五木ひろしが語った紅白の意義、今の
日本の音楽を写す鏡

囲み取材に応じた五木ひろし

 第67回NHK紅白歌合戦が12月31日午後7時15分、本番を迎える。今年はベテラン勢の“卒業”や“落選”など世代交代の色が強く出たとも言われ、紅白の意義を問う議論もあった。そうしたなかで迎えたリハーサル。その合間には囲み取材もおこなわれ、46回目の出場となる五木ひろし(68)は紅白の意義について語った。

 五木は、1971年の第22回に初出場。以来回数を重ね、今年は46回目。演歌界の大御所である北島三郎が第64回(2013年=出場回数50回)、次ぐ、森進一が第66回(2015年=出場回数48回)を最後に卒業。今年の出場者のなかでは最多出場回数となる。

 「まさか、こういう時が来るとは思っていもおりませんでした。長く出場することを、最初に出た時は想像もしていませんでした。応援してくれる人たちが変わらずにずっと。46年間応援し続け、支えてくれたお陰でこうしてここまでなれました」

 今年はベテラン勢の“卒業”や“落選”など、顔ぶれが変わったとも言われ、なかには紅白の意義を問う議論も一部の民放番組のなかで繰り広げられたこともあった。

 「紅白は全てのジャンルが一堂に会する日本最高の音楽番組、という認識でいます。この紅白を観れば日本の音楽の全てが観られる。そういう意味では、色んなジャンルが、普段なかなか一緒になることがない人達が一つになってお届けできることは、まさに国民的音楽番組」

 歌謡界・演歌界では昨年、山内惠介と三山ひろしが初出場を果たし、今年も2年連続で出場。更に市川由紀乃が新たに加わった。

 「僕が期待している若手が去年入って。ある意味ではご縁。応援していますし、彼らが頑張ってくれれば。今年も新たに加わって。しかも女性。年を追うごとに増えていってくれれば嬉しい。私自身は46年の存在というものをしっかり出さないといけない。責任と楽しさと両方がいりまじった想い。僕は本当に日本が誇れる流行歌というのは歌謡曲・演歌だと思っております。若手が成長してくれるのは先輩としても嬉しいですし、日本の歌謡界にとっても良い」

 五木にとって紅白で歌うことは、ファンへ向けた1年間の感謝を示す場の一つでもあるという。

 「言葉ではなかなか言えませんけど、全国の皆さんに『1年間どうもありがとうございます』という気持ちを歌っております。今年もそういう気持ちで熱唱したいと思います」

 来年は69歳を迎える。「年齢を重ねることに1年の重みが増していく。1年がどれだけ大切か、若い時はあまり感じませんでしたけど、より1年1年が大切だと思う。あまり大きなことは言えませんが、とにかくまた来年も1年頑張ろうという想いの積み重ねだと思います」

 46回目の紅白。五木はきょう、出身地である福井県を流れる九頭竜川を歌にした同名曲を披露する。(取材・木村陽仁)

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