LEGO BIG MORL、東京タワーで短編映
画撮影 青空に響く歓声と想い

東京タワーの“脚下”で撮影をおこなうLEGO BIG MORL

 4人組ロックバンドのLEGO BIG MORL(レゴ・ビッグ・モール)が、結成10周年プロジェクトとしてショートフィルムを制作する。その映像を撮影するためのフリーライブ『LEGO BIG MORL 10th anniversary short film + one』が昨年12月17日に、東京都港区の東京タワー・フットタウンRFでおこなわれた。ファンと共に何か記録的な作品を残したいという想いのもと、抽選で選ばれた約250人のファンが参加、青空に歌と歓声が響いた。タイトルの『+ one』には同バンドのライブに訪れたことのない人達にも参加してもらうきっかけになれば…との願いが込められ、公式ファンクラブ(FC)の当選者一人が友人を連れて参加できるようにした。ライブは10周年にちなんで、代表曲「RAINBOW」や「Ray」、そして、春にリリースするニューアルバムに収録予定の新曲を含む全10曲を熱演した。

11年目に向かって残しておきたいフィルム

LEGO BIG MORL

 午後2時過ぎ。雲ひとつない澄み渡る大空の下、東京タワーの“脚元”には250人のファンが駆けつけていた。開演予定時刻が近づくと、楽器がセッティングされたステージにファンが通されていく。高揚感を煽るオープニングSEが響き渡ると、手拍子と歓声のなか、メンバーがステージに登場。

 カナタタケヒロ(Vo.Gt)の「東京タワーへようこそ! ライブしようぜ!!」の掛け声からライブは「ワープ」で幕は開けた。1stフルアルバムに収録されていたナンバーで、タイトルのごとく時間軸を飛び越え、2008年に戻ったかのような、歌と演奏でテンションを上げていく。アサカワヒロ(Dr)の安定した力強いバスドラムが鳴り続けるなか、「思いっきり自由に楽しんで行ってください」とカナタ。続いて披露されたのは「テキーラグッバイ」へ突入。ダンサブルなビートとエッジの効いたギター、そして、良質なメロディと野外というシチュエーションが心を解放させてくれるようだ。

 「東京タワーみんな飛べるか!」とカナタ。「Wait?」では掲げた腕を伸ばし、リズムに合わせて体を弾ませるオーディエンス。所狭しとカメラも、メンバーやオーディエンスを追いかけるように映し出していく。オーディエンスも今日は出演者の一人として、ライブハウスでのライブとは一味違う趣のなか進行していった。映像作品としてどのように映り出されるのか楽しみだ。

 LEGO BIG MORLは、オルタナティブロックを基調とし、空間を巧みに利用し開放感あふれるサウンドで、オーディエンスの気持ちも上げていく。そして、バラードナンバーではメッセージ性をさらに強くし、聴く者の心に入り込んでいく。それは彼らの人間性から発せられるものであり、単純にはコピー出来ないものだと感じた。タナカの事故により休養期間を持たざるえなかったバンドが、そこで改めて考えだした答え、タナカ自身も再びギターを持ちステージに立てたことによる喜び。ジレンマなど、様々なことがフィードバックされて、今のサウンドを構築している。音楽というのは生き様だ。それが濃ければ濃いほど、オーディエンスの心に響く。

カナタタケヒロ

 そして、ライブは終盤へ。「RAINBOW」、「Blue Birds Story」とLEGO BIG MORLの真骨頂とも言える楽曲は、野外の開放感にマッチしていた。どこまでも舞い上がっていくサウンドは、東京タワーに絡み合うように、新しい表情を見せていく。リアルタイムで楽曲が進化していくようだ。カナタは「僕たちの曲をどんどん大きくしてくれてありがとう。11年目に向かって残しておきたいフィルムだなと思い、皆さんに協力してもらっています。今日は来てくれてありがとう!」と訪れたファンに感謝を告げた。

 終盤に届けられた1stシングルの「Ray」には感謝の念が強く出ていた。結成10年という一つの節目に来たわけで、ここからまた1年1年歩んでいく。ファンあっての自分たちということも、身にしみるほど感じているのだろう。常に感謝を忘れず、そのアティチュードが音や言葉に説得力を持たせているようだった。「今日はみんなも出演者だから」という言葉からもわかるように、今回のイベントもそんなファンと共に何かを作り上げたいという想いから、出てきたものなのだから。

 ラストは3月29日にリリースされるニューアルバムに収録される新曲を届けた。言葉とサウンドが相乗効果を生むように紡がれていく。そして、アンコールの手拍子に応えもう一度、新曲を丁寧に情感を込めて披露。カナタの歌声とバンドサウンドが西に流れる太陽に溶け込みながら、東京タワーに響き渡った。美しいシチュエーションの中、ファンと共に作り上げた特別なステージは幕を閉じた。『+ one』はファンのこと、この日のアンコール、11年目に突入するバンドと様々な意味を持っているように見えた。10周年の感謝の気持ちが詰まったライブは3月28日におこなわれる新木場STUDIO COASTへ託された。(取材/撮影・村上順一)

フォトレポート

セットリスト

01.ワープ
02.テキーラグッバイ
03.バランス
04.knock to me
05.Wait?
06.Strike a Bell
07.RAINBOW
08.Blue Birds Story
09.Ray
10.新曲

ライブ情報

<LEGO BIG MORL 10th anniversary SPECIAL LIVE @新木場STUDIO COAST>
日時:2017年3月28日(火)
場所:新木場STUDIO COAST
時間:開場 18:00 / 開演19:00
チケット:4000円(税込/ドリンク代別/整理券番号あり)
一般発売 : 12月24日(土)10:00〜

<「Thanks Giving vol.8」w/back number>
2017年1月27日(金)@大阪・なんばHatch
OPEN : 18:00 / START : 19:00

<「Thanks Giving vol.9」w/ UNISON SQUARE GARDEN>
2017年2月18日(土)@岐阜・Club G
OPEN : 17:00 / START : 18:00
チケット:スタンディング 4000円(税込/ドリンク代別/整理券番号あり)
*1月27日(金)なんばHatch公演のみ2階指定席あり
一般発売 : 12月17日(土)AM10:00〜

MusicVoice

音楽をもっと楽しくするニュースサイト、ミュージックヴォイス

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着