歪んでいるけど美しい！切ない恋から
目が離せない『クズの本懐』の魅力っ
て？

「トレタメ」編集部

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アニメとドラマが１月から同時スタートしたコミック『クズの本懐』（横槍メンゴ）！

恋愛モノのマンガといえば純愛が王道ですが、『クズの本懐』はその全く逆。主人公やその他の登場人物の”歪んだ恋愛”が特徴です。

「こんなのクズだ！」と思わず叫んでしまいたくなるシーンがたくさんあるのにも関わらず、なぜか""共感してしまう""""目が離せなくなる""とファンが続出。

今回はそんな『クズの本懐』の魅力に迫っていきたいと思います。

一見、仲が良い普通のカップルに見える、安楽岡花火（やすらおかはなび）と粟屋麦（あわやむぎ）には、決してバレてはいけない秘密があります。

それは、
「お互いを好きにならないこと」
「どちらかの恋が実ればこの関係は終わりにすること」
「身体的な要求には答えること」
というルールの中で付き合っているフリをするということ。

周囲からも憧れられる理想的なカップルは、実は歪んだ愛情から成り立っていたのです。果たして２人の本当の恋は実っていくのでしょうか…？

この作品の最大の魅力は、”歪んだ恋愛”であるのに、キャラクターたち自身は純粋でまっすぐであるということだと思います。

花火と麦の関係は、決して正しいとは言えない関係です。

お互いの欲求を満たすためだけにの関係なんて、本来であればタブーなはずです。


しかし、「心から好きな人がいるのに実らない」「ツライ、悲しい」そういった気持ちを少しでも紛らわしたいと思ったことは誰にでもありますよね。
相手に違う誰かを重ねた恋愛をした経験がある人も少なからずいるでしょう。

「こんなの間違ってるけど、でもどうしようもない」
そんな恋心をストレートに表しているのがこの作品が共感されるポイントではないでしょうか。

『そうやって確かめないとすぐ見失う　すぐわからなくなる』
これは麦に触れられ身体的な欲求を満たすことで、自分という存在を確かめ、お兄ちゃん（花火の好きな人）への愛情を確かめていることが分かるセリフです。

ツライ恋をしていると自分を見失ってしまいそうな時は誰にでもありますよね。

このままでいいのか、諦めた方がいいのではないかと思う一方で、諦めたくない気持ちを身体に刻みこんでいく花火の切なさが身にしみてしまうセリフです。


『会わなきゃよかったなんて思えなくて　なんていうか　余計不幸っていうかさ』
「辛い思いをするくらいなら、出会わなければよかったのに」そう思いたくても、そう思えないから余計にツライという経験がある人も多いはず。

相手への思いが深ければ深いほど、諦めることができずにさらに辛くなってしまう…。

自然と花火に自分の姿を映してしまいますね。


『麦のこと好きになりたい』
カップルのフリをしている麦となら、こんなに簡単に触れたりキスができるのに、本当に好きな人とはそれが叶わないため、麦に恋愛感情が持てたら幸せで傷つくことがないのに…という花火の心情からのセリフです。

偽物の恋なら簡単に手に入るのに、本物の恋はなぜこんなにもツライのでしょうか。
心がきゅっと切なくなりますね。

この物語の面白いところは、主人公の花火と麦だけでなく他の登場人物もそれぞれに""歪んだ恋愛""をしているところです。
麦の好きな相手、皆川茜（みながわあかね）は男性にちやほやされることに生きがいを感じ、好きでもない相手を自分のものにすることで喜びを得ています。

花火の親友である、絵鳩早苗（えばとさなえ）の好きな人は、あろうことか親友である花火でした。

これらの登場人物が花火と麦の恋愛に複雑に絡み合い、もつれていくところも魅力の１つであり、今後の展開に目が離せないことは間違いないですね。

花火と麦の恋の行方はもちろん、茜や早苗はどうなっていくのかなど、今後の展開はますます目が離せないと思います。

きっと、切ないけれど読者を引き込む展開がたくさん待っているのでしょう。

また、アニメやドラマではどのように進んでいき、どんな結末になって行くのかも気になるところです。

歪んだ純愛をどのように表現しているのか、どんなセリフでストーリーをたどっていくのか、ファンであれば、原作・アニメ・ドラマはどれもチェックするべきではないでしょうか。

「ツライ恋をしたことがある」
「""クズ""な恋愛って一体どんなもの？」
「好きでどうしようもない人がいる」

そんな思いを抱えている人はぜひ、『クズの世界』に踏み込んでみて下さい。

きっと気持ちが楽になる瞬間が訪れて、いつの間にかこの世界に引き込まれてしまっているでしょう。

著者：りぴ