。というのも前列は表立って映るというプレッシャーがあると思うから、フォーメーションの部分は後列のメンバーでカバーできたらいいなと。そういう支え合いがあるからこそのグループだと思うんですよ。

――そこはいろんなポジションを経験している3人だからできることですよね。
新内 いろんなポジションをできるのは楽しいし、違う立ち位置からお客さんを見られるのは貴重なこと。特に卒業生のポジションに入ると、“こんな景色が見えていたんだ!”って学ぶことが多いんですよ。

――それでも、やっぱり前列に行きたいって葛藤はないですか。
井上 下に行きたいとは思わないけど(笑)、今の自分の役割もすごく大事だってわかっているので向上心は持ちつつ、現状も大切にしつつっていう気持ちです。私の場合、逆に初期の頃はなぜ自分が選抜にいるのかわからない葛藤があって辛かった。でも一度、選抜落ちしたことで自分が何を求められているのかがわかってきて、今は楽しく自分らしく対応できるようになったんですよ。
中田 私は基本、ネガティブなので(笑)、選抜入りできなかったときは自分のダメなところばかり見てしまって。でも私たちにはフォローをしてくれるファンの方たちがいて、それが支えになっているから自分がどこに立とうと頑張ろうって思えるようになりました。
新内 私は正直、選抜に入れなかった時期はどうせ何をやってもダメ、頑張ったところで報われる確率は低いって思っていて、でもリハもラジオも取材も、とりあえず目の前にあるものすべてを真摯に全力でやり切ろうって決めてやっていたら、前作のシングルで1年ぶりに選抜に戻ることができた。そのとき、見てくれている人はいる、自分の意識を切り替えることで視野も結果も変わるんだって実感できたんですね。だから、今はどんな状況でも丁寧にやることで道は開けると信じている。そう思えることで葛藤よりも楽しさの方が大きくなった気がします。

■結成5周年で見えたお互いの成長 自分にとっての“インフルエンサー”とは?

――3人ともめちゃくちゃ説得力があって大人ですね。乃木坂46自体も結成5周年を迎え、6年目に入りましたがお互いの成長は感じる?
新内 (ふたりを見て)みんな大人になったよねぇ。見た目も中身も。
井上 確かに!ひとりひとりがプロ意識を持って、セルフプロデュースもすごくうまくなったなって思う。
中田 出るところと引くところのメリハリをみんながしっかりと考えられるようになった。あと初期の頃は落ち込むとその空気を外に出していたけど、今はいい意味で出さない。セルフコントロールができるようになったし、私自身もめっちゃメンタルが強くなった。昔はバラエティとかでいじられると凹んでいたけど最近は“いじられしろ”ができて、何を言われても大丈夫になりました(笑)。

――頼もしい(笑)。「インフルエンサー」のMUSIC VIDEOを観ていても歌声やパフォーマンスから成長を感じるというか。5年間、積み重ねてきた貫禄を感じました。
新内 そこは貫禄というより練習量の違い?この曲はリアルにいつもの10倍は練習して時間もかかっていますから(笑)。
中田 でもその分、達成感があって。この曲に懸ける想いも強いよね。

――ちなみに「インフルエンサー」は影響を与えるという意味がありますが、それぞれもっとも自分に影響を与えてくれた人物を挙げるなら誰?
井上 星野源さん!
中田・新内 出たー!(笑)。

――大ファンですもんね(笑)。
井上 インディーズの頃からずっと大好きで、すごく勇気をもらえるんですよ。
新内 私はその年代によって影響された人が変わりますね。幼少期なら祖父母だし、学生時代は恩師で、今もいろんな人から影響を受けている。それって後からわかったりするんだけど、自分が必要な時期に必要な人と出会うんだろうなって思っています。
中田 私は本当に尊敬しているのは柏木由紀さん(AKB48NGT48)。ダンスもうまいし歌声も癒される歌い方をしていて、自分の中のアイドル像がハッキリしているところが素晴らしい。これまでいろんな推しメンがいたけど、今、自分がアイドルをやっていて一番、影響もらったのは柏木さんで間違いないです!

文/若松正子

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