【ライヴレポ】演奏曲をその場で決定
♪さくらしめじ、ゆったりまったりの
“忘年会”で年納め!

緞帳が上がると、ステージ中央には、こたつで向かい合ってぬくぬくするふたりの姿が!「始まりました、さくらしめじの忘年会!今日はゆったりまったり、みかんを食べながら、あんな企画、こんな企画でみなさんと一緒に楽しみたいと思っています」と雅功が言うと、「じゃあ、さっそく1曲目!」という彪我のかけ声から、それぞれギターを手にスタンドマイクの前へ。ふたりが選んだ始まりの曲は、「せきがえのかみさま」だ。イントロや間奏で顔を見合わせながら、雅功の低音と彪我の高音が心地良く重なって、客席ではクラップが自然発生。オープニングから、なんて幸せなんだ。

和やかなBGMが流れる中、こたつに戻ると、「助けてよ、がくえもん」と言い出す彪我に、「ど、どうしたんだい、ひょがたくん。……ちょっと、なに台本にないこと言い出すんですか!(笑)」と慌て気味な雅功。そこから、“今年失敗したことをみんなに聞いてもらって水に流す”ことになると、雅功がスタジオにギターを忘れたまま家に帰ってしまったこと(帰り道に一緒だった彪我は雅功がギターを持っていると思い込んでいたそう)、彪我が電車で忘れ物をした人をお助けしきれなかったことが明らかに。「僕ら、抜けていますね(苦笑)……気をつけましょう!」と反省しきりだったが、そんなところもまた、微笑ましい。

以降は、開演前に観客が記入した投票用紙をくじ引きして、演奏曲目を決定。しかも、メンバーが客席に降り、リクエストしてくれた人に直撃インタビューをしてしまうという、スペシャルなスタイルだ。「みちくさこうしんきょく」「まよなかぴくにっく」それぞれ、「一番さくらしめじらしい曲」「メルヘンなCDジャケットも大好き」という、きのこりあん(ファンの総称)の愛のある言葉も添えられて、とても空気が温かい。にしても、仕込みなし、本当にどの曲がくるかわからないというガチな状況で、「緊張する!」と言いつつもこなしてしまうとは。全曲の練習をしてこの日に臨んだというふたりだが、驚きの対応力である。

ふたりの独断と偏見で選んだ「いくじなし」では、「せーの」から美しいアルペジオを奏で、彪我のタンバリンも軽快に響く中、ジャンプをしながら弾いたり、きのこりあんたちのコールを浴びたり。ふたりの笑顔も素敵だ。

こたつに戻ると、今度はサイコロトーク。“彼女にするならどの文房具?”という問いに、「ケンカしてもリセットできる」という独自の観点から、こすると消える“フリクションボールペン”を選んだ雅功。“今だから言えるぶっちゃけ話”として、「引かれるかもだけど、一時期ボカロにハマっていました」と告白した彪我。さらに、LINE LIVEできのこりあんと考えた“台の上にあるのはなんだろな”では、それぞれゴルゴ13風のアイマスクをして必死に手探り。結局、雅功は“クリープハイプのCD”、彪我は“うにのお寿司”だったが、怯えすぎるふたりの姿に、今年最後の大笑いが巻き起こった。それだけでは終わらず、観客のひとりをステージに上げ、ゲームに参加してもらうという場面も。忘年会らしい企画は、つくづく楽しい。

再びのリクエストコーナーでは、「ふたりの素直な気持ちが真っ直ぐ綴られた温かな曲だから好き」という想いを受け、“菌活の旅”の思い出を胸にふたりで初めて作ったという「おもいでくれよん」を披露。「“まぜまぜ”で盛り上がる会場の一体感、雅功くんをテーマにした彪我くんの語りで今年を締めたい」という声に応えての「てぃーけーじー」では、「雅功ちゃんといったら……カッコいいですよねぇ」という曲中の彪我の語りに、雅功が後から「雑か!(笑)」とツッコミを入れたり。

そして、ふたりで選んだラストナンバーは「ひだりむね」。躍動感あふれる歌とギターにしろ、息を合わせての最後の“ジャーン”にしろ、ライヴを締めくくるのに相応しかった。

演奏終了後、天井から降りてきた紐を引っ張ると……「2016年 たくさんの応援をありがとう」(田中雅功)、「菌一色な一年ありがとう」(高田彪我)と、出番直前にそれぞれがメッセージを毛筆でしたためた長半紙が出現。ふたりして生声で届けてくれた「ありがとうございました!」に至るまで、彼らの純真さ、愛と感謝を浴びて、きのこりあんたちにしても、思い出深い年納めができたはずだ。

2017年、3月3日には初のアーティストブックが、同月22日には初のミニアルバムが発売され、4月23日にはTOKYO DOME CITY HALLにてワンマンライヴ『春しめじの eat shun』を開催するさくらしめじ。色鮮やかに染まるきのこ盛りな春が、どうにも待ち遠しい。

写真/埼玉泰史、文/杉江優花

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