HOWL BE QUIET、“憧れ”メレンゲ迎
えツアー締め括り 魂を開放

憧れのメレンゲを迎えツアーを締めくくった白熱のHOWL BE QUIETのライブ=20日、渋谷、撮影・山川哲矢

 HOWL BE QUIET(ハウル・ビー・クワイエット)が12月20日、東京・渋谷WWWでツーマン・ライブツアー『Re:ACTION ~Answer1~』のファイナル公演をおこなった。最新シングル「サネカズラ」を手に、12月、東名阪を舞台におこなってきた本ツアー。大阪ではONIGAWARA、名古屋ではBrian the Sunを招いて熱狂を描いた。ファイナルのこの日は、竹縄航太(Vo&Gt)が10代の頃から大ファンで憧れの存在だというメレンゲを相手に熱演。しかも、LINE LIVEでの生中継も実施し、全国各地のファンにもネットを通して、ライブハウスで生まれた熱狂を伝えた。また、バンドとして初であり、過去最大キャパとなる赤坂BLITZを含む全国5都市をまわる「2017年春ツアー」の開催も発表した。

憧れメレンゲの熱狂を受け継ぎ

HOWL BE QUIET=20日、渋谷、撮影・山川哲矢

 ライブの先行を担ったのがメレンゲ。どこかいなたい感じを漂わせたメロウなグルーヴロックから、エレクトロな要素とギターロックな音楽性をミックスしたスペイシーなシティポップスまで、大きなウネリを持った音楽性を魅力に、メレンゲは終始、観客たちを心地良いウネリのなかへ導いていた。

 場内を熱く盛り上げたメレンゲからバトンを受け取ったHOWL BE QUIETのライブは「From Birdcage」で幕を開けた。演奏が始まった瞬間から“ウキウキ”と“ワワワク”が身体中から一気に沸き上がった。駆け出すビートに刺激を受けた満員の観客も、その場で頭上高く手を挙げて飛び跳ねてゆく。なんて無邪気に気持ちを開放させる演奏なんだ。

 「ライブオアライブ」では、観客が、竹縄航太の声に合わせ「オーオーオオッオー!!」と声高らかに唄っていた。早くもライブのクライマックスを迎えているほどの熱狂に満ちた気分だ。胸はしゃぐ気持ちが止まらない。いや、上がり続ける、心地良い興奮した感情を冷ましたくなかったと言った方が正解だ。

 なんて心地良いウネリなんだ。「PERFECT LOSER」が横ノリのグルーヴを描き出してゆく。走り出した演奏もワクワクとしたハートビートも、どんどん早くなってゆく。高揚してゆく気持ちが「もっともっと興奮させてくれ」と言わんばかりに刺激を求めて“ウズウズ”していた。

胸をジンと濡らしてゆく表情

 「今日は、ここにすべてを置いていくつもりで一緒に楽しもう」。竹縄航太の煽りを受け、演奏は「Wake We Up」へ。とてもスリリングな演奏だ。その衝撃は、気持ちを“ガンガン”と突き上げてゆく。メンバーたちも終始攻めの姿勢をもって、観客の魂に興奮の刺激を注入し続けていた。

 岩野亨(Dr.)の叩き出すジャングルビートに乗せ、身体を嬉しく弾ませるロックンロールナンバーが走り出した。「Dousite」は場内にパーティムードを作りあげた。続く「ステレオライダー」でもHOWL BE QUIETは攻めの姿勢を崩すことなく、刺激的なロックンロールなビートを突きつけていく。

 「バトルナイフ」では、これまでの熱狂を切ないベールで覆うように、しっとり切々と、歌と演奏を届けてきた。気持ちを躍動させる歌も魅力だが、胸をジンと濡らしてゆく表情もHOWL BE QUIETには欠かせない表情であることを実感させられた。

音楽のアドベンチャーを夢中に

HOWL BE QUIET=20日、渋谷、撮影・山川哲矢

 ライブは早くも終盤戦へ。ここからは、互いがいつまで熱狂していけるかの闘いだ。爆裂パーティロックチューン「Higher Climber」が飛び出したと同時に、場内中が、手拍子や腕を振り上げながら思いきり跳ねた。歌が進むごとに熱を帯びてゆく演奏。天井知らずの勢いをもって、演奏はどんどん興奮というエナジーを撒き散らしてゆく。もはや冷静でなんかいれない。ただただ夢中で跳ね続けていたい。

 たくさんの輝きを全身に浴びながら「レジスタンス」に合わせ、心を開放しながら騒ぎに興じれば、「一緒に冒険しましょう」の声を合図に始まった「MONSTER WORLD」へ導かれ、“ドキドキ”と“ワクワク”をエンブレムとして胸に掲げ、HOWL BE QUIETと一緒にめくるめく音楽のアドベンチャーを誰もが夢中で楽しんでいた。

 「これは、裸の自分を見せたくて作った歌です」。竹縄航太の言葉を受け、最後にHOWL BE QUIETは最新シングルの「サネカズラ」を届けた。ひと言ひと言を大切に紡ごうと竹縄航太は切々と歌いかけてきた。胸に染みる演奏へ想いを浸らせながら、舞台上から響く言葉の欠片たちをみんなしっかりと受け止め続けていた。

クリスマスナンバーも

 アンコールでは、ひと足早いプレゼントとして、クリスマスナンバー「Merry」を演奏。想い込めた歌声を、観客たちの心へ優しく染み渡らせていた。

 LINE LIVEの中継はここで終了。最後は、この会場へ訪れた人たちだけのために魂を開放させるパワフルなロックナンバー「孤独の発明」を演奏。場内中から突き上がった無数の拳こそ、この日のライブが導いた答え。HOWL BE QUIETの作り上げたパーティのなか、誰もが夢中になり、笑顔ではしゃぎ続けていた時間が、そこには存在していた。

 HOWL BE QUIETは、来年3月から初の全国ワンマンツアーをおこなう。初日を飾る3月18日の赤坂BLITZ公演を含め、この熱気と熱狂が各地へどんどん広がっていくことを楽しみにしていたい。(取材・長澤智典)

全国ツアー情報

HOWL BE QUIET TOUR 2017(仮)

3月18日(土)赤坂BLITZ
開場17:00/開演18:00

3月20日(日・祝)福岡Queblick
開場17:30/開演18:00

3月25日(土)名古屋ell.FITS ALL
開場17:30/開演18:00

4月1日(土)仙台enn 2nd
開場17:30/開演18:00

4月7日(金)大阪MUSIC CLUB JANUS
開場18:30/開演19:00

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