BUCK-TICK 17年連続の日本武道館公
演が大盛況、デビュー30周年プランも
一部明らかに



2017年9月よりデビュー30周年に突入するBUCK-TICKは、そのステージ上でAnniversary Yearのプランを一部発表した。終演後の大スクリーンに映し出されたのは、Anniversary Best Albumのリリース、『Anniversary Special Live』と題した単独野外ライブを9月に東京・お台場野外特設会場J地区で開催、“THE DAY QUESTION 2017”12月23日群馬県・高崎アリーナ、12月28・29日日本武道館公演2Daysを含む全国ツアーを10月よりスタート、そして2018年春にニューアルバムをリリース。会場は数々の胸躍る発表に歓声を挙げながら、“And more…”の文字に更なる期待を寄せる。最後に流れた“See you on 2017. Anniversary Year”のメッセージが、大いなる期待と興奮を煽った。

BUCK-TICK 撮影=田中聖太郎

BUCK-TICK 撮影=田中聖太郎

ライブ本編は、アルバム『アトム 未来派 No.9』の楽曲を中心に、組み込まれた過去曲は「Baby, I want you.」「MY FUCKIN’ VALENTINE」「メランコリア-ELECTRIA-」の3曲のみというセットリストで、アルバムの世界観を濃厚に魅せた。人工心臓を模したオブジェがメンバーを待つオーディエンスの胸の内とシンクロするように鼓動する中、ステージにメンバーが登場。星野英彦(G)が力強くかき鳴らすアコースティックギターと、今井寿(G)のエレキギターが描く鮮やかなコントラストに、リズム隊がずっしりと重なり「cum uh sol nu –フラスコの別種-」で幕が開けた。続く「PINOA ICCHIO –踊るアトム–」ではやる心に火を点け、同じビートトラックで繋いだ「美 NEO Universe」と「Baby, I want you.」で大爆発。序盤で一気に会場のテンションを最高潮まで引き上げた。

BUCK-TICK 撮影=田中聖太郎

アルバムの深遠なる世界にどっぷりと沈めたのは「El Dorado」。オープニングでは鼓動する心臓のようにグラフィックで見せていた白いバルーンのオブジェが、蝶が羽根を開くように、大きな花のつぼみが花弁を開くように変態する。今回のステージも鮮やかなグラフィック、照明が効果的に各楽曲のストーリーを物語る。「ツアーも最終日なので、僕たちも思いっきり楽しみたいと思います。どうかみなさん、歌って踊ってください」。櫻井敦司(Vo)のMCでスタートした中盤戦は「メランコリア-ELECTRIA-」「DEVIL’S WINGS」とヘヴィなダンスチューンを畳み掛ける。「BOY septem pecata mortalia」では、「もっと…僕はもっとほしい!」と欲望を暴走させる櫻井の生足が露わになったり、今井が寝転がったままギターをプレイしたりと、オーディエンスの心を翻弄する。ヤガミ・トール(D)がバスドラを高らかに打ち鳴らす「FUTURE SONG –未来が通る-」では、櫻井と今井のツインボーカルがパワフルに突き抜け、人魚姫が主人公の「THE SEASIDE STORY」では、このツアー中、回を重ねるごとに妖艶さを増していった櫻井のパフォーマンスの集大成を見た。星野と今井が共にアコースティックギターをかき鳴らすラテンナンバー「Cuba Libre」は、太陽が熱く照らす異国の地へと、「曼珠沙華 manjusaka」は真っ赤に染められたステージが、美しくも儚い幻想的な世界へと連れていく。そしてまだ見ぬあちら側へと誘ったのは「愛の葬列」。深い余韻を残し、本編を締め括った。

BUCK-TICK 撮影=田中聖太郎

BUCK-TICK 撮影=田中聖太郎

アンコールは、櫻井のボーカルと今井のギターのユニゾンによる「白鳥の湖」が印象的な「キラメキの中で…」、樋口豊(B)のズシリとしたベースラインが心を揺らす「見えないものを見ようとする誤解 全て誤解だ」、櫻井のシアトリカルなヴォーカルで釘付けにした「無題」と、本編とはまた違った世界観を刻み付けていく。

鳴り止まないアンコールにメンバーが再び登場すると、「天使は誰だ」「形而上 流星」「ROMANCE」の3曲を披露。櫻井が2017年から突入するデビュー30周年に触れ、感謝の言葉を述べた後、メンバー紹介をすると、「みなさんにとってまた来年素敵なコンサートが見れるように。本当に幸せな一年であってほしいと思います。みんながみんな幸せな一年であってほしいと思います。みなさんの輝かしい未来のために1曲」と、最後に「NEW WORLD –beginning-」を放ち、約2時間半のステージは大盛況の中、終了した。
1987年のデビューから2017年まで、不動のメンバーで進化し続けてきたBUCK-TICK。そして、彼らを支え続けてきたファンと共に迎える30th Anniversary Yearの幕開けに期待が高まるばかりだ。

取材・文=大窪由香

セットリストBUCK-TICK Tour アトム未来派 No.9
2016.12.29 日本武道館
SE
1.um uh sol nu -フラスコの別種-
2.PINOA ICCHIO -躍るアトム-
3.美 NEO Universe
4.Baby, I want you.
5.MY FUCKIN’ VALENTINE
6.El Dorado
7.樹海
8.メランコリア-ELECTRIA-
9.DEVIL’S WINGS
10.BOY septem peccata mortalia
11.FUTURE SONG -未来が通る-
12.THE SEASIDE STORY
13.Cuba Libre
14.曼珠沙華 manjusaka
15.愛の葬列<ENCORE>
16.キラメキの中で…
17.見えない物を見ようとする誤解 全て誤解だ
18.無題<ENCORE>
19.天使は誰だ
20.形而上 流星
21.ROMANCE
22.NEW WORLD -beginning-
ライブ情報2017年ファンクラブ限定LIVE「FISH TANKer's ONLY 2017」2017.1.21(土)神奈川:CLUB CITTA’川崎
OPEN 17:00 START 18:002017.1.22(日)愛知:名古屋ダイアモンドホール
OPEN 17:00 START 18:002017.1.28(土)東京:Zepp DiverCity(TOKYO)
OPEN 17:00 START 18:002017.1.29(日)宮城:仙台Rensa
OPEN 17:30 START 18:302017.2.4(土)福岡:福岡DRUM LOGOS
OPEN 17:00 START 18:002017.2.5(日)大阪:大阪なんばHatch
OPEN 17:00 START 18:00※ファンクラブ限定LIVEのため、一般発売はございません。

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