秘密はDNAレベルで燃やしてね!カラ
スは真っ白の『HIMITSUスパーク』

「映画」と「ティアラ」が最初に登場。ともに「ありもしないこと」「手に負えないもの」と表現されます。そんなものに執着するなら「シーンを1つとばして」と言いたい歌詞の主人公。この主人公の微妙な感情を歌っています。映画は、映画のような出来事という例えで使われるように、ありもしないような途方もない出来事の象徴。そして、ティアラは身の丈以上の飾りつけの象徴。歌詞の主人公は、ありもしないような話をして身の丈以上の装飾を身につける相手に対してやきもきしているんですね。曲のテンポの速さが、歌詞の主人公のはやる気持ちを表現しています。



2番では、1番の対比として相手が「ありふれたくだらない」話ばかりして、「手に届くもの」ばかりを身につける様が描写されています。主人公は、そんな相手にも憤りを感じますが、それでも「シーンは1つもとばせない」に歌詞が変化。「1つとばして」から「1つもとばせない」に変化したことで、より相手と親密になっていることが分かります。



サビの歌詞。「ひみつはスパーク!スパーク!」という勢いあるフレーズが耳に残ります。スパークは、火花が出ること。秘密をスパークしたい、燃やしたい、壊したい、という歌詞です。相手との秘密を全て忘れて、もっと親密になりたいという感情を歌っているんですね。



ちなみに「秘密」とタイトルや歌詞にあるように、歌詞の構造にも秘密があります。Aメロの歌詞に改めて注目。「映画みたいな」=Aがみたいな。「ティアラみたいな」=Tあらみたいな。「時間がないわ」=Gかんがないわ。「仕方がないわ」=Cかたがないわ。歌詞の頭文字がATGCとなっていて、塩基配列になっているんですね。A=アデニン、T=チミン、G=グアニン、C=シトシン、この4種類の塩基の順序が塩基配列。この塩基配列がDNAの中に並んでいます。DNAは二重螺旋構造なので、だから歌詞に「螺旋」があるんですね。

人の究極の秘密は、人体を構成するDNA。この曲は、実はDNAをテーマにしているのです。「螺旋はすぐに 燃やして」というフレーズは、DNA単位で秘密は燃やしてという、極限までミクロな意味だったんですね。たとえば、普通の可愛い恋愛の歌であれば「秘密はなしね」というような可愛いニュアンスで、こういう意味合いのフレーズが表現されます。この曲は、もっと踏み込んで「DNAレベルで秘密は燃やしてね」と歌っている曲。

このちょっと驚くスケール感こそが、カラスは真っ白の魅力なんですね。


TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)

UtaTen

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