超特急

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奇想天外なパフォーマンスで2015年一
躍知名度を上げた超特急の功績とは?

“超特急"の3 文字と7人の青年達がデザインされたバスが街中を走り、それを見た少女達が言葉を交わす。「超特急って何? 韓流?」「ううん。日本のグループだよ」——。原宿あたりで見かけられるこんな光景も、1年後には皆無になっているかもしれない。ここ数年、音楽シーンの中で大きな勢力となりつつある男性パフォーマンスグループの中で、2015年に最も顕著な飛躍を遂げた7人組。それこそが超特急であり、誰もが知る存在となるまで、きっと時間はかからないだろうから。
5人のメインダンサーが2人のバックボーカルの歌声を背に踊るという、通常のダンス&ボーカルグループとは真逆のスタイルで2011年末に結成された超特急。2014年末の時点で東京国際フォーラム・ホールAでのクリスマスワンマンを5分で完売させるほどの人気を得ていたが、その1年後となる2015年12月23・24日には代々木競技場・第一体育館で念願のアリーナ公演を敢行。2日間で25000人のオーディエンスを熱狂させたことは、各局のワイドショーや情報番組でも大きく取り上げられた。

ほんの1年で一気に知名度を高めた彼らだが、その最大の転機は北川景子主演のフジテレビ系ドラマ『探偵の探偵』の主題歌に抜擢されたことだろう。切れ味鋭いダンスと深みのあるボーカルで隙なくキメられる力がありながら、あえてコミカルな要素を仕込むことで“ダサカッコよく"魅せるという超特急最大の個性を、この主題歌「Beautiful Chaser」では完全に封印。世界的ギタリストであるマーティ・フリードマン氏とコラボし、一貫してダーク&ハードに振り切って、まさしく新境地を拓いてみせた。結果、トータル7万枚という自身の最高セールスを記録し、オリコンウィークリーチャートでは初登場2位を獲得。

9月には西日本最大級の野外フェス“イナズマロックフェス"に初参戦し、呆れるほど全力投球のパフォーマンスで、完全アウェイにもかかわらず大きなインパクトを残した。ロックのみならず、その後もEDMやクラブミュージックを軸にした“MUSIC CIRCUS'15"、日本最大級のファッション&音楽イベント“GirlsAward 2015"等、ジャンルを超えたイベントに多数出演。ダンスしながら白目を剥き、手足をジタバタさせ、自己紹介ではファンの合いの手を交えて強引に場の空気を自分たちのものにする、良い意味で“なりふり構わない”異色のステージングを何時でも、何処でも、誰の前でも変わることなく全身全霊でぶつける彼らは、いつしか“中継ぎのエース"と呼ばれるほど重宝されるようになっていった。また、ハロウィンイベントでは完成度の高すぎるコスプレも披露したが、そもそも超特急の作品/ステージは実にエンターテイメント性の高いもの。これまでも警官や武士、RPG風の戦士、アンドロイドと数々のキャラクターに扮し、ライブでも突然のけん玉やハンドベル演奏、物語仕立てな展開の最中に15段のモンスターボックスを跳んだりと、奇想天外なパフォーマンスをしてきた彼らのポテンシャルは計り知れない。

そのエンタメ性を活かして、昨今はバラエティ番組にも積極的に進出。12月にはフジテレビ系『ペケポンプラス』で地上波ゴールデン初進出を果たし、時に3 人で、時に1人でと、ソロでもグループでもイケる柔軟なトーク力でも評価を得ている。加えて、何人かのメンバーは俳優としても活動しており、10月には超特急としての初主演映画「サイドライン」も公開。さらに、初写真集の撮影をマレーシアで行い、マレーシア観光文化大臣から感謝状を贈られる等、ジャンルレスにも程があると言いたくなるような活躍ぶりだ。

2015年は全てのライブツアーを完売させ、今、まさにブレイクのレールを超特急で突き進んでいる7人。2016年はテレビで、雑誌で、ライブで、イベント会場で、そのバラエティ豊かな活動とひたむきな姿勢が、きっと日本中を席捲するだろう。

TEXT:清水素子
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OKMusic編集部

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