『Crazy Monsters』最新シリーズ開催
直前、MSTR(Crack6)×森若香織(G
O-BANG'S)対談


MSTR:『Crazy Monsters』には、いろんなタイプのヴィジュアル系バンドたちが参加しています。どのバンドも、“自分達のセンスで今はこういう音楽性を”と、つねに新しい挑戦をし続けているメンバーたちばかりですね。出演バンドも90年代くらいにシーンへ踊り出てきた人たちも多い。面白いのが、その当時のシーンは、デビュー前はともかくデビューしてバンドの規模が大きくなって忙しいのか、ほとんど他のアーティスト同士交流が少なくて同じ雑誌に載っていても、存在は知っているけど直接話す機会がなかったんです。

森若:あー、隣のページによく載ってるのにお会いしたことがないというパターン……。

MSTR:そうなんです。当然、バンド名どころかメンバーの名前も知っていれば、テレビやラジオを通して何となく楽曲や音楽性も互いに知ってるんですけど、直接しゃべったことがない。『Crazy Monsters』の始まりは、“そういうバンドたちを集めてイベントをやってみよう”というところから始まりました。それを一度やったら、みんなから“またやりたい”という声が上がり、そのうち同じような環境にいた仲間たちも加わりだし、何時しかイベント自体が大きく膨れ上がっていった。それが『Crazy Monsters』の成り立ちなんです。

森若:へぇー、そうなんだ。

MSTR:今回、なぜ森若さんだったかというと。『Crazy Monsters』の出演バンドの人たちの間から“自分たちが影響を受けたアーティストの方々とコラボはどうかな?”という声が上がりだしたんです。そこで、まず昨年春に行なった『Crazy Monsters ~春の祭典 2016』にはDEAD ENDのMORRIEさんに出演していただき、昨年秋に開催した『Crazy Monsters~HALLOWEEN PARTY~』には、元すかんちのROLLYさんに参加していただきました。そして今回のコラボレートしたいミュージシャン第三弾として、GO-BANG'Sの森若さんにお声がけした次第なんです。

森若:その流れ嬉しいなぁ、さっきのお話を聴いてて“すごくわかるな”と思いました。というのも、最初こそ誰もが“こういうジャンルやスタイルを”とこだわりを持って活動を始めたのかも知れないけど、長く音楽活動を演り続けている人たちって、ジャンルに関係なく何時しか自然と仲良くなっていくんです。GO-BANG'Sも、昔はSHOW-YAさんの主催する『NAONのYAON』に誘われることはなかったけど、この間、誘われてイベントに出演したり。長く活動を続けていくと、何時しかジャンルに縛られることなく同じ価値観を共有し出すんですね。しかも世代が一緒だから、もともと聴いてた音楽が一緒だったりもするように、尚更そこの垣根は自然と失くなっていくんです。

MSTR:それ、よくわかります。

森若:デビューしたての頃は、“私はこれをやるんだ”“俺はこれをやるんだ”という意識で始まるけど。活動を続けていく中、次第に音楽活動を辞める人たちも増えていく。それでも続けている人たちって、何時しか自然と意識が合うようになれば、話をしててもすっごく盛り上がるんですね。さっき出たROLLYも同じ世代のように、お互いの活動をカバーしあったり。自然と、そういう関係になっていくんです。

MSTR:まさに、今の自分たちがその状態です。気づいたらまわりにも、同じ意識を共有しているアーティストが増えましたよね。こういった先輩アーティストの方々とセッション企画をすると、自分たちの教科書にはないというか、セオリーになかったものをリハーサルの時点から感じれたりするんです。音楽って、そういうことも含めすごいなと思いますし、そういう本番以外にも刺激を受けるというか。

森若:そうなんだよね。音楽を続けていくことで、とてもシンプルなものが見えてくる。結局、ジャンルは関係ないんだなというのは、長くやり続けていくほどわかってきたこと。GO-BANG'Sって、いろんなジャンルの人たちと一緒に対バンをしてきたけど、何処のイベントに出ても浮いてたんで尚更ね(笑)。

MSTR:音楽性もアプローチもはっきりしてるけど、前例のないバンドだから交わりやすい状態ではなかったような!?

森若:そう。テレビに出て歌謡曲系のバンドとやっても浮くし、ガールズボーカリストたちの中に混じっても浮く。それでも孤立するんじゃなく、緩~くいろんな人たちと仲良くしてきました。

MSTR:本人たちは孤立しているわけではないけど、たまたま他のバンドさんたちとはノリが違ってたと。

森若:そうなんです。孤立してくんじゃなくて、みんなと緩~く仲良くし続けながらそのままズーッと活動をしていくと、一緒に活動し続けてきた人たちの間でものすごく共感しあうんです。

MSTR:それこそが大事ですからね。

“GO-BANG'Sに取って変わるアーティストが他にいる!?”と言ったら、いないんですよ。(MSTR)
MSTR:僕が言うのもなんですけど、“これはもうGO-BANG'Sだね”というスタイルを森若さんは持ってらっしゃるじゃないですか。“GO-BANG'Sに取って変わるアーティストが他にいる!?”と言ったら、いないんですよ。

森若:昔からそうなんですよね。どんどんGO-BANG'Sっぽいバンドが出てくるかと思ってたら、“あれっ、誰も出てこない”みたいな。それだけ個性が強烈だったんでしょうね。自分たちではよくわかんなかったんですけど。

MSTR:これは何となくの僕のイメージになるんですけど、森若さんの当時のビジュアルの印象ってベティブープみたいな感じなんですよ。可愛いけどセクシーみたいな、セクシーなんだけど可愛いみたいな。かと言って変なエロさを出してるわけじゃないんです。50'Sや60'S風のファッションや雰囲気があったり。それがいいなぁと思って見てました。

森若:当時はコスプレという言葉がなかっただけで、私たちコスプレイヤーだったんです。ベティブープや(リボンの騎士の)サファイアなど、いろんな人たちの衣装を作っては着ていたように、音楽ヲタクでコスプレという先取りみたいなことをやってました。

MSTR:そこで“女性らしいな”と思ったのが、確か…3人とも同じ方向性のウィッグをつけたり、衣装だったりしていませんでした? まるでファッション誌から抜け出してきたように、3人とも同じウィッグで50'Sっぽい恰好やパンキッシュなスタイルでロックを演る。そういう意味でも、かなりビジュアルショックしていましたよね。

森若:好きなものがみんなはっきりしてた。だからと言って“これでなきゃ駄目だ”じゃなくて、そこはけっこうミーハーで、“あれも可愛い、これも可愛い”という感じで身につけてましたね。

MSTR:みんなミニスカート姿の頃もありましたよね。

森若:60年代のガールズガレージバンドみたいな。GO-BANG'Sの最初の頃は、そういうイメージでしたからね。

MSTR:当時から他のアーティストにはない、GO-BANG'Sでしかできない革新的なことをやってらっしゃるのは、テレビや雑誌を通してよく伝わってきました。

森若:まさに、違った意味でヴィジュアル系というね(笑)。私も、これまでいろんな人たちとコレボレーションしてきました。今回は予想していたのとはまったく違うところからお話をいただいた形ではあったんですけど、今回のお誘いがとても嬉しいんです。だから、“これはぜひ!!”と思って参加の返事をさせていただきました。

MSTR:『Crazy Monsters』に参加しているバンドは、比較的“歌もの”というか、たとえバックが激しい演奏でも、歌がしっかりメロディーがあるバンドが多いんですよね。そういった面でも、GO-BANG'Sさんはまさにポップな歌ものの象徴ですからね、楽しみです。

森若:歌ものって、じつは作るのが難しいじゃないですか。だから私は、歌ものを作る人たちはすごいなと思ってる。
今だったらダンスミュージックやラップのように、サビがなかったりする音楽もお洒落として受け止められてるじゃない。昔は、前衛的な音楽のほうが頭の良い人たちの音楽だから恰好いいみたいな風潮があったんですけど。でも私はポップスを作りたかったし、そこにこだわったのはポップスを作るほうが俄然難しかったからなんです。そういうことへ挑戦していくのが何よりも楽しかったですし……。

MSTR:今回せっかく『Crazy Monsters』へ参加していただけることになったので、森若さんとも音楽で会話をしたいかなと。

森若:一緒にやるのならどっちかに寄るんじゃなくて、互いの中間を取りながらやれたら面白いかも知れない。

MSTR:GO-BANG'Sさんの「あいにきて I・NEED・YOU!」を、森若さんと『Crazy Monsters』のメンバーたちでやるのも面白いかも知れない。「あいにきて I・NEED・YOU!」が最強だなって思う一つの要因は、初めてこの曲を聴いた人でも、すぐにサビの歌を覚え一緒に楽しめることかなと思います。そのインパクトにはそうとうなものがありますからね。

森若:「あいにきて I・NEED・YOU!」のヴィジュアル系バージョン!! それどんな風になるのか面白そう!! お互いの楽曲をマッシュアップするのも面白いかも!!

MSTR:それと、森若さんがこのイベント当日どんな恰好で登場するのかも興味あります(笑)。

森若:GO-BANG'Sのときから七変化のようにいろんな恰好をしていたからね(笑)。

私がPENICILLINの「ロマンス」を歌うのも有りかしら!?(森若)
そりゃあ、森若さんがお望みなら……(笑)。(MSTR)MSTR:実際に何をやるのかは、『Crazy Monsters』の出演バンドにも聴いてみますが、GO-BANG'Sさんの歌った「あいにきて I・NEED・YOU!」に強烈な破壊力があるのは確かだと思うんですよね。我々『Crazy Monsters』チームと森若さんとの異種格闘技戦になるのかわかんないですけど、まずはそれをこちら側のチームに提案してみますね。

森若:他のみなさんとも、コラボステージはやってきてるんですか?

MSTR:MORRIEさんは自分の世界観をしっかり描きあげていく形でしたが、ROLLYさんもそうでしたが、互いの楽曲のコラボレートもやりました。森若さんにも自由にやっていただけたらと思ってます。

森若:じゃあ、私がPENICILLINの「ロマンス」を歌うのも有りかしら!?

MSTR:そりゃあ、森若さんがお望みなら……(笑)。

森若:歌いたーい!! やっぱし、一緒にコラボレートするなら、誰もが知ってる曲のほうが見てる人たちも楽しめますもんね。むしろ、“”この機会を見逃したらもったいないでしょ』くらいのことをやりたい!!

MSTR:ぜひ、改めて具体的な内容のミーティングをさせてください。なんならDaccoというユニットがいて、よく演奏中バックで踊ったりしてるんですけど。森若さんのステージ中、Daccoのメンバーに踊ってもらうのも楽しいかも知れない。

森若:昔のバンドマンってお化粧してたじゃない。私、そういうお化粧をしているバンドマンって昔から好きなんですね。クラスの中でひと際異彩を放っている人のような……。

MSTR:非現実的な存在のね。

森若:そう、やっぱりこの人たちは違うんだというオーラを放ってる。そういう面でもヴィジュアル系の人たちって私は大好きなんです。今って、どんどんミュージシャンたちも普通になっていくから面白くないんです。GO-BANG'Sだって昔からコテコテに着飾っていたように、だからこそ今回のヴィジュアル系の方たちとのコラボレートはホント楽しみにしています!!

MSTR:こちらこそ、ぜひ!!

取材・文=長澤智典 撮影=菅沼剛弘


イベント情報Crazy Monsters~春の祭典 2017 東名阪TOUR~
[IN TOKYO:東京春一番!!狂獣達の宴]

2017.3.5(日)TSUTAYA O-EAST
開場16:00/開演16:30
★当日券¥6,000(D別)は15:00~会場受付にて販売いたします。
[出演]
・森若香織(GO-BANG'S)スペシャルゲスト
・Crack6
・ALvino
・DASEIN
・S.Q.F
・Dacco
・wyse
・defspiral
・矢田 耕平(司会)
(問)チッタワークス/TEL:044-276-8841
Crazy Monsters~春の祭典 2017 東名阪TOUR~
[IN OSAKA:大阪モンスターズ!!春風狂宴]
2017.3.19(日)大阪MUSE
開場16:00/開演16:30
前売券¥5,500(D別)
[出演]
・Crack6
・ALvino
・THE MICRO HEAD 4N'S
・DASEIN
・S.Q.F
・Dacco
・defspiral
・矢田 耕平(司会)
[チケット]※前売券は残りわずかです!
(問)キョードーインフォメーション/TEL:0570-200-888
Crazy Monsters~春の祭典 2017 東名阪TOUR~
[IN NAGOYA:春の祭典!!名古屋でファイナルステージ]
2017.3.20(月・祝)名古屋BOTTOM LINE
開場16:00/開演16:30
前売券¥5,500(D別)
[出演]
・Crack6
・ALvino
・THE MICRO HEAD 4N'S
・DASEIN
・S.Q.F
・Dacco
・defspiral
・矢田 耕平(司会)
[チケット]発売中
(問)JAILHOUSE/TEL:052-936-6041
 

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