再ブレイク、そして鞘師の時代の幕開
け。モーニング娘。『The 摩天楼ショ
ー』

そのカップリング曲が『The 摩天楼ショー』です。ブラスアレンジが入った、つんくらしいファンキーな曲。つんくはシャ乱Q時代の『ズルい女』などもそうですが、ファンクの要素を入れてくる傾向があります。
この曲の歌割りはかなり極端。メインを6期の田中れいなと9期の鞘師里保のみで歌います。他は全員コーラスとダンスのみ。この曲の時点で7、8期のメンバーは既に卒業しているというのもモー娘。の歴史におけるポイント。通算在籍期間が10年を超えた6期のベテラン、歌える田中れいなと喋れる道重さゆみが、残りの9期、10期の8人の次世代メンバーに託していくという構図がこの頃に出来ていたわけです。『The 摩天楼ショー』というタイトルには、次世代を担うメンバーに摩天楼のごとく高い目標をもって挑んで欲しい、という意味も込められているんですね。
2015年末に卒業する鞘師里保。近年のモーニング娘。の歴史は、まさに鞘師と共にありました。この曲における鞘師の歌割りは当時の鞘師を反映しています。
“目立っちゃいなさい”
”高鳴る胸 野望が空を舞う”
”極めたい 音楽の世界”
まず「目立っちゃいなさい」の歌詞。実際9期メンバーの中でも一際目立っていたのが鞘師でした。加入当初からエースとして活躍していた鞘師。この曲でも歌割りが多いです。
「高鳴る胸 野望が空を舞う」この鞘師パートも良いですね。当時の鞘師の高鳴る胸・野望が表れています。アイドルブームが重なったことも手伝い、実際この曲以降、モー娘。は再びCD売上・ライブ動員数を伸ばしていきます。
「極めたい 音楽の世界」これもストイックな鞘師らしいフレーズ。鞘師は、特にダンスの評価が高かったメンバー。ダンス技術を極めようという意識が加入初期からありました。歌割りが多いだけあり、メンバーの中でもしっかり踊りながら外さずに歌える存在。まさに「音楽を極めようとする姿勢」が人気を呼んだのです。ハロプロの場合、パフォーマンスが優れているメンバーが人気となる傾向があり、鞘師は文字通り9期、10期通して1番人気メンバーでした。この曲は、当時の鞘師里保自身の、またモーニング娘。自体の高揚感にあふれています。
この曲のメインパートを歌っていた田中れいなが卒業し、そしていよいよ鞘師里保が卒業します。こうしてまた次の世代へ、この曲は引き継がれていくんですね。そんな物語を見ることができるのもモーニング娘。の魅力の一つです。
TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)

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