10月12日@渋谷Bunkamura オーチャードホール

10月12日@渋谷Bunkamura オーチャードホール

井上陽水、万雷の拍手でオーチャード
ホール2daysが終了

今年9月、よこすか芸術劇場公演を皮切りに“井上陽水 コンサート2016秋「UNITED COVER 2」"と題して昨年に引き続き、今年も全国ツアーをスタートした井上陽水。東京、渋谷Bunkamura オーチャードホールでのコンサートが2days開催され、10月12日に2夜目の公演が行われた。
「ミスコンテスト」「カナリア」「Make-up Shadow」と手練れのミュージシャンの演奏をバックに大人の色気たっぷりに歌い、序盤から会場全体を井上陽水ワールドに染め上げる。そんな雰囲気とは一転、冒頭の挨拶のMCでは「肌寒くなってきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?」と独特のニュアンスで語ると会場からはどっと笑いが。“ただの挨拶"で観衆の心を掴むミュージシャンは音楽業界広しと言えども、井上陽水くらいではないだろうか。

「皆様の日頃の辛いこと、悲しいこと、様々なことを抱えていらっしゃると思いますが、今日だけはそれを忘れて楽しんでください。」と言ったそばから「とは言っても私は不吉な曲ばっかりなんですけどね。」と語り、井上陽水の楽曲の中でも特に“不吉"な曲、家族の崩壊をイメージさせる曲である「娘がねじれる時」を歌うと、会場はまた何ともいえない緊張感に包まれた。

昨年リリースされたアルバム『UNITED COVER 2』に収録されている昭和の名曲カヴァーも披露。作詞:永六輔、作曲:中村八大による「黄昏のビギン」、ボッサ調にアレンジされた盟友・吉田拓郎の「リンゴ」、シンプルな構成とコーラス編成に、教会音楽の様な神々しささえ感じる「あの素晴しい愛をもう一度」など、井上陽水の解釈で新たな生命を吹き込まれた名曲の数々や、NHKブラタモリのテーマソングとなっている「女神」「瞬き」など、ツアーの表題にもなっている『UNITED COVER 2』のパートも大いに盛り上がった。

後半ではギタリスト長田進、今堀恒雄を従えて、井上陽水が影響を受けたアーティストの1人と言う、ボブ・ディランの思い出を語りながら「Knockin' on Heaven's Door(天国の扉)」のカヴァーから始まり、『UNITED COVER 2』収録曲コーナー同様、原曲やそのアーティストへの愛情と、井上陽水ならではの声やアレンジによる魅力を感じさせるパフォーマンスとなった。トークも多く見られた前半部分とは一転、後半パートは「リバーサイドホテル」「嘘つきダイヤモンド」「氷の世界」など、自身のヒット曲を惜しみなくパフォーマンスし、最新作カヴァーアルバムだけでなく、井上陽水のオリジナル曲も堪能できるコンサートとなった。

アンコールでは、会場を多く埋め尽くしたアダルトなオーディエンスに「せめて最後の2〜3曲くらい立ってみてはいかがでしょうか。運動のつもりで」と笑みを浮かべながら促すと、場内総立ちとなり、「渚にまつわるエトセトラ」「夢の中へ」に手拍子が巻き起こった。最後は井上陽水と玉置浩二、日本の音楽史で無二の天才2人によって作られた「夏の終りのハーモニー」を歌い上げ、万雷の拍手の中、コンサートを締めくくった。

『井上陽水 コンサート2016秋「UNITED
COVER 2」 』

10月18日(火) 岡山 岡山市民会館
10月19日(水) 高知 高知県立県民文化ホール
10月24日(月) 福岡 福岡サンパレス ホテル&ホール
10月26日(水) 福岡 アルモニーサンク 北九州ソレイユホール
10月27日(木) 長崎 アルカスSASEBO
11月03日(木)  群馬 桐生市市民文化会館 シルクホール
11月04日(金)  神奈川 川崎市教育文化会館
11月09日(水)  和歌山 和歌山市民会館 大ホール
11月10日(木) 大阪 フェスティバルホール
11月13日(日) 長野 ホクト文化ホール 日(長野県県民文化会館) 
10月12日@渋谷Bunkamura オーチャードホール
10月12日@渋谷Bunkamura オーチャードホール

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OKMusic編集部

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