アルカラの『炒飯MUSIC』は『ドラゴ
ンボール』シリーズのオマージュにあ
ふれている

例えば、MVが『ドラゴンボールZ』初代のエンディング『でてこいとびきりZENKAIパワー』を模したものになっています。『でてこいとびきりZENKAIパワー』は、幼い頃の孫悟飯にスポットを当てている曲。曲中に、悟飯とごはんをかけたフレーズも出てきます。アルカラの曲タイトルが『炒飯MUSIC』なのは、これもまた悟飯にかけているからなんですね。



「名前も知らないオタマにまたがり」の歌詞でAメロがスタート。「オタマ」は、ドラゴンボールの「球」とかけていますね。「4000年のモンスター」の歌詞は、前述のED曲『でてこいとびきりZENKAIパワー』の「駆けてくるよアップル色モンスター」の歌詞とかけています。「4000年」という月日は、中国4000年の歴史をふまえているフレーズ。『ドラゴンボール』は、もともと中国の昔話『西遊記』をベースにしてスタートしています。炒飯に中国の歴史が詰まっていることも、このフレーズで表現。この曲は、ドラの音も効果的に入れて中華風の雰囲気を出しています。最初のフレーズは炒飯を食べる行為と、『ドラゴンボール』のストーリーを掛け合わせているんですね。

「不思議なストーリー」は、『ドラゴンボール』シリーズが持っている不思議なストーリー展開そのものを表現。そしてこのフレーズもまた、初代『ドラゴンボール』主題歌『摩訶不思議アドベンチャー』のタイトルにかけています。「世界でただただ一途」の歌詞も、『摩訶不思議アドベンチャー』に登場する印象的なフレーズ「世界でいっとー不思議な奇跡」とかけています。かつての『ドラゴンボール』シリーズ主題歌を知るファンはピンとくるんですね。



サビのフレーズは「你好5678」。こんにちは、という意味の単語と数字を中国語で表現しています。ドラゴンボールは7つ。∞にも見える8を加えて、『ドラゴンボール』シリーズが無限に拡大していく様子を表します。「超」と表記して、スーパーと読む歌詞は現在の『ドラゴンボール超』をうけていますね。

アルカラは、これまで発表してきた曲にも、例えば『夢見る少女でいたい。』というものがあります。この曲のタイトルも、相川七瀬の代表作『夢見る少女じゃいられない』のパロディですね。原曲にリスペクトをしてパロディをしつつ、独自の新しい曲を作るのがもともと得意なバンド。

この『炒飯MUSIC』も『ドラゴンボール』主題歌のパロディでありつつ、『ドラゴンボール』愛がつまった一曲。アルカラだからこそできる曲なのです。



TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)

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