メゾン ミハラヤスヒロ 2017年春夏コ
レクション - 孤高に生きる、新たな
旅路

今シーズン、テーマに掲げた「NO CLUB LONE WOLF」(一匹狼)には、これまでコレクション発表の地を東京からミラノ、パリ、そして今回のロンドンに移した、メゾン ミハラヤスヒロどこにも属さない“孤高感”を投影しているという。

1950~60年、アメリカのポップカルチャーに影響を受けていたドイツの労働者階級の若者たちが好んだスタイルを再解釈していく今季のワードローブには、遊び心溢れるアイディアが絶えない。

例えば、キーアイテムのひとつであるボーリングシャツ。オンブレチェックとの組み合わせは、色柄自体もアシンメトリーだが、右だけをタックインした着こなし方もまた非対称なニュアンスを汲んでいる。チノとデニムの掛け合わせに、片足だけロールアップしたボトムスも同様。ブランドらしい“解体と再構築”の連鎖を施すことで、グンと個性的なルックへと導いた。

全てのルックに通ずる、いかにもD.I.Y的な演出。それらは、当時の彼らが持っていた自由奔放な感性を視覚化するようだ。前身頃と後ろ身頃が大きくずれたシャツやスウェット、片袖がないアウター、裾の解れたデニム……。それから、不躾に描いた文字の数々もまた然り。

首に巻いたスカーフや主張的なバックルベルト、それからラバーソールシューズといった充実した小物類は、さらに若者たちの感性を解き放つための個々なる手段である。そして同時に、新天地で創造を繰り広げるブランドのセンセーショナルな提案とも言えるだろう。

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