グドモ同様、八王子観光PR大使にして
超絶地元密着バンド・フラチナリズム
のタフな笑い



フラチナリズム

いきなりグドモの「コピペ」を結構な完成度でカバー……モリに言わせれば「『コピペ』をコピペした」ということになるのだが。もともと八王子で流しをやっていたバンドだけあって、居酒屋などでの地元民との出会いからなる支持層も厚い。この人、絶対、地元でファンになった顔見知りでしょ?というお客さんを何人も散見。もちろん、おなじみさんも一見さんも巻き込むのが、エンタメに身を投じたフラチナリズムの真骨頂で、巨大な扇子を回しながらの「大江戸ディスコ」に、踊るための四つ打ちってこういう演奏だよ!と思わず快哉を心の中で上げてしまった。フロアもおそらく今日一番バウンドしてる。サラリーマンの悲哀を誘う、忘年会にもお似合いな「ズコ☆バコ」でもダンスは止まらない。しかもモリの振り付け、田村優太(Gt)のコーラスなどが、歌謡テイストの曲の強さをタフに彩る。

フラチナリズム

「八王子観光PR特使を務めております、グッドモーニングアメリカよりはだいぶ売れてないバージョン、フラチナリズムです」とモリが笑いを取りに行くと、「どうやったら売れんの?たなしん」と、タケウチカズヒロ(Bs)が素でフロアのたなしんに尋ね、「たなしんに訊くな」とさらにモリが真顔でかぶせるオチまで付いていた。

フラチナリズム

そこでいきなり説明なく「KAN&PAI」を始めるタケウチを「初めての人もいるのだから」と、演奏を止めるジェントルマン担当のモリ。「みなさんもついやっちゃったと思うんですけど、KEYTALKで気持ち上がってるからやろ?」と身も蓋もない言葉でまた笑いをとる。とはいっても、このバンドの根本的な演奏力はかなりエグい。

フラチナリズム

いつもなら賑やかな「KAN&PAI」で終わるところを今日はグドモに敬意を込めて名曲「涙の雨がやむ頃に」をセット。グドモと同じ33歳。「バンドって、33ぐらいになるとほんまにしんどいんですよ!でもみなさんの笑顔を見るとやめられなくなって、また元気をもらって、それを続けてしまう」とモリ。もちろん、面白おかしいニュアンスに包んでいるが、これ、偽らざるあらゆるバンドの本音だと思う。八王子にフラチナリズムあり、を実証したあっという間の30分だった。


取材・文=石角友香 撮影=安藤未優

フラチナリズム

セットリスト八王子天狗祭 【白狐ステージ】 フラチナリズム
1. コピペ(グッドモーニングアメリカカバー)
2. 大江戸ディスコ
3. ズコ☆バコ
4. KAN&PAI
5. 涙の雨がやむ頃に

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