浅利陽介が飯島直子のヒモ男に!? ノ
ンストップ・コメディー舞台『COAST
ER2017』大阪取材会の模様をお届け!



「ミステリーを笑いで覆った物語。一筋縄ではいかないキャラ揃いです!」ーーこれまで5公演を終えられて、各地の反応は?

果たしてこの作品の面白さが皆様に伝わるのか不安でしょうがなかったんですけど(笑)、水戸公演で初めて稽古したものをお見せしてお客さんたちがウケてくれたので、そこでちょっと自信が付きました。でもその後は会場によって反応も様々で、仙台公演ではちょっと自信を失いかけましたね(笑)。物語の本筋以外にも複数の伏線があるので、場合によっては話の筋を追いきれなくなる人もいたのかな~と。でもとりあえずカーテンコールでは客席に笑顔が見えたので良かったです。喜んでもらえてたのかなと。とはいえ、公演が終わる度に共演者の皆さんとは、あそこがどうでここがどうだったとかお話して。最終的には、互いの傷をなめ合いながら「次の公演も積極的に行こうね!」とポジティブに一致団結してやっております(笑)。

浅利陽介

ーー何回やっても正解がないとか、コメディならではのドキドキ感が伝わってきます。

あえてアドリブっぽく崩すところもあって、途中でミュージカルシーンとかも出てくるので。そこから本筋に戻せるように、結構切り替えは激しくやっています。ひとりが狂うと全員が引きずられるカンパニーなので。上演時間も1時間半と短いですしスタートしたら止まらない。お客さんにも「ちゃんと付いて来てね!」という意識のもと、全員でやろうという話はしています。

浅利陽介

ーー観客としては、謎解きのような面白さがあるのでしょうか。

大泥棒は明確に西村雅彦さんだとお客さんには最初から分かる設定です(笑)。ただ、その大泥棒を捕まえるために僕とMEGUMIさんがバーに彼を誘い込んで…というお話で、そこから彼が犯人だとどうやって証明していくのか。伏線として僕が犯人だと疑われたり、登場人物たちの間にもいろいろな関係性が描かれます。しっかりとしたミステリーの部分を笑いで覆ってブレさせている感じですね。

浅利陽介

ーー登場人物たちも、どこか疑われるような感じなんですね。

全員が一筋縄ではいかないキャラクターです。なので、好きなキャラクターや俳優さんを重点的に見ていくと、面白いかもしれません。台詞をしゃべっていない間もアイコンタクトとか、意味深なリアクションをそれぞれが細かくとっているので。デビ(デビット伊東)さんは刑事、雁(龍太郎)さんは帰国子女、本多(力)さんは一見不思議ちゃんキャラみたいな顔してますが、正当派なお芝居をされますね、間の取り方とかめっちゃ上手いですし。飯島(直子)さんは壁一面にフェルメールなどの絵画が飾られた舞台となるバーのオーナー。わりと乙女というか、誰に対して”もてなす”というのが流儀なのでやさしいですね。僕はそんなオーナーのヒモ役です。ヒモっぽいな~と思って見てもらえれば(笑)。あと、冒頭で西村さんが見えない敵と戦っている姿は、最高に面白い。あそこでいつも当時のお客様の空気感が分かります。

浅利陽介

ーー見えない敵、ですか?

大泥棒がバーに盗みに入るんですが、店内が真っ暗なので、そこで”何か”と戦っているんです。段差でつまずいたのを見えない敵のせいにしたり、下手くそな側転で(敵を)かわしたり。重々しい感じのオープニングとの落差が最高に面白い。長さやネタも日替わりで、そこは西村先輩のさじ加減ですかね。お客さんたちの空気も柔らかくなるので、僕らも出やすいんですよね。逆にそこでシーンとしていると「今日ヤバいな」ってなります(笑)。

浅利陽介

「マーガリンについて熱く語る場面が、個人的な見せ場です(笑)!」ーー共演者としての西村雅彦さんはいかがですか。

何てことのない台詞で笑いをとれるのは、スゴいですよね。カッコいいなと思って、西村さんにも「顔は二枚目じゃないのに、二枚目に見える瞬間があるんですよね」って伝えて、次の日にめっちゃ反省しました(笑)。あと、本番中に「哀川ちょう」というサンドウィッチマンさんのネタを入れてくるんです。毎回どのタイミングでそのネタが出てくるのか分からないので、そこは「絶対笑わずに進める」。自分の中では闘いです(笑)。真面目にやろうと思えばできる場面で笑いを挟んでくるところとか、独特の空気感にもって行くのが良いですよね。真似してできることではないと思います。

浅利陽介

ーー本当に公演ごとに、細かく変わるんですね。

変わりますね、僕は台詞にその土地の方言を取り入れることも多いですし。せっかく色んなところを回るので、和んでもらえることがしたいなと思って。水戸、仙台、秋田、岩手と来て、秋田が一番訛ってました。岩手がわりと分かるんですよね。大阪弁もすでにリサーチ済みです。むしろ毎公演そこに比重を置いています(笑)。

浅利陽介

ーーやはりミュージカルシーンは見所のひとつに?

面白い場面なんですけど、中身が何もない。とにかくパワーで押し切る!という感じで(笑)。西村さんも仰っていますが「何てバカなことをやってる人たちがいるんだろう、でもスゴく力強いな」とか。そういうのが伝わって「明日もがんばろう」と思って貰えたらいいのかなと。僕もミュージカル俳優さながらに全力で歌い踊ってます。あと個人的にはマーガリンにつていアツく語る場面があるので、そこが見せ場ですね(笑)。

浅利陽介

ーー映像でもご活躍ですが、舞台ならではの魅力とは。

この舞台に関して言えば「笑い」です。笑いで楽しんでもらって乗りにのって行けるのは、ライブの醍醐味ですね。スタジオで撮影とかしていると、意外と視聴者の存在に気づけない。誰が見てくれているんだろうって。それがロケや舞台では視聴者や観客から「観てますよ」と反応をいただけるので嬉しいですね。

浅利陽介

ーー全国を細かく巡るのも、西村さんの思い入れがあってのことだと思います。

大阪、名古屋、仙台までは他のカンパニーでも巡ると思うのですが、例えば、上田市(長野)、南魚沼市(新潟)とか普段中々お芝居を見る機会が少ない土地でやると、お客さんはもちろん、僕らも新鮮に感じることが多いんですよね。上演中はシーンとして見てるけど、最後は大きな拍手で迎えてくれたり。こんな見方もあるんだなとか。西村さんもそういう部分が楽しいんだと思います。あとは、地元の料理で力を付けて、また次の公演に挑めるというのも嬉しいこと。僕としては、そこまで肩肘張ってはいませんが、いろんな土地でいろんなお客さんの反応を得て自分の経験値にしたい、武者修行のような感じです。大阪公演も楽しみにしていて欲しいですね。もちろん、大阪のお客様にも笑っていただきたいという意気込みで行きますけど……、どうかな~(笑)。

とっても陽気な浅利陽介さんでした!

取材・文・撮影:石橋法子

公演情報Doris&Orega​+水戸芸術館PRESENTS『COASTER2017』◆原案:金子茂樹
◆脚本:桜川康和
◆演出:大江祥彦
◆出演:西村雅彦、浅利陽介、MEGUMI、本多力(ヨーロッパ企画)、鴈龍太郎、デビット伊東、飯島直子
◆公式HP:http://www.coaster2017.jp/
◆公式ツイッター: @coaster2017
<水戸公演>
2017年2月18日(土)・19日(日)※終了
水戸芸術館ACM劇場
<秋田公演>
2017年2月26日(日)14:00※終了
秋田市文化会館 大ホール
<岩手公演>
2017年2月27日(月)19:00※終了
北上市文化交流センター さくらホール 大ホール
<長野公演>
2017年3月10日(金)18:30※終了
サントミューゼ上田市交流文化芸術センター 大ホール
<金沢公演>
2017年3月11日(土)17:30※終了
北國新聞赤羽ホール
<静岡公演>
2017年3月14日(火)
磐田市民文化会館
<南魚沼公演>
2017年3月16日(木)
南魚沼市民会館 大ホール
<新潟公演>
2017年3月17日(金)
新潟テルサ
<愛知公演>
2017年3月20日(月・祝)
安城市民会館 サルビアホール
<岡山公演>
2017年3月23日(木)
岡山市民会館
<大阪公演>
2017年3月24日(金)19:00開演、3月25日(土)14:00開演
サンケイホールブリーゼ
全席指定 7,500円
<山口公演>
2017年3月26日(日)
周南市文化会館
<東京公演>
2017年3月30日(木)~4月9日(日)
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
全席指定7,800円、U-25/4,000円

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