「ガンダム THE ORIGIN IV
運命の前夜」最終上映舞台挨拶 37年
の歳月を経てのリベンジに安彦良和総
監督も満足

 「運命の前夜」は、テレビシリーズ「機動戦士ガンダム」で描かれた大戦「一年戦争」以前のエピソードをつまびらかにする「シャア・セイラ編」の最終話。地球に向かったシャア・アズナブル(キャスバル・レム・ダイクン)と、ニュータイプの少女ララァ・スンの出会いや、史上初のモビルスーツ戦など、一年戦争の開戦前夜にあたるエピソードが描かれる。

 「シャア・セイラ編」完結を迎えた現在の心境を問われると、池田は「公開最終日に、最終話の舞台挨拶をするのは、これが初めての経験。なんとか完結を迎えられて、今はホッとしています」と胸をなでおろした様子。「恐ろしい戦争へと向かっていく中で、パンツ一丁のアムロの姿に和みました」と第4話の感想を笑いながら話す田中には、藩が「そんなアムロを叱る、父親としてのテム・レイさんの姿にほっこりしました」とうなずきで応じていた。

 「シャア・セイラ編」全4話を通して印象的なシーンを問われると、第1話のキャスバルがアップになったカットをあげた池田が「青い瞳がとても印象的でした。この青い瞳を、これから赤く染めていくんだなと思うと……すいません、赤くしてしまって」と、田中に頭を下げる一幕も。また、安彦監督は「第4話で、フラウ・ボウに大泣きされ『僕には何もできない』とアムロが言う下りが、原作を描いていたころから好きだったので、そこで終わりにしたかったのですが、『シャア・セイラ編』なので、シャアで終わらないとダメだとスタッフに怒られてしまいました」と制作の舞台裏を明かしたほか、「第2話のキャスバルとアルテイシアの別れのシーンは、テレビシリーズにも回想としてあったもので、当時は『クサいシーン』としてパロディの標的にされてしまいました。今回は『絶対にクサいとは言わせない』という意気込みで臨み、それが果たせたという自信があります」と、37年もの歳月を経てのリベンジに、誇らしげな表情を浮かべていた。

 また、2017年秋に第5話「激突 ルウム会戦」が、18年に第6話「誕生 赤い彗星」が公開される「ルウム編」に向けて、藩が「守られてばかりだったセイラが、銃を取るカットがとても印象的でした。いよいよ私も戦いの中に身を投じるんだなと実感しました」と表情を曇らせると、安彦監督は「『ルウム編』は、とても重たい戦争の話。機動戦士ガンダム』の動かしがたい基本設定である『コロニー落とし』も描かれます」と、さらなる過酷な展開を宣言。「永井一郎さんの名ナレーションで『人類の半数が死滅した』とある大事件で、そんなに簡単に言ってくれるなよとも思いましたが、約50億もの人が死ぬという凄惨なできごとから目を背けずに、正面から描いていきたい」と意気込みを語った。

(C)創通・サンライズ なお、当日は池田の誕生日で、安彦監督69歳の誕生日も目前ということで、田中と藩から両名に、シャアのイラストをあしらったケーキと、花束のサプライズプレゼントが。会場の全員でバースデーソングを歌って、両名の誕生日を祝った後は、池田が「僕は今日が誕生日でしたが、第6話でついに『赤い彗星のシャア』が誕生します。今日を境に、また若返った気持ちで望みます」と、「ルウム編」に向けての決意を新たにし、舞台挨拶の幕を引いた。

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