ただ単に同じ単語を連呼しているわけ
ではない!米米CLUBの『Shake Hip!

『Shake Hip!』は、そんな米米の代表曲の一つ。倖田來未もカバーしています。米米は、もともとファンクを主体としたバンドであり、そんなファンクバンドの側面がよく出ているノリのいい曲です。タイトルは、米米流に言うなら「ケツをふれ!」。そのタイトルどおりに、ライブでファンが一斉に踊る曲です。





歌いだしの歌詞です。「Youの心 フュージョン」あなたの心に融合するようだ、と言っています。「ルージュからレーザー発してるよ」口紅からレーザー光線を浴びるかのようなショック。男が女に夢中になっている歌であることが最初の段階で分かります。

「フュージョン」「ルージュ」と似たような響きの言葉を並べてリズムを作ります。「レーザー」とやや変化をつけてから「シェイクヒップ」というタイトルの語が登場。「フュージョン」「ルージュ」「レーザー」とのばす音を連続してから「シェイクヒップ」というはねる音をもってきて、印象に残るようにしているんですね。



「クレイジー」「マイハート」と、ここでものばす音を入れています。「Mon amor」はフランス語で愛する人の意味。男が女にひかれ妄想を膨らませていることが分かる展開です。ここでは「シェイクヒップ」の単語は入れずに温存します。



サビへとつながる箇所。「ダンシン」「ベイべ」ときてから、「いたずらに視線をなげないで」。男が女に翻弄されている歌詞が続きます。「だんしん」「べいべ」「いたずら」「しせん」「なげない」と「い」の音を連続させ、さらに「なげなーいでーいえいえいえいえ」と歌います。「シェイクヒップ」というタイトルが「い」の音を2回入れてますが、このサビへとつながる箇所で「い」の音のリズムを仕込んでいたんですね。

この曲は、全体を通してなんとなく聴くと、ひたすら「シェイクヒップ」という単語を連呼しているかのような曲に思えます。しかし、実はきちんと作られた曲。この前半部分で巧みに伏線を仕込んでいたからこそ、「シェイクヒップ」が際立っていることが分かります。また、「シェイクヒップ」は女のお尻が揺れている状況ですが、男が興奮して心が激しく揺れていることにもかけているんですね。



途中で台詞が入るのもポイント。「We are the米米CLUB」と自己紹介しています。このさりげない自己紹介があるからこそ、この曲が「米米CLUBのメンバー全員で作っている曲」であることが分かるのです。この台詞の後には、ホーンセクションのきらびやかな見せ場がきます。単調になりかねない曲を様々な趣向で聴かせているんですね。

バンドにダンサー、コーラス、ホーンまでそろったグループは今も昔も米米以外にありません。『Shake Hip!』は、この形態だったからこそ輝いた曲でもあります。

TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)

アーティスト

UtaTen

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