7月10日@代官山SankeysTYO

7月10日@代官山SankeysTYO
前日までの荒天がまるで嘘のように、好天に恵まれた7月10日、CTSが初のワンマンLive「THE LIVE OF WAVINESS」を開催した。
場所は渋谷にほど近い代官山SankeysTYO。そもそも渋谷は彼らの初となるパッケージになるレンタル盤CD「WE ARE CTS」のジャケット写真や、MV「唯我独尊ONLY ONE」の舞台となったこともあり、CTSのホームグラウンドと言ってもいい。

蒸し暑い陽気の中、すでに開場を待ちわびるファンの列は長く伸びており、前売り券は完売し、当日券の販売はなしというアナウンスもあり、早くも熱気を帯びていた。

並んでいる客層はやや女性が多いものの、年齢層は幅広く分散している印象だ。 そう、CTSはその音楽性故にファン層が幅広いことでも知られている。それこそ10代から40代以上まで、新曲をリリースするたびにその支持層を広げてきた。

元々、ハウスやトランスといったクラブミュージックを彼らなりの解釈でJ-Popとして表現してきたのが、最新作「WAVINESS」においてはさらにカラフルでポップな方向にシフトしており、こうしたファン層の拡大は当然の結果とも言える。とはいえ、メッセージ性の強い日本語歌詞に哀愁的美旋律が絡むという楽曲の基本コンセプトはデビュー当時から不変であり、この時代にあってブレない姿勢というのもファンにとっては好印象に映るのだろう。そんなことを考えているうちに、16時の開場時刻となり、物販ブースはこの日の限定アイテムを求めるファンでたちまち賑わいを見せていた。

それにしても。会場となるSankeysTYOはクラブらしく、地下にあることもあって隠れ家的な雰囲気漂わせるお店である。クラブを原点と位置付けるCTSが、この場所を選んだことも頷けるというもの。やがてフロアは満員御礼状態となり、その熱気はまさにロックアーティストの開演前のようだ。

そして定刻通りの17時、壮大なSEに合わせて映像が流れる中、颯爽とCTSの3人が登場。大歓声の中、MCもなく、いきなりVocalのCircleによる歌声が会場内に鳴り響く。「The Brave」。最新作「WAVINESS」において最も攻撃的な、トランス系シンセフレーズが鳴り響くアップリフティングな1曲である。これによりフロアは一気に熱狂の渦へ。しかもそのままビートが途切れることなく、「唯我独尊ONLY ONE」へと突入する。まさにクラブのピークタイムを再現するかのように、アクセル全開のオープニングだ。

この「唯我独尊ONLY ONE」のサビではオーディエンスも大合唱で応える。すでに演者と観客との一体感が素晴らしい。もちろん、CTSのLiveが今回初体験という観客もいたはずだが、彼らのバックに映し出される映像には歌詞が表示されており、そのおかげで誰もが歌って楽しめる内容となっていた。

ここでファンにはお馴染み、SQUAREによるMCが入る。 「最後マデ楽シンデイッテクダサイ」という言葉の後に聞こえてきたのは「原点回帰」。この曲は彼らにとって初のシングルとなった曲でもあり、こうしてセットリストの序盤に組み込むとはその意気込みも伝わるというもの。続いて口笛のイントロに導かれて始まったのが「Lady」。日本でもようやくその名前を目にするようになったトロピカルハウスというジャンルにインスパイアされた楽曲だ。

そして「Road」。こちらもCTSには珍しいダブステップ系のバラードソング。オープニングからのフルスロットルな流れから、ゆっくりと心地良くシフトダウンしていくような、ここにきてようやくフロアも落ち着きを取り戻してきた。

ここでTriangleによるMCが入る。ファンにはもう名物となっている彼の独特なトークに、会場は次第にピースなヴァイブスに包み込まれる。覆面という取っつきにくさを解消するかのようなこうした立ち振る舞いは、Liveでしか味わえない彼らの魅力の1つとも言えるだろう。

そしてCircleの独唱から「全世界NEVER GAME OVER」が勢い良くスタート。突き抜けるような爽快感が印象的なアッパートラックだ。そのまま続いて「ALL FOR ONE」へ。マツダのCMでもお馴染みの1曲だ。この曲でもオーディエンスの手拍子が絶えない。続けて「DREAM ILLUMINATION」となり、ポジティブで多幸感あふれる楽曲が次々と紡がれていく。

CTSは覆面によってその表情は見えないが、それとは対照的にファンの笑顔は眩しい。ここにいる全員が、この日を待ちわびていたことがよく分かる。と、聞き覚えのあるメロディーが流れてきた。初音ミクとのコラボ曲「千本桜」だ。CTSがクラブミュージックとJ-Popのみならず、日本的なサブカルチャーとも親密な関係を築こうとした記念すべき楽曲である。

大盛況の中、ここでCTSがステージから一旦引き上げる。代わりに映像が流れてきたので、ひとまずは第一部終了といったところだろう。ここまで30分と少々、もはやフロアは汗ばむ熱気に満たされており、オーディエンスを休憩させるには絶好のタイミングだった。

15分ほどのメイキング映像を挟み、ほどなくして第二部がスタート。Triangleが奏でるシンセに導かれて聞こえてきたのは「Plan B」。
第一部の始まりが「The Brave」だったことを考えると、この第二部のオープニングも意外な選曲である。続いて間髪入れずに「Uplift」がスタート。ちなみにこの第二部からはレーザーによる演出も加わり、クラブらしい陶酔感と非日常感がさらに加味されていた。

そのままの流れで「Beautiful Love World」に突入。約3年前にリリースされた楽曲だが、未だにLiveにおいても人気の高い楽曲である。もちろんサビでは大合唱だ。そして満を持して「Kilari Kanata」。この曲は過去にリリースされたEPのB面的楽曲でありながら、そのクオリティの高さから隠れた名曲的存在となっている。彼らの持ち味でもある哀愁的美旋律と物語性豊かな日本語歌詞とが高次元でクロスオーバーした内容であり、私自身、ここでまた楽曲の良さを再確認することが出来た。

ここで再びSquareとTriangleによるMCが挟み込まれる。Triangleの「ミンナデ一緒ニ歌ッチャッテクダセイ!」というMCから「Everything All Right」が始まり、その勢いで「Love the past, Play the future」へ。ここにきてLiveも佳境に入ってきた。

ここで再びTriangleのMCとなり、彼らの代表曲でもある「Yume Be The Light」が始まった。最も人気の高い楽曲とはいえ、オーディエンスの大合唱が一際大きく聞こえたのが印象的だった。その後、聞き覚えのあるアコースティックなギターフレーズが鳴り響き、「The Key of Life」の始まりをSquareが告げた。そんなSquareの肩に手を添えながら情感豊かに歌い上げるCircle。まさに今後のCTSの未来を予見させるかのような、哀愁ポップな極上バラードをセットの最後に持ってきた。ピースフルな余韻を残し、これにて「THE LIVE OF WAVINESS」の幕が閉じかける。

ここからはアンコールだ。まずはSquareがステージに登場。聞こえてきた曲は「WAVINESS」。ここにきてようやくアルバムタイトル曲がフロアに投下され、観客のボルテージもさらに上昇していく。途中からゲストVocalとして南波志帆も登場し、Circleと美しいデュエットを披露していた。この日のLiveで最も盛り上がった瞬間の1つだろう。そして名残惜しむように「NO REASON」のシンセが流れてきた。すでに彼らのLiveでは定番の曲とも言えるが、その魅力は未だ色褪せず。ここでも笑顔にあふれたオーディエンスの大合唱となったのは言うまでもない。

観客のアンコールは鳴り止まず、一旦ステージから降りたCTSが再び登場。「Sayonara Twilight」が始まる。初期の名曲だ。オーディエンス全員がハンズアップでそれに応え、CTSもそれに呼応するかのように大きなアクションで煽る。この日一番の一体感である。

終わってみれば、全20曲、17時から19時まで、あっという間の2時間のLiveだった。開催場所からして、クラブミュージックを原点としたCTSの音楽性が存分に生かされた内容であったことは間違いない。特に演出効果として映像、照明、そしてレーザーとの一体感が素晴らしく、ここで「Yume Be The Light」の歌詞を借りるなら、"点と点を繋ぎ合わせて、想像出来る全てを形にした"パーフェクトなワンマンLiveだったと言えよう。

恐らく、このLiveの模様はファンが撮った写真や映像によりSNSなどで拡散していくことだろう。撮影OKという貼り紙がフロアの壁に貼られていたように、CTSの知名度はこうしてさらにアップしていくのだ。願わくば、もっと多くの人に彼らの音楽を聴いて欲しいと思う。そしてLiveを体感することで、彼らの魅力が想像以上に増すことも保証したい。

そんなことを考えながら、私は渋谷の繁華街へと足を向けた。この心地良い余韻で一杯飲もう。渋谷の夜は、まだ始まったばかりなのだから。

Text by 島田 真一朗
Photo by Tatsuichi Kuniyoshi
7月10日@代官山SankeysTYO
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