元宝塚トップスター大空ゆうひが圧巻
のライブパフォーマンスで名曲を熱唱

開演前から観客も予期せぬ洒落た演出で公演はスタートした。開演5分前から場内アナウンスを兼ねた架空のラジオ番組が始まり観客は耳を傾ける。そこではBRAHMANのTOSHI-LOWが司会を務める番組にゲストとして大空が招かれたという内容だ。朗読劇「LOVE LETTERS」で二度もコンビを組んだ二人の息の合ったやり取りで番組は進み、その中でライブ上演中の携帯オフを促す案内やライブグッズの紹介、バンドメンバーの人柄がわかるエピソードなどをパロディ仕立てで盛り込んでいる。ラジオ番組の終盤には実際のステージにバンドメンバーが姿を見せ、1曲目の準備に入っていき、そこへラジオ番組を飛び出してきた大空がステージに駆けつけ1曲目がはじまるという趣意である。



1曲目の「Street walkin woman」は日本でも知られたジャズシンガー、マリーナ・ショウのパンチのあるアップテンポの曲で、大空ならではの格好良さが最大限に発揮される。それ以降も、シャンソンやブルースなど各曲ごとのジャンルの振り幅が実に広く、バンマスを務めるDr.kyOnのアレンジ力や構成力にも驚かされる。
伝説のバンド、BO GUMBOSでの活動を経て現在も様々なミュージシャンを手掛けるDr.kyOnが大空の描く世界観を見事に具現化していると言っていいだろう。今回はキーボード・ギター・バンドマスターとして参加しているが要所でのコーラスも聞きごたえ充分だ。他にも、ドラム・小関純匡、ギター・石井マサユキ、ベース・tatsuといった、実力と実績を兼ね備えた強力なバンドメンバーが大空を後方から支えている。

セットリストの中で突出した盛り上がりをみせたのは、近年の宝塚ファンなら誰もが知っていると言っても過言ではない「アパショナード」。宝塚時代の大空を彷彿とさせるナンバーにファンの興奮は沸点に達する。かと思えば、日本でもよく知られる中島みゆきの「糸」、安藤裕子の「のうぜんかつら」、世界的名曲「愛の賛歌」などを、女優としてキャリアを積み重ねてきた大空が、歌唱の域を超えた表現力で歌いあげ、観客の涙を誘い、会場の空気を一変させる。単なるライブではなく「ライブシアター Rhythmic walk」と銘打っているのには、こうした演劇的表現も取り入れたパフォーマンスを観客に提供したいということの表れなのだろう。

アンコールも含め、見どころ満載のライブを披露した大空だが、つい先月には芸名を大空祐飛から大空ゆうひへと変更したばかり。大空ゆうひとなり、更にバージョンアップを遂げたライブはまさに必見のステージだ。

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