夏フェス会場で夕暮れ5時頃に聴きた
くなる曲
選曲のエキスパート“ミュージックソムリエ”があなたに贈る、日常のワンシーンでふと聴きたくなるあんな曲やこんな曲――今回は夏フェス会場で見る夕焼けに合わせたい一曲です。
1.「ORANGE RIUM」/でんぱ組.Inc
でんぱ組.incはアイドル・イベントだけでなく、本格的なロックフェスにも招かれ、積極的に出演しています。会場を盛り上げるステージでアイドルファン以外の支持も多く集めており、中でも「ORANGE RIUM」は“聴かせる曲”の定番。夕焼け色に灼き付ける青春の片思い――屋内のワンマンライブでは、オレンジ色のサイリウムと照明でお馴染みです。野外フェスでもやっぱり、天然の夕焼けを最高のステージ演出として聴きたい一曲です。
(選曲・文:Kersee)
2.「夕暮れ」/JUDY AND MARY
4大フェスが日本で揃ったのは2000年代に入ってからのこと。もちろんそれ以前にも夏の野外で豪華アーティストが集まる企画はありましたが、今ほど盛んではありませんでした。もう見られない、再結成もされない、あのバンドがここに立っていたら……そう思わずにいられないのが、ご紹介するJUDY AND MARYの「夕暮れ」です。
もともと温かさと優しさが両立したVo.YUKIの歌声は夕暮れにもよく似合いますが、そんな彼女が歌う、ゆったりとしたバラードは完璧です。生で見ることができなくても、待ち時間のSEで流して欲しいくらいです。
(選曲・文:Kersee)
3.「合唱幻想曲」/ベートーベン 「H
appy Birthday to you」/ヒル姉妹
今や“世界のOZAWA”と称される指揮者・小沢征爾を記念して、昨年改称された「セイジ・オザワ松本フェスティバル」。長野県松本市を会場に、20年以上続くクラシックの夏フェスです。
屋外ステージでのポップスやロックのフェスが盛り上がるこの時節、ぜひクラシックの「夏フェス」にも出かけてみませんか。
(選曲・文/堀川将史)
4.歌劇『微笑みの国』より「君はわが心
のすべて」/ヨナス・カウフマン
目の前に美しい夕焼けが広がっていくような演奏です。レハール作曲作品の中の第2幕で、中国のスー・チョン王子が愛するリーザに“あなただけを想っている”と伝えるこの歌。歌唱は3大テノールの一人・ドミンゴの、後継者と期待されるカウフマン。歌声は甘いけれども強さもあって、メロメロっときてしまいます。
日頃感情をあまり表に出せない人も、彼の情熱的な歌唱を聴いて、心を解放させてみてはいかがでしょう。
(選曲・文/山本陽子)
5.「Babel」/マムフォード&サンズ
来年に結成10周年を迎える、英国出身フォークロックバンドの一曲。夕焼けに染まる山並みに響く、アコースティックギターとバンジョーの音色は、感傷的な気持ちを高めてくれます。さらにVo.マーカス・マムフォードの力強い歌声は、オレンジ色の空を仰ぎつつ飲むビールを、より美味しくしてくれるのです。
荒野を旅する一団に加わったようなロマンを感じる最高の1曲です。
(選曲•文/石井由紀子)
ぜひこれを機にCDやレコードなどの音源でも、各曲をお楽しみいただければ幸いです。
それでは、くれぐれも熱中症にはお気をつけください!
著者:NPO法人ミュージックソムリエ協会