FAKE? 創設メンバーのINORANも駆けつ
けた15周年ライブ「みんないろんなカ
ッコいいバンドをやってるから、FAK
E?もカッコよくいられるんです」



輝かしいアニバーサリーイヤーの幕開けを飾るこの日のライブには、KENに加えPABLO(Gt / Pay money To my Pain)、峰正典(Gt)、JOE(Ba / Fuzzy Control、ROLL-B DINOSAUR)、ZAX(Dr / Pay money To my Pain、The BONEZ)、DJ BASS(Turntable / ZINGI)、d-kiku(Key & Manipulator)というお馴染みのバンドメンバーが参加。さらに、2005年にバンドを脱退した創設メンバーのひとりINORAN(Gt / LUNA SEA、Tourbillon、Muddy Apes)もゲスト出演するとあって、ソールドアウトとなった会場には幅広い世代のファンが駆け付けた。

DJ BASS/FAKE? 2017.2.25 LIQUIDROOM ebisu

d-kiku/FAKE? 2017.2.25 LIQUIDROOM ebisu

DJ BASSのスクラッチプレイに導かれるようにステージに現れたバンドメンバーとKENは、満員のフロアを前にアップチューン「Hedfuc」から勢い良くライブをスタート。オーディエンスはリズムに合わせて声や拳をあげて、バンドの熱演に応えていく。会場の熱は続く「Buzz」でさらに加熱し、4つ打ちビートが心地よい「Lucifer's Cut」ではフロアがダンスホールへと一変した。

KEN LLOYD/FAKE? 2017.2.25 LIQUIDROOM ebisu

最初の3曲を終えると、KENは「今日は(FAKE?としての)15年を、いい感じに見せられたらと思います」と挨拶。続いて次のブロックでは、昨年7月から12月にかけて行われたマンスリーライブ「Live Wonderland」の一部を披露することをアナウンスすると、「楽しんだ者勝ちです!」の一言を合図に「The Twins」からFAKE?の最新モードが展開された。ステージ後方に2つ設置されたLEDスクリーンには、「Live Wonderland」を盛り上げたキャラクター、双子の“DEE”と“DUM”がダンスする姿が映し出される。最新のエレクトロミュージックと有機的なバンドサウンドが融合した2017年版FAKE?サウンドは、久しぶりにFAKE?のライブを訪れたであろうリスナーにも好意的に受け入れられた。バンドはそのままファンキーなギターストロークが気持ち良い「White Rabbit Inc.」、きらびやかなダンスナンバー「Mad Hatz' Merry Go Round」、ダブステップを取り入れたサイケデリックチューン「The Caterpillar」を立て続けに演奏し、各曲とも映像とリンクした独特の世界観で観る者を惹きつけた。

PABLO/FAKE? 2017.2.25 LIQUIDROOM ebisu

峰正典/FAKE? 2017.2.25 LIQUIDROOM ebisu

その後もFAKE?は「Addicted」「Here We Go」と新旧の人気ナンバーを立て続けにプレイ。「Radio's Dead」ではビートに合わせて観客がハンドクラップをして、会場の一体感を高めていく。そのまま後半戦に突入というタイミングで、KENは「この15年、メンバー、スタッフ、そしてお客さんに支えられてここまできました」と話してからスペシャルゲストのINORANをステージに招き入れた。ステージに現れたINORANは躓くふりをして、そのままKENの胸に飛び込む一幕も。この微笑ましい場面に、会場からは歓喜の声と拍手が巻き起こった。

INORAN/FAKE? 2017.2.25 LIQUIDROOM ebisu

INORANが加わりトリプルギター編成となったFAKE?はKENの「15年分暴れちゃってください!」を合図に、ヘヴィなサイケナンバー「On My Tide」からライブを再開。LEDスクリーンにはそれまで映し出されていた最新のFAKE?ロゴから、懐かしい初期のロゴにユニオンジャックをあしらった映像に変わる。フロアが徐々に熱を帯び始めたところで、INORANのギターストロークからアッパーな「Utopia」に突入。ステージに並ぶKEN、INORANの姿に興奮したオーディエンスは、クラウドサーフやモッシュといったアクションでバンドの熱演に対抗する。さらにINORANとZAXの息の合ったイントロからカオティックな演奏にシフトチェンジする「Further Away」、独特のグルーヴ感が気持ち良く体に響く「Everglow」と、初期3枚のアルバム(『BREATHE IN…』『TOMORROW TODAY』『THE ART OF LOSING TOUCH』)からの楽曲が次々と披露されていった。

JOE/FAKE? 2017.2.25 LIQUIDROOM ebisu

ZAX/FAKE? 2017.2.25 LIQUIDROOM ebisu

最後のMCパートでは、KENがバンドメンバーを1人ひとり紹介。続けて「みんないろんなカッコいいバンドをやってます。だからFAKE?もカッコよくいられるんです」と、INORANを含むこの日のバンドメンバーたちに対する感謝の言葉を送った。そのままラストパートへと突入すると、地を這うようなリズムとザクザクしたギターリフ、スクラッチプレイが一丸となった「Pristine」、INORANも一部パートでボーカルを披露した「Lemontune」、多幸感に満ち溢れたアップチューン「Someday」を経て、ラストナンバー「Taste Maximum」へ。ここで会場の盛り上がりが最高潮まで達すると、KENは首に巻いていたネクタイで目隠しを始めて歌い出す場面も。終盤にはステージ上もフロアもカオスと表現するにふさわしい状況となり、こうしてFAKE?の15周年を祝福するアニバーサリーライブは大成功のうちに幕を下ろした。

FAKE? 2017.2.25 LIQUIDROOM ebisu

昨年後半のマンスリーライブでも新作を準備中であることを匂わせたKEN。マンスリーライブで先行販売された一部の楽曲はダウンロード販売されたり(「White Rabbit Inc.」「Mad Hatz' Merry Go Round」)、テレビ番組のエンディングテーマとしてオンエア中だ(「The Twins」)。2017年最初のライブを最高の形でやり遂げたFAKE?が今後どのような活動を見せてくれるのか、そしてどのような新作を届けてくれるのか、続報を楽しみに待ちたい。

取材・文=西廣智一

>>【インタビュー】FAKE? 結成当時のメンバーINORANをゲストに迎えるアニバーサリーライブを前に、KEN LLOYDに訊くバンドのヴィジョン

セットリストFAKE? 15th Anniversary Live “The Queen's Banquet”
2017.2.25 LIQUIDROOM ebisu
01. Hedfuc
02. Buzz
03. Lucifer's Cut
04. The Twins
05. White Rabbit Inc.
06. Mad Hatz' Merry Go Round
07. The Caterpillar
08. Addicted
09. Here We Go
10. Radio's Dead
11. On My Tide [w/ INORAN]
12. Utopia [w/ INORAN]
13. Further Away [w/ INORAN]
14. Everglow [w/ INORAN]
15. Pristine [w/ INORAN]
16. Lemontune [w/ INORAN]
17. Someday [w/ INORAN]
18. Taste Maximum [w/ INORAN]

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