SuG、2つのコンセプトで“対決型ラ
イブ” ポップな顔が勝利

極彩SuG(撮影・近澤幸司)

 5人組ロックバンドのSuGが全国ツアーファイナル『SuG VersuS EXTRA FINAL「COUNT DOWN」』を2016年12月30日、東京・豊洲PITおこなった。「VersuS」は、SuGがダークでゴシックな“極悪SuG”とポップでカラフルな“極彩SuG”という対照的なコンセプトでそれぞれライブをおこない、その盛り上がりを競うという対決型ライブ。一昨年も同様のライブをおこない、極彩SuGが勝利していた。今年も極彩SuGが勝利し、2連覇を果たした。今年1月で結成10周年を迎えるSuG。ボーカルの武瑠は「10年のすべてをもって挑みたいと思います」と9月7日に東京・日本武道館公演を開催することをアナウンスした。

 同ツアーでは衣装から演出、セットリストまで何一つとして同じものがない2DAYS公演を全国各地で開催し、それぞれの公演で歓声のボリュームを計測。全国16公演を経た累計では、極悪SuGが2681dbpt.(デシベルポイント)、極彩SuGが2682dbptと、1dbpt.差で極彩SuGがリードするも、決着はこのツアーファイナルへと持ち越されていた。

 先攻は極悪SuG。今回のツアーを経てライブの定番曲へと磨き上げられた新曲「KILL KILL」で幕をあけると、オーディエンスからも「KILLしたい」のシンガロングが沸き起こり、開演早々会場中が一体に。“極悪”らしくアグレッシヴにオーディエンスを煽り、「FLY WYVERNS」、「SCREAM IT LOUDER」など、“極悪”らしいダークでハードコアな楽曲を次々と展開。極悪SuGラストのハードコアなダンスチューン「HELLYEAH」では会場中が揺れ動くほどの盛り上がりを見せ、極悪SuGのターンは終了。

“極彩SuG”で歌う武瑠(撮影・近澤幸司)

 後攻の極彩SuGは、軽快なギターと美麗なストリングスが絡み合うキャッチーでダンサブルな「SICK’S」で序盤からフロアを揺らし、オーディエンスの心を鷲掴みに。“極彩”らしく笑顔あふれるパフォーマンスで、「FRIDAY!!」「桜雨」など、“極彩”の名にふさわしいカラフルなポップスを次々に披露。メンバーのラップの掛け合いも楽しいパーティーチューン「無限Styles」では無数のタオルが宙を舞い、「小悪魔Sparkling」では会場中のオーディエンスが笑顔で体を揺らし、極彩SuGのターンも終了した。

 この日のライブでは、極悪SuGが225dbpt.、極彩SuGが235dbpt.をそれぞれ記録。そしてこれまでの17公演分のポイントをすべて足した累計では、極悪SuGが2906dbpt.、極彩SuGが2917dbpt.となり、極彩SuGが昨年の「VersuS 2015」に続き2連覇を果たした。そしてラストは、この日レフェリーを務めた、お笑いタレントの星野卓也が「晴れて勝者となった極彩SuGにはウイニングソングをやってもらいましょう!」と振り、軽快なギターが心地よいポップロックチューン「B.A.B.Y.」を披露し、本編は幕を閉じた。

日本武道館公演をアナウンスする武瑠(撮影・近澤幸司)

 暗転後、アンコールを求める歓声が鳴り止まない中、ステージ上のスクリーンに映像が映し出された。メンバーひとり一人が、10周年とともにSuG史上最大の挑戦に向かおうとする覚悟や不安など、赤裸々な心境を語っていく。そして映像が終わるとともにメンバーが再び現れ、武瑠(Vo)が重い口を開いた。「ずっと逃げてきた挑戦に、今こそ立ち向かいたいと思います。2017年9月2日、日本武道館! その10年のすべてをもって挑みたいと思います」と武道館公演をアナウンス。

 そして鳴り出したアンコール1曲目は「gr8 story」。武瑠は「この曲の歌詞にこそ、今言いたいことがすべて詰まってる!」と叫び、残された力すべてをオーディエンスにぶつけるかのような、いつにも増してエモーショナルなパフォーマンスを見せる。

 1曲目を終えて、武瑠は「今のおれ達にはできないと思います。でも数ヶ月後の自分たちを信じて…信じたい。だからみんなの力を借りたいです」と飾ることのない本心をオーディエンスへと打ち明ける。そして「ケータイとかスマホとかカメラとか全部出して、これ以降全部撮影して構いません。だから10周年で出会ってきた仲間、すべてに届けてください」と突如撮影許可を出した。オーディエンスは歓声とともに次々とスマホをかざし始める。

 「ここにいるおれたちで、SuGを作ってきた全員、集まろうぜって、みんなに届けてください」という言葉とともに始められたのは、この日の最後の曲、「Smells Like Virgin Spirit」。会場中がシンガロングで一つになり、これからSuGが立ち向かおうとする挑戦を鼓舞するかのような力強い声が響き渡った。

 「おれたちにもう逃げ道はないです。あとは進むのみ。どんな2017年、10周年が待っているか、おれたち自身にすらわからないけど、この覚悟を持てたのはSuGの10周年を支えてくれた、その一部になってくれたすべての人たちのおかげだと思ってます。本当にありがとう」と武瑠から感謝の言葉を述べ、最後にメンバーとオーディエンス、会場にいる全員で決意のジャンプをして、『SuG VersuS EXTRA FINAL「COUNT DOWN」』は幕を閉じた。

■セットリスト

SuG VersuS 2016 EXTRA FINAL「COUNTDOWN」
2016年12月30日
東京・豊洲PIT

-極悪SuG-
M01 KILL KILL
M02 FLY WYVERNS
M03 BLOODY MARY
M04 sweeToxic
M05 UMBILICAL
M06 Pimp My Cars
M07 SCREAM IT LOUDER
M08 ZIG ZAG
M09 heavy+electro+dance+punk
M10 HELLYEAH

-極彩SuG-
M11 SICK’S
M12 FRIDAY!!
M13 Fast Food Hunters
M14 CRY OUT
M15 桜雨
M16 teenAge dream
M17 Vi-V-Vi
M18 無限Styles
M19 上海ハニー
M20 小悪魔Sparkling
M21 B.A.B.Y.

-ENCORE-
E01 gr8 story
E02 Smells Like Virgin Spirit

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