6年ぶりにアルバムを発売したスガシ
カオの世界観を振り返る5曲
2016年1月20日、スガシカオさんが6年ぶりのオリジナルアルバム『THE LAST』を発売しました。所属事務所からの独立や体調不良など、さまざまな紆余曲折を経て完成したアルバムと共にスガさんの世界観がうかがえる楽曲をおさらいしましょう。
■シンプルなようで奥深い「愛について
」
ブラスセクションが印象的な4枚目のシングル。他人との距離感を濃密に構築した2枚目のアルバム『FAMILY』にも収録されています。歌詞はシンプルでありながらも、男性からの永遠の誓いのように聴こえたり、なんとなくうまく行っていないカップルの冷めた恋愛観がうかがえるなど、奥行きの深さが感じられます。結婚式のBGMに勧められることが多い楽曲です。
■そう簡単にはひたらせてくれない「夜
空ノムコウ」
SMAPがこの曲を歌った時に、なんてナイーブな歌詞なんだろうと、スガさんに興味を持たれた方も多いのではないでしょうか。スガさん自身もカップリングベスト『Sugarless』でセルフカバーしています。叫びにも似たスガさんの声とアコースティックギターの音色がせつなさを増幅させる一方で、曲中を支配する効果音から一筋縄ではいかない毒が垣間見られます。
■スガシカオ最大のヒット曲「アシンメ
トリー」
スガさんの最大のヒット曲で、「左右非対称」というタイトルが示すとおり、整形をテーマにしたフジテレビ系ドラマ『整形美人。』の主題歌になりました。ドラマで使われるのを意識して、イントロ無しでサビからスタート。エレピが鳴り続けるメロウなサウンドに乗せて、スガさんならではの愛情表現が歌われています。MVでは、一面の水槽の前でパフォーマンスするスガさんが印象的でした。
■底抜けに明るくて爽やかな「午後のパ
レード」
スガさんのレパートリーとしては異色の、突き抜ける明るさとキャッチーなメロディを持つディスコナンバー。スガさん自らが振り幅を広げるためにポピュラリティを追求した、7枚目のアルバム『PARADE』と同時発売のシングルでした。MVでも爽やかさが全編にあふれていて、ピンク色のシャツを着たスガさんの周りで、サングラスをかけたダンサーたちが踊りまくります。
■最新アルバムの先導役「アストライド
」
本人が出演した保険会社のCMソングで、事務所移籍後に発表した楽曲の中から、唯一『THE LAST』の本編に組み込まれたナンバーです。原点回帰とも言えるフォーキーなサウンドと、もがき苦しみながらも少しずつ前へ進もうとする歌詞は、リリースの頃メジャーに復帰したばかりだったスガさんの決意表明とも取れます。あえてこの曲を選んだ『THE LAST』がどんなアルバムなのか期待させてくれる楽曲です。
歌詞もサウンドも良い意味でストレートではないところが、スガさんの大きな魅力と言えます。『THE LAST』では小林武史さんをプロデュースに迎えたことにより、どのような化学反応を起こすのか、聴きどころ満載のアルバムです。是非聴いてみてください!